「男の子はやんちゃ」という話はよく耳にすると思います。ママにとって男の子は異性なので、子育てするなかで、わからないことや不安なことが多いですよね。
そこで今回は、子育てアドバイザーであり、3児(うち2人が男の子)の母でもある高祖常子さんの著書『男の子には「厳しいしつけ」は必要ありません!』より、多くのパパやママが感じる困った3歳の行動について、今こそ知っておきたい子どもと向き合う育児法を紹介します。
【1】戦いごっこがエスカレート。
仲が悪くなっちゃうから止めないと!
男の子、特に幼児期の子は、夢中になっちゃうと歯止めがきかなくなります。つまりやりすぎちゃうっていうことです。
よく子どもの様子を見てみると、「やっちゃったな」っていう表情やそぶりをしていることがあります。でも、自分の非を認めたくなかったり、謝るのが照れ臭かったりするので、それを隠そうとしてしまうのです。
だからママやパパは、「友だちを泣かせた」「友だちなのに手加減しないで、たたいちゃった」という結果だけに注目して、つい叱っちゃうわけです。
もちろん、戦いごっこがエスカレートしそうなら、「危ないからやめなさい」と制することは大事です。
でも、友だちとの関わりが楽しい3歳の男の子。最初は、戦いごっこのじゃれあいだったのに、ちょっとどちらかが強くやってしまって、それが「なんでそんな強くするんだよ!」ってエスカレートして、その結果けんかになっちゃうこともあります。
戦いごっこ自体をしてはいけないことではないですし、多少のじゃれあいを制することもないでしょう。
子ども同士でも、様子を見ていると、ちょっとやりすぎたということに気づいて「ごめんね」ができたりすることもあるものです。ケガしない程度なら、少し見守ることも大事です。
そして「ちょっとやりすぎちゃったな」という様子に気づいたら、「今のは、お友だち、痛かったよね」と言葉にしましょう。
言葉をかけることで、そのまま流さずに子どもにしっかりと意識させることになります。ここで「やりすぎちゃったな」「悪かったな」という気持ちを子ども自身が、確認しておくことが大事です。
その気持ちを確認することで、「ごめんね」と言える子もいます。一緒に謝ろうかと促すと、一緒になら謝れる子もいるでしょう。
危ないと思ったら「やめなさい」と制する
親は「危ない!」と思ったら制すればいいわけです。親がストップをかけると、子どもも「これ以上は、危ないんだな」ということを学ぶことにもなります。
そして「どうしたら楽しく遊べるかな〜」と子どもと相談してみたり、「こうやって当たらないように遊んでみよう」と練習してみるのもおすすめです。
○→ 泣かせたことはよくないけれど
加減を学べるように伝えよう
友だちを泣かせてしまったことに対して、「謝りなさい!」と言い続ける親もいますが、「これはダメだね」「こうすればよかったね」を学ぶ機会にしましょう。すぐに謝れなくても、気持ちが整うと自分から謝れるようになります。
✕→ 戦いごっこで友だちを泣かせてしまった子。「こんなことしたら痛いだろう!」と、たたいて同じ目にあわせる。
【2】突然走り出して迷子になる男子。
飛び出し、迷子は危険だとわからせたい
男の子って、突然走りたくなっちゃうんです。「面白いもの見つけた!」という理由のこともあるし、「急に走りたくなった」と理由がないこともあります。とにかく体が動いちゃったりするのです。元気いっぱいの証拠ととらえましょう。
でも、飛び出したりしたら危険です。そして迷子になっちゃうこともあります。まだまだ「走りたい気持ち>自制心」です。
「危ないから走らないようにしよう」とか「迷子になるから、走らないでおこう」と考えるのは難しいのです。そのためにも、男の子には、約束と練習が必要です。
「約束」と「事前の練習」をしよう!
急に走り出すと危ないと思うところに行く前に、「ここは車が通って危ないから、手をつないで歩くよ」と約束しましょう。
「じゃあ手をつなごう」と言って練習します。子どもが手をつないだら「そうだね!」と承認。できたら「手をつないで歩けてよかった」と認めるということです。
もちろん毎回、このように丁寧にする必要はありませんが、しばらくはこんな感じでやってみると、危ない場所での行動が定着してきます。
人が多くて迷子になりそうな場所なら、「ここは人が多いから、○○くんを見つけられなくなっちゃう。パパと手をつないでいてね」と伝えましょう。
この「急に走り出すと危ない」「迷子になりそうな」ところに親が気づくことが大事です。そして危なくないように工夫しましょう。子どもに「どうしたらいいのか」と対応方法を伝えることが、危険を事前に回避できることにつながります。
もうひとつは、子どもに声をかけるときに「走らない!」と否定形で言うのではなく、「止まれ!」「ストップ」「歩くよ」などと肯定形で伝えること。わが家の男子も急に走り出して、「信号でストップ!」と大声で叫んだことが何度もありました。
3歳くらいになると親と手をつなぎたがらない子もいます。そんなときにも、工夫してみましょう。わっかを持たせるとか、ハンカチをロープみたいにして持たせるなどの方法もあります。
でも、3歳半ばくらいになれば、「事故にあわないように」「迷子に ならないように」とちゃんと伝えれば、きっとわかってくれると思います。
○→ 飛び出しそうな道では
あらかじめ手をつないでおく
男の子は何か見つけると急に走り出すことがあるので、危ない道では手をつないでおくのを習慣に。手をつないでいないときに急に走り出したら「走っちゃダメ!」より「止まれ!」「ストップ」と肯定形で伝えることが大事。
✕→ 走り出す子どもの背中に向かって「走らないで!」と叫ぶ。 親の声は届かず、迷子に…。
3歳男児の気になる行動をチェック!
いかがでしたか?書籍では、上記に加え3歳向けに以下のテーマやコラムを掲載しています。
● 友だちにおもちゃを貸さない。相手の子がかわいそうだけど…
● 男の子なのにおままごと!? 料理したがるし、ちょっと面倒…
● 下の子をいじめている。お兄ちゃんでしょ! とつい…
[コラム]子どもとの会話の楽しみ方
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出典: www.kadokawa.co.jp「男の子だからこうでなければ…」「男の子の親だからこうであらねば…」という固定概念や呪縛から開放されて、子どもがのびのびと育っていけるようなヒントを盛り込んだ1冊です。
書籍筆者:高祖 常子
こうそ ときこ
子育てアドバイザー。認定NPO法人児童虐待防止全国ネットワーク理事、NPO法人ファザーリング・ジャパン理事、NPO法人タイガーマスク基金理事、NPO法人子どもすこやかサポートネット副代表ほか。厚生労働省の「体罰等によらない子育ての推進に関する検討会」委員など、子どもの人権を守るための委員を歴任。全国での講演、執筆、テレビ出演も。著書は『イラストでよくわかる感情的にならない子育て』(かんき出版)ほか。保育士、幼稚園教諭、キャリアコンサルタントなどの資格も持つ。3児の母。
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