ジャニーズが自閉症スペクトラムの息子の世界を広げてくれた話

ジャニーズが自閉症スペクトラムの息子の世界を広げてくれた話 #1

令和元年、私と長男よっぴはジャニーズのコンサートに行った。

自閉症スペクトラム障害をもち、周りのものには全く興味のなかった長男よっぴ。しかしジャニーズと出会ったことで、彼の世界は一気に広がったのである。

初めての子連れでのジャニーズのコンサートへの参加は反省点はあるものの、私にとっても彼にとっても最高の思い出となった。

この連載は、長男よっぴ(5歳)とSexyZoneのコンサートに参加するまでの奮闘記である。

ゆるい嵐オタだった私と、自閉症スペクトラムの息子よっぴ

コスモス 花 

まず前提として、私自身がゆるい嵐オタだった。

・メンバーがテレビに出演するなら観る
・アルバム出たら買う(シングルは買わない)
・2008年〜2012年までは毎年コンサートに行く(何故か当たり続ける自名義)
・嵐を好きな人のブログをストーキングする

今思えば、応援するというより、純粋に楽しませてもらっていた。

そんなお茶の間オタクだった私が嵐から離れた。

なぜか?

答えは出産だ。

24時間こちらのリズムに関係なく寝起きし、意思の疎通なんてはかれず、ほっとけば死ぬ。

そんな生き物と暮らし始めてテレビを見る時間もCDを聴く時間もなくなっていったが、そのことにすら気づかなかった。それぐらいのライトな層だった。


時は流れ長男よっぴが3歳になる頃、そこそこ意思の疎通がはかれるようになった。

彼はこだわりが強く、それ以外への興味が全くない子だった。

朝食のメニュー、スプーンフォークの位置がいつも同じじゃないとパニックになる。

自分の気持ちや感情を表現出来ない。

お友だちと関わらない。

初めての場所や人が苦手で知らないところへ連れて行くと、うずくまって全てをシャットアウトしてしまう。

今思えば、自閉症スペクトラム障害(★)の気が出ていた。

私は焦っていたのかもしれない。

何とかお友だちと遊んで欲しくて自分も無理してママ友付き合いをしたり、イベントに連れて行ったり。

今思えば、何をそんなに焦っていたのか。

彼も私も苦痛の時代だった。

若かったんだと思う。

(★)自閉症スペクトラム障害
広汎性発達障害(PDD)とほぼ同じ意味で、自閉症、アスペルガー症候群、そのほかの広汎性発達障害が含まれる。相互的な対人関係の障害、コミュニケーションの障害、興味や行動のこだわりの強さが典型的な特徴で、約100人に1〜2人存在するとされる。男性は女性より数倍多く、一家族に何人か存在することもある。(※1)

ジャニーズとの出会いは、突然に

キラキラ 光

そんな彼とジャニーズとの出会いは、私のHDD整理中に訪れた。

当時どこかに連れ出して外でパニックを起こされたときの対処が辛すぎて、よっぴと2人きりの日はどこにも出かけず1日HDDの録画を観ていた。

当時の記憶はあまりない。

HDDの整理をしながらところどころお気に入りのシーンを見返していると、後ろでぼんやりしていたよっぴが言う。

「おかあさん、このひとだれ?」

それはたぶん、2010年くらいの少クラプレミアムで太一くんと長瀬くんが歌う『Cadence』(※2)

いや、わかる。

思わず耳から脳に直接届くよね。

名曲だもん。

よっぴがテレビに出ている人というか他人に興味を持つこと自体が初めてだったので、内心興奮しつつ優しく教えた。

「このひとは長瀬くんと国分くん、ジャニーズだよ」

「へぇ~」

これが、よっぴがジャニーズを認識した最初だった。

『Cadence』でTOKIOをゆるく認識した彼は、それから日曜夜に欠かさず鉄腕ダッシュを見るようになった。星や魚が好きだったよっぴに鉄腕ダッシュはぴったりで、とにかくハマっていた。

けれど固有名詞が出ることもなく、人の区別はついていなかったように思う。

その翌年、音楽史に残る華々しい出来事があった。

そう、King&Princeのデビューだ。

よっぴ、ケンティーの世界にハマる

薔薇 ジャニーズ

本当にシンデレラガールは名曲。

そのキラキラ感を目の当たりにし、当時4歳のよっぴは明確な意思を持って言った。

「おかあさん、このCD買って!」

よ、よ、よっぴが欲しがってる!

ふたつ返事でOKをした。(大甘)

そして初めてみるシンデレラガールのミュージックビデオ。

何?なに?なんなの??めちゃくちゃキラキラしてる。

歌上手、ダンス上手。私がほぇーっと感心している隣で、よっぴは1人の男の子に夢中になっていた。

それが岸優太くんだ。

あんなに他人に興味がなく、年長になった今でも6年間寝食を共にした保育園のクラスメイトの名前も覚えていない彼が、岸優太くんにはハマったのだ!万歳!!

岸くんのことはなんでも知りたい、雑誌も欲しい。

そんな彼に5歳の誕生日プレゼントにあげたのが、サマパラ2016(※3)のDVDだった。

今まであげてきたプラレールだとかブロックだとかよりも発狂して喜んでくれたよ。

そこで岸くん目当てにDVDをみて、彼はさらに衝撃的な出会いを果たしてしまう。

SexyZoneの中島健人くんだった。

今でも岸くんのことは大好きで、出演番組もチェックし、ブルーレイも買ったんだけど、ケンティー(中島健人くんの愛称)の世界に有無を言わさず引きずりこまれていた。

ちなみに当時の私のケンティーへの印象は「プロや…」この一言に尽きる。

世界観の作り方、自分の魅せ方、ファンが求めているものの察知力、Jr.の使い方、全てがレベルが高かった。

(※2)NHKの番組「ザ少年倶楽部プレミアム」にて、TOKIOの楽曲『Cadence』を長瀬智也がギター、国分太一がピアノで披露した。
(※3)2016年夏に東京ドームシティホールでSexyZoneのメンバー5人が行ったコンサート『Johnnys’ Summer Paradise 2016』のこと。岸優太くんは、当時ジャニーズJr.として出演している。

次回「よっぴ、変わりはじめる」

ジャニーズと衝撃の出会いを果たしたよっぴ。次回、「好きなもの」に中島健人くんが加わったことで、よっぴに様々な変化が訪れる。

※次回は10月13日公開予定です。


ジャニーズが自閉症スペクトラムの息子の世界を広げてくれた話 #2

ジャニーズが自閉症スペクトラムの息子の世界を広げてくれた話 #2



ちびと

ちびと

作者

YOUがCANと思うならDOすればいいじゃない!をモットーにたくさん失敗しながらも仕事、趣味、子育てと毎日楽しく暮らしてます。こだわりが強く、興味のないものは見えない・聞こえない、以前はパニックになることも多かったけどSexyZone中島健人くんと出会ってから成長著しい長男よっぴと一緒にケンティーを応援中。Twitter(@mitsuponsyuhu