成長過程の一つだから心配しすぎないで!赤ちゃんのギリギリ歯ぎしり

赤ちゃんが突然歯ぎしりをすると、「ストレスを感じているの?」「歯が欠けてしまったら…」と不安になるママも多いのではないでしょうか。

そこで今回は、赤ちゃんの歯ぎしりについて、先輩ママの体験談と歯科医のアドバイスを紹介します!

実は珍しくない!
約40%の赤ちゃんが歯ぎしりをしていた!

ある育児書には、「赤ちゃんの10〜20%が歯ぎしりをする」と記載されていました。

編集部員の赤ちゃん時代の話や、ママ社員の子供の話から推察すると「あれ?もっと多くの赤ちゃんが歯ぎしりをしているのでは?」ということになり、「ninaru baby」では赤ちゃんの歯ぎしりについて調査(※)を行いました。

赤ちゃん 歯ぎしり

歯ぎしりをする大人は5〜15%といわれていて、なんと、赤ちゃんはその倍以上も歯ぎしりをしていたのです。

具体的に、何ヶ月のときに歯ぎしりをしていた赤ちゃんが多いのでしょうか?

赤ちゃんの歯ぎしりは歯の生え始めに多い!

歯ぎしり 月齢

下の前歯が生え始める生後7ヶ月ごろから歯ぎしりをする赤ちゃんが増え始め、上下の前歯が生え揃う生後9〜11ヶ月ごろに歯ぎしりもピークを迎えます。

成長とともに赤ちゃんの歯ぎしりは落ち着いていき、1歳後半になると、多くの赤ちゃんが歯ぎしりをするのがおさまるようです。

次の章では、先輩ママから寄せられた赤ちゃんの歯ぎしりについてご紹介します。

赤ちゃんの歯ぎしり体験談《1》
「お腹が空いているタイミングで」

ゆいちゃんママ

ゆいちゃんママ

赤ちゃんのプロフィール
● 歯ぎしりを始めた月齢:1歳1ヶ月
● 乳歯が生えたタイミング:生後12ヶ月
● 現在の月齢:1歳3ヶ月

うちの子は、初めての乳歯が生えた後から歯ぎしりをするようになりました。

とくに体調が悪い日やお出かけをした日にするというわけでなく、起きているときは頻繁にしていました。もしかしたら、お腹が空いているタイミングで歯ぎしりをしているのかもしれません。上と下の歯をこすり合わせて、ギーギーくり返しています。

フッ素を塗ってもらいに歯科を受診したときに相談したら、「気にしなくて大丈夫ですよ」と言われました。

茂山医師

茂山医師

子どもの歯ぎしりは、大人のストレスによるものとは異なります。

赤ちゃんや子供の歯ぎしりは乳歯の歯並びを修正するものであったり、噛む感覚の練習だと考えられていて、ほとんどの場合、問題ありません。

お腹が空いているタイミングでの歯ぎしりに関して、特別な関連性は報告されていませんが、「食べたい」という欲求から食べるトレーニングを行なっているのかもしれませんね。

子どもの歯ぎしりは基本的に問題ありませんが、あまりに歯がすり減っているときは歯につけるマウスピースを作ることもあります。それも3歳を超えてのことですので、今は安心して経過を見てくださいね。

赤ちゃんの歯ぎしり体験談《2》
「気に入らないことがあると歯ぎしりを」

柚ママ

柚ママ

赤ちゃんのプロフィール
● 歯ぎしりを始めた月齢:不明
● 乳歯が生えたタイミング:生後6ヶ月
● 現在の月齢:1歳6ヶ月

娘は歯が生えるのが早く、奥の乳臼歯以外は生えそろっています。

歯ぎしりはたまにする程度ですが、大人と同じように歯をギリギリさせます。歯ぎしりは昼・夜などのタイミングはバラバラですが、怒っていたり、気に入らないことがあった日に歯ぎしりをすることが多いようです。

茂山医師

茂山医師

大人の歯ぎしりは精神的な緊張や、ストレスが影響していると言われています。

精神的な緊張があると、それを発散させるために何らかの癖が出ることもあります。それが歯ぎしりとして出た可能性はあります。

子供の歯ぎしりは、発育時期の一過性のものかストレスによるものかはっきりしないケースもありますが、基本的には問題ないと考えてよいでしょう。

赤ちゃんの歯ぎしり体験談《3》
「上の前歯も生えたころから始まりました」

みいちゃんママ

みいちゃんママ

赤ちゃんのプロフィール
● 歯ぎしりを始めた月齢:生後12ヶ月
● 乳歯が生えたタイミング:生後10ヶ月
● 現在の月齢:1歳5ヶ月

下の前歯が生後10ヶ月で生え、そのあと、1歳ごろに上の前歯も生えてきました。

そのころから、昼間に遊んでいるときや、夜寝ているときに歯ぎしりをするようになりました。キーキーキュッキュと、歯を軽くこすり合わせているような音がします。

起きているときは、遊びに飽きたり、暇なときに歯ぎしりをしているように思います。「痛い痛いするよ?」と声をかけたり、ほかの遊びに誘ってみたりしています。

茂山医師

茂山医師

子どもの歯ぎしりは、あまり心配しなくてもいいと言われています。乳歯が生えるタイミングでの歯並びの違和感を解消しようとしたり、噛む機能を確立するために歯ぎしりをする場合も多いからです。

運動や遊びで気をそらして、自然に歯ぎしりをやめさせることはとてもいい対応だと思います。歯ぎしりによって多少歯がすり減っても問題ないことが多いですが、あまりにひどい場合は3歳を超えてからマウスピースを作る場合もあります。現段階では無理に辞めさせず、見守っても大丈夫ですよ。

教えて茂山先生!
赤ちゃんの歯ぎしりは大人と違うの?

赤ちゃん 昼寝 布団

ここまで、3人の赤ちゃんの歯ぎしりについてご紹介してきました。

改めて、歯科医の茂山先生に「赤ちゃんや子供の歯ぎしりと大人の歯ぎしりの違い」と、受診の目安について教えてもらいました。

茂山医師

茂山医師

大人の歯ぎしりは精神的な緊張やストレスなどによりますが、子供の歯ぎしりは、前述のとおり、基本的には歯や骨格など成長に伴うものがほとんどです。

ただし、大人の歯ぎしり同様に、精神的なストレスが原因で子供が歯ぎしりをすることもあります。

「小さい子供でもストレスを感じるの?」と疑問に思うかもしれませんが、保育園や幼稚園に通い始めて環境が変わったり、弟や妹が生まれて寂しさを感じたりしたときには、子供がストレスを感じることもあります。

まれなケースではありますが、このような大きな変化がストレスになって、歯ぎしりの引き金になる場合もあります。

成長に伴うものなのかストレスが原因なのかを見分けるために、子供が寝ているときの様子もよく観察してみるといいですね。

歯ぎしりがなかなか止まず、歯のすり減りが激しい、顎に痛みがある、歯がグラグラ揺れる、しみる、噛むと痛がるなどの様子があるときは、小児歯科を受診して相談してください。

赤ちゃんの歯ぎしりは心配しすぎないで

音がなるおもちゃ 赤ちゃん 泣き止む
赤ちゃんがギリギリと音を立てて歯ぎしりをすると、どうしてもママは心配してしまいますよね。

赤ちゃんや小さい子供の歯ぎしりが成長による一過性のものだとはいっても、あまりに続くときは何か変化がないか見るようにしましょう。

歯ぎしりだけでなく、歯並びや虫歯など、赤ちゃんの歯で気になることがあったら、小児歯科を受診してくださいね。

※アンケート概要
実施期間:2018年11月25日~2018年11月28日
調査対象:「ninaru baby」利用者
有効回答数:183件
収集方法:Webアンケート


取材協力:茂山 久夫

取材協力:茂山 久夫

歯科医師/茂山歯科医院

九州歯科大学卒業後、同歯周病科にて4年間診療、その後開業医での勤務を経て、現在は福岡県中間市にて診療を行う。日本歯周病学会、J.A.C.D(The Japanese Academy of Comprehensive Dentistry)、日本顎咬合学会、北九州歯学研究会若手会に所属。「一生を通じて付き合える歯医者さん」をコンセプトに、本人以上に患者さんのお口を分かっている、そんな信頼できる歯科医師を目指しています。大切な歯を守る第一歩は子どもの頃に作られる習慣と正しい知識です。子育てのお悩みの解消に少しでも貢献できたらと思っております。