「草原に身ひとつで放り出されても、楽しく生きていける人」を目標に子育てをするワーママ、ありのすさん。
この連載では、ありのすさんが4歳と8歳の2人のお子さんとの何気ない日常で見つけた小さな気づきを綴ります。
ママのすきなところ
昨日、娘が手紙をくれた。
何か小さな紙に書いてるなーとは思っていたが、あと1分発見が遅れていたら、「もう何やってんの、はやく宿題しなさいよ!」と注意するところだった。危なかった。
照れながら手渡してくれた紙は、端がホッチキスで留められて、冊子のようになっていた。
完全なる親バカ自慢だが、ほっこりしたので書かせてほしい。
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表紙タイトル: ママだいすき♡
ママのすきなところは13こあるよ!
かいたのでみてみてね。
ママのすてきなところ!
1. かわいいところ
2. やさしいところ
3. おうえんしてくれるところ
4. だいすき♡といってくれるところ
5. りょうりが上手なところ
6. 大すきなたべものがおなじなところ
7. やりかたをおしえてくれるところ
8. わいわいできるところ
9. かみのけをむすんでくれるところ
10.ねる前にお話してくれるところ
11.ゴムやアクセサリーをかってくれるところ
12.りょうりがおいしいところ
13.いっぱい話してくれるところ
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…13個、ひねり出したんだねって感じが可愛らしい。
夕方の荒れ果てた心に染み入る、優しいお手紙。
これはきっと、娘なりのお返し。
「大好きなところ、100個言えるわ」
眠る前、布団に横になっているとき、子供たちは今日あった嫌なことをぼそっと言うことがある。
〇〇ちゃんに嫌なことを言われたとか、仲間に入れてもらえなかったとか、ささいなこと。
そんなときは、感情移入してムカついたり、こうしたらいいって偉そうにアドバイスしたりしていたけれど、そうするとなんだか寝つきが悪いし、私も興奮してきてしまう。
だから最近は、戦術を180度変えることにした。
ママは、〇〇のことが大好きだよ。
大好きなところ、100個言えるわ。
そう言って、1つずつ大好きなところを伝えていくと、優しい顔ですうっと寝ていく。
いくら可愛い我が子でも、100個はなかなか難しい。
だから、あえて余裕そうに、ささやくように、ゆったりと伝える。
そうすると50個ぐらいで眠るのだ。満足そうに、すうすうと寝息を立てて。
娘は、私に返してくれたのだと思う。
彼女が13個で途絶えているうちに、私は100個すらすらと言えるようになろう。
そうして、100個どころか、無限に言えるんだよ、と彼女をぎゅっと抱きしめたい。
ありのす
作者