「男の子はやんちゃ」という話はよく耳にすると思います。ママにとって男の子は異性なので、子育てするなかで、わからないことや不安なことが多いですよね。
そこで今回は、子育てアドバイザーであり、3児(うち2人が男の子)の母でもある高祖常子さんの著書『男の子には「厳しいしつけ」は必要ありません!』より、多くのパパやママが感じる0歳児の行動について、今こそ知っておきたい子どもと向き合う育児法を紹介します。
【1】赤ちゃんが何で泣いているのか
そもそもわからない…
親になる前までは、大人の中で生活してきた私たち。仕事や日常生活の中で、誰かに泣き続けられるという経験をしている人は、たぶんほとんどいないでしょう。
しかもそれが、基本的には、家の中の部屋という二人きり(親子)の密室空間の中で起こるのです。赤ちゃんが生まれるとは、これが日常になるということ。
もちろん、泣きの強さには個人差が大きくありますが、赤ちゃんの泣きの強さは生後2カ月ごろにピークを迎えると言われています。
出産後は赤ちゃんとの新しい生活に慣れるのが精いっぱい。ママの体の回復も同時進行。そんな中で、赤ちゃんの名前を付けたり、おめでとうのお祝いをいただいたり、お返しを考えたり。
そのうちに、1カ月健診の段取りをどうしよう、お宮参りをいつどんな感じでするのか…。ということで、生後1カ月はバタバタと過ぎていきます。
パパの方も生後1カ月くらいは、育児休業を取らずとも(もちろんパパの育休取得は絶対におすすめします)、なるべく家事や育児をサポートしたり、仕事からなるべく早く帰ろうと努力したりするでしょう。
そんな中、生後1カ月を過ぎ、健診を受けて医師から「母子共にOK」の言葉をもらうと、パパも安心して赤ちゃんが生まれる前の仕事のしかたに逆戻りしてしまう家庭も多いのです。
生後2カ月ごろになると、赤ちゃんの成長と共に体力がついてきます。赤ちゃんの泣きも余計に強くなり、その時期にパパの助けを得られず、ママのストレスが増す…というわけです。
赤ちゃんだって泣きたいこともある!
おむつも替えた、おなかもいっぱい、抱っこもしている、なのに泣き止まない!となると、本当につらくなりますね。大人も理由なく、もやもやすることがありますが、赤ちゃんだって、泣きたいこともあるのです。
親と赤ちゃんは別の人間。なぜ泣いているのかわからないこともあります。それでも大丈夫。親が対応しようとしてくれていることが、赤ちゃんに安心を与えることになり、それがとても大切です。
○→ 泣き止まないこともあるとあきらめよう!
「なんで泣くの!」「なんで泣き止まないの!」と考えるとイライラが募ります。「泣きたいんだね」「泣き止まないこともあるね」という方向から考えられると、心が少し軽くなります。そのためにも親が疲れすぎないことが大事。
✕→ イライラしながら乱暴に抱っこやおむつ替えをしたり、「いい加減泣き止んで!」とどなる。
【2】子育てのベテランに言われがち…
泣いたら抱っこで、抱き癖がつく?
「泣いたからって抱っこばっかりしていると、抱き癖がつくよ」と祖父母や近所の人から言われたりして、困ったことはありませんか。
泣いたら声をかけて対応するのは、応答性と言われるもの。基本的な親子の信頼関係のベースにもなる部分です。
赤ちゃんの感情は興奮から始まり、快と不快に分かれ、さらに快=心地よい感情は、うれしい、楽しいなど、不快=心地よくない感情は、悲しい、困ったなどに細分化されていきます。
まだ立ち上がることもできない0歳児期。困ったことがあれば、それを泣くことで表現しています。授乳やおむつ替えをしてくれたり、そして抱き上げてくれる(対応してくれる)こと。
それは赤ちゃんにとって、安心と安全のベースとなるものです。
親に身をゆだねられることは、安心できる関係のベース
抱っこは不安を解消してくれるもの。もちろん抱っこしても泣き止まないことはありますが、それでも対応してくれているということ、そして抱っこされている親のぬくもりを感じています。
赤ちゃんにはまず、母性的な対応(安心・安全を与えられること。母性=母親ではありません)が大切です。「どうしたの?」と声をかけられて、抱っこしてもらう。これこそが母性的な対応。無条件に受け止められて、安心と安全を感じるものです。
もちろんママだけがするのではなく、パパもたくさん抱っこしてください。
「パパの抱っこだと泣き止まない」というママからの嘆きを聞くことがありますが、それは、パパが赤ちゃんの抱っこに慣れていないから。つまり経験値の不足です。
不安定な抱っこだったりしたら、「大丈夫かな?」と赤ちゃんだって不安になりますよね。だからぜひ、パパも積極的に抱っこして経験を積み、赤ちゃんにもパパの抱っこに慣れてもらいましょう。
抱き癖については「そのように見えるならそれでOK!」と開き直っちゃうくらいがおすすめ。特に男の子は、本当に抱っこが大好きです。
でも年中さん年長さんになっても、ママやパパに一日中抱っこされ続けている子はいませんよね。たくさん抱っこされて、心が安心に満たされることが、心の基礎を作ります。
抱っこされる体勢は、安心して相手(親)に体を預けるかたちになります。体がこわばっているととても抱っこしにくいのです。だから抱っこは親子の「基本的信頼関係」の証。子どもの心のベースになるのです。
○→ 心を育てる抱っこ。
周りの言葉は気にしないで!
世の中には「よかれと思って」と子育てにいろいろ言ってくる人もいます。悪気はないのですが、言われたママやパパは気になりますよね。でも抱っこは赤ちゃんの心に大事な栄養素。気にせずたくさん抱っこしましょう。
✕→「抱き癖がつくから、抱っこしすぎない方がいい」という声にママが悩み、抱っこをやめる。
0歳男児の気になる行動をチェック!
いかがでしたか?書籍では、上記に加え0歳向けに以下のテーマやコラムを掲載しています。
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[コラム]寝かしつけで困ったときのアイデア
ぜひチェックしてみてください。
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出典: www.kadokawa.co.jp「男の子だからこうでなければ…」「男の子の親だからこうであらねば…」という固定概念や呪縛から開放されて、子どもがのびのびと育っていけるようなヒントを盛り込んだ1冊です。
書籍筆者:高祖 常子
こうそ ときこ
子育てアドバイザー。認定NPO法人児童虐待防止全国ネットワーク理事、NPO法人ファザーリング・ジャパン理事、NPO法人タイガーマスク基金理事、NPO法人子どもすこやかサポートネット副代表ほか。厚生労働省の「体罰等によらない子育ての推進に関する検討会」委員など、子どもの人権を守るための委員を歴任。全国での講演、執筆、テレビ出演も。著書は『イラストでよくわかる感情的にならない子育て』(かんき出版)ほか。保育士、幼稚園教諭、キャリアコンサルタントなどの資格も持つ。3児の母。
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