登場人物
ツルリンゴスター(私):絵を描く主婦。30代。
アオ:2018年3月生まれの女の子。ツルリンゴ家のアイドル。よく眠りあまり泣かないびっくり赤ちゃん。
兄ーズ:長男5歳、こだわり強めのいいやつ。次男3歳、お調子者だが時に核心を突く。
夫:よく働く3児の父。家族が大好き。
第26話
ツルリンゴスターのあとがき
次男が生まれて仕事をフルタイムからパートに切り替えるとき、かなりの葛藤がありました。
子供を育てるにはお金が要ります。でも自分の能力には限界があり、1日は24時間しかありません。
フルタイムで子育てをしている人はたくさんいます。
お金の余裕があるわけでもない自分がそれをしないのは、甘えなんだろうか…と。
しかし、自分の家庭の生活を考えるとき、他の家庭と比べることに意味はありません。
我が家の生活の指揮をとるのは私で、私が笑って暮らせていると、どうやら子どもと夫も安定するようです。
なので私は自分が笑っていられるように、夫に相談し、仕事を調整することに決めました。
一人の時間は、人間誰しも必要です。
子供が生まれると、はじめの頃は一日中拘束されて「親」であり続けなければならず、幸せなはずなのに孤独を感じたり、自信を喪失してしまいがちですね。
これは愛情が足りないのではなく、人間は、一つの役割を求められ続けると苦しくなってしまうようにできているからではないかと思います。
「親」以外の顔を持つ自分を見つけられるのが「一人時間」の大切なところです。
友人の前の私、仕事での私、家族の中の私、読書をしたり映画を見る私、全て私です。
そんなことを言われても、一人の時間なんかとれないよ…という親御さんがたくさんいると思います。
子供は置いていけません。一人の時間を作るということは、自力で協力者を探さなければならないということです。
そしてそれは、とても(本当に果てしなく)難易度の高いことなのです。
今回の記事を描くとき、もし、今育児で一人時間がなくて「私って一体なんなんだろう」と自分が迷子になっている人がいたら、きっと羨ましく、苦しくなってしまうのではないかと思いました。
私にもそういう時期があったからです。
でも、動けないことは悪ではありません。
止まっているように見えても、「親」としての経験は山のように積んでいるはず。
そして今動けないとしても、他のたくさんの自分は消えることなく、あり続けます。
できたら5分でもいいから、散歩に出たり、本屋さんで好きな雑誌を買ったりしてみてほしい。
家から出られなければ、短い時間でもラジオをつけたり、読んでいなかった本を開いてみたりしてほしいです。
この先友人に会えばいつでも学生の頃の自分に戻れるし、
新しいコミュニティを見つければまた成長できる自分に出会えるし、
そんな全部の「自分」を、家族はいつでも大好きでいてくれます。
私がたまの一人時間を楽しんでいる間に、子どもにも家族以外のコミュニティがたくさんできてきたようです。
きっと私がいないところでは、子どもは全然見たことのない顔を持っているでしょう。
最近はそれがとても嬉しいです。
………
さて、一年近く続けていた私のこの連載ですが、今回で一旦休載させて頂くこととなりました。
ブログで日々のことを描いていた私に声をかけてくださり、たくさんの読者の方と出会わせて頂いたninaruさんには、感謝の気持ちでいっぱいです。
そして読んでいただいた皆さんからのあたたかい気持ちやコメントに、いつも本当に勇気をもらえていました。ありがとうございます。
連載が始まったときに0歳だったアオも、すっかりオテンバ娘に成長しました。
仕事が忙しくなりそうで一旦お休みをいただきますが、また新たな育児模様を掲載していけるよう、頑張ります。
ツルリンゴスター
▼漫画の感想やツルリンゴスターさんへのメッセージを募集中!
◆「ツルリンゴスターの毎日はなまる」を読むならアプリが便利!
ツルリンゴスター
作者