「草原に身ひとつで放り出されても、楽しく生きていける人」を目標に子育てをするワーママ、ありのすさん。
この連載では、ありのすさんが4歳と8歳の2人のお子さんとの何気ない日常で見つけた小さな気づきを綴ります。
今しかない蜜月を楽しみたくて
息子を溺愛している。
彼はいつもぼんやりしていて、ちょっと変わっている。そういうところもいい。
男の子は小さな王子と言うけれど、本当にそう。
(無論、いい加減にしてくれよ…という時もある。でもこれを書いているのは息子が寝た後だから、可愛さしかこみ上げてこない。)
ごはん作ってても、休んでても、4歳息子の「ねえ、ままきて!きて!」が止まなくて、まあまあストレスなので「ぼくをしんじて」って手を差し出してもらうアラジンスタイルに変えるよう要望した。「…いいわ」って思わず言っちゃうからこれは良い。
— ありのす/平日の瞬殺飯など (@twokari) August 6, 2019
息子アラジンは、未だにやってもらう。疲れた体によく効く。
そんなふうに底抜けに可愛い彼も、いつか思春期を迎えてガラガラの声に変わり、きっと会話も減り、もしかしたら「くそばばあ」なんて言っちゃうのかもしれないけど。
それなら尚更、この蜜月を楽しみたい。
私は元来しつこいので、「ねえ大好きだよ」と繰り返し言う。
「ぼくもだいすき!」と頬にチュウしてくれていた息子は、やがて「ねえねえ」と言っただけで、「かわいいんでしょう?」とか「だいすきでしょう?」と聞き返すレベルに来てしまった。
おそらく、時と場合によっては私とのそういうやりとりがメンドクセエ状態に来ている。
これは、まずいな…長期的に考えて一旦は控えないと…
そう思っていた矢先のことだった。
エンドレス、ほっぺにチュウ。
ある日、息子が頬にチュウしてくれた時、私もお返しにチュウをした。
すると、唇が頬にちょっと触れただけで、チュッという音がしなかった。
息子は、「??」という顔をして、「ちがう」と言った。
「えっ なにが違うの?」そう言いながら、閃いた。
完全に、いいことを思いついた。
また無音で唇を頬につける。
「こうでしょ?」
息子はにやにやしながら、「ちっがーう。ままはへたくそですねえ!」と言って、私の頬に大きくチュッとする。
「ああ~そうやってやるのか、チュッてやるのね、はい」もちろんまた無音で唇を付ける。
息子はますますにやにやしながら、「もーう!ぜんぜんちっがーう!こうですよーう」とまた見本を見せてくれる。
もう、おわかりですね。
このスクリプトを使うと、4歳児はエンドレスでチュウしてくれる。
疲れた日、元気が出ない日におすすめ。
ただもう可愛い世界にどっぷりと浸かる。
きっと思春期にこれを読んだら、「身の毛がよだつほど気持ち悪いくそばばあだな…」と思われるだろうな。
ま、いいか。
そうしてしまうくらい、4歳のあなたは可愛いのだよ。
ありのす
作者