「草原に身ひとつで放り出されても、楽しく生きていける人」を目標に子育てをするワーママ、ありのすさん。
この連載では、ありのすさんが4歳と8歳の2人のお子さんとの何気ない日常で見つけた小さな気づきを綴ります。
おはよう、の言葉の代わりに
日曜の朝、私はなかなかベッドから起き上がれない。
急ぐ用事が無いのなら、気が済むまで寝ていたい。
子どもたちも大きくなったので、結構粘れてしまう。
6時、7時、8時…目は覚めるが、そのまま夢の世界に逆戻り。
そうすると、「おなかがすいた!」と息子が起こしにやってくる。
家の中の短い距離でも全力ダッシュする4歳児なので、本当は足音でとっくに気づいているけれど、目を瞑ったままじっと耐える。
来る来る、来るぞ。
息子は私の隣にごろんと横になり、ぎゅうっと顔を近づけて言う。
「はい、かわいいこがきました。目をあけてください。」
目を開けると、にやにやと笑う顔が1cmの距離まで近づいている。
「ああ~ほんとだ。可愛い子来たぁ」そう言いながら抱きしめて、どこにも行けないように羽交い絞めするけれど、ギャハハと笑ってどこかへ行ってしまう。
そのぬくもりが恋しくて、私はベッドから起き上がる。
ありのす
作者