「男の子はやんちゃ」という話はよく耳にすると思います。ママにとって男の子は異性なので、子育てするなかで、わからないことや不安なことが多いですよね。
そこで今回は、子育てアドバイザーであり、3児(うち2人が男の子)の母でもある高祖常子さんの著書『男の子には「厳しいしつけ」は必要ありません!』より、多くのパパやママが感じる困った1歳の行動について、今こそ知っておきたい子どもと向き合う育児法を紹介します。
【1】気が付くと脱走しようとする男子、
目が離せない…
とにかく家の中よりも外。日常と別な場所が大好きな男の子。ドアが開いていたら、その先がどうなっているんだろうとワクワクドキドキが止まりません。
よちよち歩きのころはまだ歩き方もゆっくりですが、1歳半を過ぎるころには走り出す子もいます。
思いのままに行動するのが男の子です。もちろん、走り回っていい公園などでは思い切り走り回らせてあげましょう。公園や草原なら多少転んでも大丈夫。体を使いこなすバランスを学んでいきます。
でも家の中は要注意です。
家のドアは必ず施錠しておきましょう。特に、祖父母宅に行ったときに、よちよち歩きの子どもが道に出てしまって車にひかれてしまうなどの事故も起こっています。誰かが見ているだろう、まさか外に出ないだろうと思わず、常に施錠しておくことが大事です。
窓からの転落も要注意。窓際のソファーに上って、開いていた窓から転落してしまったなどの事故も起こっています。必ず施錠しましょう。窓を開けるときには子どもを抱っこしたり、子どもから目を離さないことが大事です。
お風呂場のドアも必ず施錠しましょう。非常時のためにお風呂の水をためている家庭も多いかもしれませんが、赤ちゃんがお風呂のフタの上にのぼって、お風呂に落ちてしまう事故も少なくありません。
赤ちゃんがおぼれるときは、静かに沈んでいってしまうという特徴があります。そして数センチの水でもおぼれてしまいます。幼児期はお風呂の水をためておかない、ドアは必ず施錠しておくよう、心がけましょう。
車での移動の際には、乗り降りの前後に気を付けて
もうひとつ心がけたいのが、車での移動のときです。買い物帰りなど、荷物がいっぱいでとりあえず子どもを先に車から降ろしたら、子どもが道に出てしまったり。
また、子どもを降ろしてから車の駐車位置を変えようとしたときに、子どもをひいてしまったという事故もあります。
特に男の子は車が大好き。一人で車の周囲を動き回ることがあります。移動するときは、抱っこするか手をつないで家に入ることを徹底しましょう。
○→ ずっと見張るのは不可能
危ないところにはカギを
「危ないので目を離さないようにしましょう」などと育児書に書いてありますが、赤ちゃんを育てていて一時も目を離さないことは不可能。危ないところは施錠したり、入れないように環境を整え、赤ちゃんの安全を守って。
✕→ お風呂やベランダ…危ない場所に行こうとするたびに「ダメ!」「危ない!」とその都度怒る。
【2】男の子ってかなり甘えん坊。
トイレにまでついてきてうんざり
乳幼児期の子どもはまだまだ甘えん坊。特に男の子は、その気質が強く出る子が多いと感じます。
小学生になったら、外では親に(基本的には)べたべたしなくなります。男の子の気質としてプライドが高い傾向にありますから、人目を気にするようになるわけです。
でもその代わり(というのもなんですが)、乳幼児期はとにかくママにべたべたしてきます。
男の子は見えていることがすべて。
だから、ママが自分の前から消え去ってどこかに行ってしまうことが耐えられないのです。ママがいないと、とても不安になります。「ずっと戻ってこなかったらどうしよう?」「このまま置いていかれてしまうのではないか?」と心配しています。
そして「自分が見えないところで、ママは何をしているのか?」と興味や関心もあります。
「なんで自分には教えてくれないのか?」「見せてくれないのか?」というハテナで心がいっぱいです。何でも確認したい衝動にかられています。待っていることは男の子にとって苦行のようなものです。
トイレに行っている様子がわかれば、安心する
わが家の場合も私がトイレに行くときには一緒に移動して、ドアを開けっぱなしでした。このときに「ママはトイレに行くよ」と声をかけることが大事です。
一緒に行きたそうなら連れて行きましょう。一緒にトイレに移動してママがどんな感じで用をたしているのか、そして割とすぐに終わって戻ってくるという感覚がつかめてくると、遊びに集中していたりすれば、ついてこなくなります。
ママのトイレを待てるようになるには、信頼感と想像力が必要です。「ママは、トイレに行っている」「しばらくすると戻ってくる」ということがわかれば、少しの間、おもちゃで遊んで待っていることができるようになるわけです。
また男の子にはパパのトイレの様子も、ぜひ見せてあげてください。立っておしっこをするようになるのは、まずトイレで座ってできるようになり、そのあとに立っておしっこできるようになるという流れです。
まだまだ先のことですが、子どもがついてきたがるのなら、ぜひパパのトイレの様子も見せてあげましょう。
○→ 見えない時間への不安は、見せて解決
親が目の前からいなくなると、子どもとしては「どこに行って何しているの?」と不安になります。「トイレ行ってくるよ」と伝え、ついてくるならそのまま様子を見せるのもおすすめ。言葉と様子が一致して認識できるようになると、親が目の前にいなくても少し待てるようになります。
✕→ トイレまでくっついてくる子を突き放し、「トイレすらゆっくりできない!」とイライラしながら立てこもる。
1歳男児の気になる行動をチェック!
いかがでしたか?書籍では、上記に加え1歳向けに以下のテーマやコラムを掲載しています。
● 落っこちるってわかってるのに…ソファーに上ろうとして危ない!
● ちょっと目を離したすきに!棚を開けたりものを引っ張り出したり…
● もし危険なものを誤飲してしまったら…なんでも口に入れてしまい心配
[コラム]誤飲しないで済む、お部屋のチェックポイント
ぜひチェックしてみてください。
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出典: www.kadokawa.co.jp「男の子だからこうでなければ…」「男の子の親だからこうであらねば…」という固定概念や呪縛から開放されて、子どもがのびのびと育っていけるようなヒントを盛り込んだ1冊です。
書籍筆者:高祖 常子
こうそ ときこ
子育てアドバイザー。認定NPO法人児童虐待防止全国ネットワーク理事、NPO法人ファザーリング・ジャパン理事、NPO法人タイガーマスク基金理事、NPO法人子どもすこやかサポートネット副代表ほか。厚生労働省の「体罰等によらない子育ての推進に関する検討会」委員など、子どもの人権を守るための委員を歴任。全国での講演、執筆、テレビ出演も。著書は『イラストでよくわかる感情的にならない子育て』(かんき出版)ほか。保育士、幼稚園教諭、キャリアコンサルタントなどの資格も持つ。3児の母。
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