ベビーパウダーって危険なの?医師に注意点を聞いてみた。

赤ちゃんのあせもやおむつかぶれに効くとされるベビーパウダーですが、危険だという話も耳にします。実際のところ、どうなのでしょうか?

そこで今回は、ベビーパウダーについてのアンケート結果や医師のコメントなどを紹介しながら、ベビーパウダーが危険なのかどうかについてご紹介します。

ベビーパウダーとは?

ベビーパウダー

ベビーパウダーとは、赤ちゃんのあせもやおむつかぶれを防ぐために肌に塗る粉末。トウモロコシのデンプンであるコーンスターチと、タルクと呼ばれる鉱物が主な原料です。

ベビーパウダーには次のような効果があるとされています。

1. 肌の水分を適度に保つ

タルクそのものに吸水性はありませんが、その細かい粒子の作用で汗などの余分な水分が吸い上げられます。

一方、コーンスターチには吸水性があり、余分な水分を吸いつつも、乾燥すると逆にその水分を放出する働きがあります。

この2つの作用によって、ベビーパウダーには肌の水分を適度に保つ効果があるとされています。

2. 肌をサラサラにする

タルクもコーンスターチもとても滑りがよいため、肌につけるとサラサラになります。

赤ちゃんの肌は敏感で摩擦に弱く、摩擦が原因であせもやおむつかぶれになることも。ベビーパウダーで肌と肌、肌と衣類・おむつとの摩擦を減らすことで、あせもやおむつかぶれを防げるとされています。

「ベビーパウダーは危険」という噂

疑問 はてな ?

そんなベビーパウダーですが、あまり使わないという人もいるようです。なぜでしょうか?

実は、「ベビーパウダーは危険」という噂があるからです。

噂といっても、根も葉もないわけではありません。1987年に、ベビーパウダーの原料に使われているタルクの中にアスベストが混ざっていたという報道がされ、社会問題になったことがきっかけです。

アスベストとは、石綿とも呼ばれる繊維のような鉱物です。安くて優れた特徴をいくつも持っていたため、かつてはいろいろな製品に幅広く使われていました。

しかし、空中に飛散したアスベストの繊維を長い間吸い込み続けると、肺がんなどになる危険性があることから、原則として製造などが禁止されています(※1)。

つまり「ベビーパウダーは危険」という噂は、今でもベビーパウダーにはアスベストが混じっているかもしれない、という考えがきっかけとなって生まれたようです。

ベビーパウダーを使ってる先輩ママはいる?

ベビーパウダー 使っている人 グラフ

では、実際に赤ちゃんのお世話でベビーパウダーを使っている人はどれくらいいるのでしょうか?

今回ninarubaby編集部では、先輩ママ419人にベビーパウダーについてアンケートを行いました(※)。

その結果、ベビーパウダーを使っているママは全体の17%だということがわかりました。ちなみに、使っている人の多くは「親に勧められたのがきっかけ」で使い始めたとのことです。

ベビーパウダーの危険性を医師に聞いてみた

巣鴨千石皮膚科 インタビュー

およそ2割の人しか使っていないベビーパウダーですが、本当に危険なのでしょうか?

そこで、2児の母であり、赤ちゃんのスキンケアに詳しい、巣鴨千石皮ふ科の小西真絢先生に話をうかがってみましした。

小西先生、ベビーパウダーは危険だという噂をよく聞くんですが、本当なんでしょうか?

編集部・小野

編集部・小野

小西先生

小西先生

そういう噂は確かにありますね。
ただ、その噂の発端である、発がん性物質のアスベストが混入していたという問題はすでに対策が取られ、解決されていますよ。

では、ベビーパウダーの危険性を心配する必要はないんですね。

編集部・小野

編集部・小野

小西先生

小西先生

アスベストの心配をする必要はありません。でも、使うときに注意した方がいいことはあります。

といいますと?

編集部・小野

編集部・小野

小西先生

小西先生

ベビーパウダーの粉末を赤ちゃんが吸い込んでしまうと、気道の粘膜などに付着し、何かしら影響があるかもしれません。赤ちゃんが吸い込まないように、注意する必要があります。

それと、つけすぎると汗の通り道である汗腺を粉末でフタすることになるので、あせもやおむつかぶれを悪化させてしまう可能性もあります。

なるほど。適切に使う必要がある、ということですね。

編集部・小野

編集部・小野

ベビーパウダーメーカーは危険性についてどう考えている?

マイク インタビュー

小西先生から注意点を教えてもらったので、念のため、ベビーパウダーメーカーが安全性や注意点についてどのように説明しているのか調べてみました。

まずはベビーパウダーの代名詞ともいえる「シッカロール」を製造・販売している和光堂さんの見解をご紹介します(※2)。

ベビーパウダーの原料として使用されるタルクにつきましては、昭和62 年(1987 年)の厚生省の通達により、アスベストが検出されないことが義務付けられました。現在は平成18年(2006 年)の厚生労働省の通達により、ベビーパウダーへの使用に限らず全てのタルクについて、同様の基準が設けられております。
「シッカロール」シリーズに使用しているタルクは、原料ロット毎に検査を行い、アスベストが検出されないことを確認しております

和光堂ホームページ「よくいただくご質問(Q&A)」より

同じような案内はピジョンのホームページにもありました(※3)。やはり小西先生の言う通り、噂の元凶となったアスベストの混入については、心配する必要はなさそうです。

一方、ピジョンのホームページでは、万が一赤ちゃんがベビーパウダーを吸い込んでしまったときは、すぐに病院で診てもらうよう案内しています。

また、ジョンソンベビーのホームページでは、下記のような案内がありました(※4)。

警告:お子さんの呼吸に問題を引き起こすおそれがありますので、吸引しないようにお子さんの顔にパウダーを近づけないでください。

ジョンソンベビーホームページ「よくある質問」より

汗腺をフタしてしまう可能性について言及しているメーカーは見当たりませんでした。

いずれにせよ、メーカーも注意喚起をしていることからわかるように、ベビーパウダーを使うときは決められた使い方を守り、適切な量を使うようにした方がよさそうです。

ベビーパウダーは用法・用量を守ろう!

ベビーパウダー

今回ベビーパウダーのことを調べてわかったのは、「ベビーパウダーは危険」と言う噂の元凶となったアスベストの混入に関しては、30年以上前に対策が取られているため心配不要だということでした。

その代わり、赤ちゃんがベビーパウダーを吸引してしまうリスクや、あせも・おむつかぶれを悪化させてしまうリスクがあることがわかりました。

ベビーパウダーには赤ちゃんの肌トラブルに役立つ優れた効果があります。しかし同時に、注意点もあるため、メーカーの指示に従い、用法・用量を守って使うようにしてくださいね。

取材協力

巣鴨千石皮ふ科
子供の肌トラブルに詳しい小児皮膚科をかまえるクリニック。「目に見える異変は何でも相談できるホームドクター」として、プライマリーケアに重点をおいた診療を行う。

※アンケート概要
実施期間:2018年9月18日~9月21日
調査対象:アプリ「ninarubaby」を利用中のママ
有効回答数:419件
収集方法:Webアンケート


小野 佑仁

小野 佑仁

おのゆうじん

ビジネス書・自己啓発書の編集を経て、2017年末から「こそだてハック」「ninaru baby」の編集に携わる。大学院でヒトの遺伝子について研究していたため理系と思われがちだが、自分では文系だと思っている。1児の父として、家庭では主に料理と掃除を担当。なぜか社内では「ポテトさん」と呼ばれています。
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