男女ともに子育てのために休みを取りやすくする「改正育児・介護休業法」が、2021年6月3日に成立しました。
この改正により育休制度の何が変わるのか、知っておきたい3つのポイントをご紹介します。
育休がより柔軟に、取得しやすくなります
これまでも制度上は男女ともに育休取得が可能でしたが、職場の環境や経済的事情から、男性の育休取得率が低いという課題がありました。
そこで今回成立した改正法では、男性も育休が取得しやすいよう育休制度がより柔軟になります。
主なポイントは次の3つです。
① 産後休業中に男性も育休が取得しやすくなる
② 分割して2回まで育休取得が可能に
③ 雇用形態に関わらず育休が取れるように
ここからこの3つのポイントについて、詳しくご紹介します(※1)。
ポイント①
産後休業中に男性も育休が取得しやすくなる
出産日から8週間以内に4週間の育休を取得できる、「出生時育児休業」が新たに作られました。
この制度により、ママの産後休業中にパパも育休を取りやすくなることが期待されています。
従来の制度でも男性の育休取得は可能でしたが、より柔軟な新制度の特徴は以下の3つです。
1. 申請期限が原則2週間前に
従来の制度は育休取得の申請期限が1ヶ月前ですが、新制度は原則2週間前。
出産予定日が早まった場合でも、産後すぐに育休に入りやすくなります。
2. 最大4週間の育休を2回に分割して取得可能
最大4週間の育休を2回に分割して取得できます。繁忙期など仕事の都合でどうしてもまとめて4週間休めない場合でも、育休取得を諦めなくていいのです。
3. 育休中も一定量働いてOK
従来の制度では原則就業不可でしたが、新制度では本人と会社との合意のうえで、定められた範囲内で仕事をして収入を得ることが認められます。
なお、従来の育休制度と同じく賃金の67%が支給され、社会保険料も免除されます。
施行される時期
新制度が始まる日はまだ未定ですが、2022年秋頃の予定のようです。
ポイント②
分割して2回まで育休取得が可能に
これまで原則として、子どもが1歳になるまでの間に育休取得は1回のみでしたが、分割して2回まで取得できるようになります。
出生時育児休業と従来の育児休業制度を両方利用する場合には、計4回に分割して取得可能です。
一度に長期間の休みをとることが難しい場合でも、繁忙期を避けて取得期間を調整するなど、仕事と両立しながら育休を取りやすくなりますよ。
施行される時期
制度変更の施行日はまだ未定ですが、2022年秋頃の予定のようです。
ポイント③
雇用形態に関わらず育休が取れるように
育休の取得条件から「事業主に引き続き雇用された期間が1年以上であるもの」という要件が削除されます。
この変更により、男女ともに契約社員やパートなど非正規雇用者も育休取得可能になります。
ただし、労使協定により1年以上雇用されていることが引き続き条件となることもあるので、注意が必要です。
施行される時期
この制度変更は、2022年4月1日から施行されます。
パパとママが一緒に子育てできるように
今回の改正では他にも、育休取得しやすい環境・制度の整備や、育休取得の意向を本人に確認することを企業に対して義務化。また社員数1,000人超の企業に対して、育休取得率の公表を義務付けました。
育休を取得しづらい雰囲気が少しずつなくなり、夫婦で子育てに取り組みやすくなっていくといいですね。