赤ちゃんの指しゃぶりはいつまで?上手なやめさせ方が知りたい!

赤ちゃんらしい仕草で可愛く見える指しゃぶりですが、「いつまで指しゃぶりしてていいの?」「早く指しゃぶりをやめさせたい」と悩んでいるママも多いと思います。

そこで今回は、先輩ママたちに「指しゃぶりのやめさせ方」についてアンケートを実施(※)。ママたちの失敗談・成功談とともに、臨床心理士の佐藤先生による、指しゃぶりを卒業する方法や注意点などをご紹介します。

赤ちゃんの指しゃぶり卒業失敗談…

赤ちゃん 指しゃぶり

編集部でアンケートをとったところ、約40%のママたちが「指しゃぶりを早くやめさせたい!」と回答しました。

ママたちの半数以上が「いいえ」と回答していますが、赤ちゃんの指しゃぶりについて悩んでいるママも少なくないことが分かりました。

「癖になるのが心配」「歯並びに影響がありそう」「衛生面が気になる…」など、ママたちが赤ちゃんの指しゃぶりをやめさせたい理由は様々。

しかし、「やめさせたい」と思いつつも、なかなか卒業できないという悩みが多かったのも事実です。

卒業させようと色々試してみたものの、卒業に至らなかったママたちの失敗談を見てみましょう。

ぽにぃさん

ぽにぃさん

歯並びへの影響が気になったので、指しゃぶりを無理やりやめさせようとしたら、情緒不安定になって指しゃぶりする時間が更に増えてしまいました。

トヨさん

トヨさん

指しゃぶり無理やりをやめさせようとしたら、大泣きして癇癪を起こすようになってしまいました…。

わらびもちさん

わらびもちさん

指しゃぶりをしたいときは絶対にやめないので、もう何をしても駄目です…。

赤ちゃんの指しゃぶりを無理にやめさせようとすると、かえって指しゃぶりから卒業できなくなることも。

では赤ちゃんの指しゃぶりは、どのようにやめさせたら良いのでしょうか?

赤ちゃんの指しゃぶり、卒業成功談!
指しゃぶりを卒業するための効果的な方法

ここからは、アンケートで集まった、先輩ママたちの指しゃぶりのやめさせ方をご紹介します。

1:おもちゃなどで気をそらす

ブロック おもちゃ 子供

最も多かった回答は、赤ちゃんが指しゃぶりをしそうになったら、おもちゃなどを使って気をそらすというものでした。

ひーちゃんママさん

ひーちゃんママさん

指しゃぶりをしそうになったら、おもちゃなどで気をそらしました

あさん

あさん

子供が拍手やいないいないばあなどの動作を覚えてからは、そうした動作をさせて指から気をそらしていました。

ごはんさん

ごはんさん

夢中になって遊んでいると指しゃぶりをしないので、指しゃぶりしそうなときは、好きな遊びをさせました。

赤ちゃんにとっては、指もおもちゃのひとつ。月齢が上がると自分の手だけでなく、他のものにも興味を持つようになります。

赤ちゃんが指しゃぶりをしそうになったら、他のもの・ことに意識をそらすことで、指しゃぶりをする時間を減らしてみてください。

指のことを忘れられるようになると、自然と指しゃぶりが減っていくようですよ。

2: 手を握ってあげる

赤ちゃん ママ 手をつなぐ

昼間に指しゃぶりをすることは減っても、寝るときに指しゃぶりをする赤ちゃんもいます。

指しゃぶりをしそうになったら、ママが優しく手を握ってあげるのも効果的なようですよ。

しかちゃんさん

しかちゃんさん

指しゃぶりを無理やりやめさせるとぐずってしまうので、夜は手を握って寝ていました

ぱぶろんさん

ぱぶろんさん

指しゃぶりをやめさせようとすると、子供がイライラしやすくなったので、優しく手を握ってあげるようにしました。

寝るときに指しゃぶりをするのは、その子にとって指しゃぶりが安心できる方法だからです。指しゃぶり以外に、赤ちゃんが安心できる方法を増やしていけると良いですね。

3: 言葉で伝える

親子 ママ 赤ちゃん おもちゃ

「もうお兄さん・お姉さんになったから指しゃぶりをやめようね」と、言葉で伝えてあげるというママも多くみられました。

ぽにぃさん

ぽにぃさん

「指しゃぶりはお姉ちゃんになったら恥ずかしいよ〜」と言い聞かせて、指しゃぶりを卒業させました。

はるちゃんさん

はるちゃんさん

子供が「アンパンマン」が好きだったので、親指に「アンパンマン」の絆創膏を貼って「お口に入れたら『アンパンマン』かわいそうだよ〜」と言いました。

数週間くり返していたら、絆創膏を貼らなくても指しゃぶりをやめました。

子供自身が、指しゃぶりをやめようと思うことも大切です。言葉を理解できるようになってきたら、優しく促してあげると良いですね。

専門家に聞いた!
指しゃぶりをやめさせる方法や注意点は?

親子の団欒

ここまでは、ママたちの「指しゃぶりのやめさせ方」をご紹介しましたが、専門家がおすすめする方法や注意点はどのようなものなのでしょうか。臨床心理士の佐藤先生に聞いてみました。

ー指しゃぶりを卒業させる、おすすめの方法はありますか?

佐藤先生

佐藤先生

指しゃぶりを卒業させたい場合は、ママたちがとった行動のように、指をしゃぶらなくても安心できるほかの方法を学習させるといいかもしれません。

例えば、お気に入りのぬいぐるみやタオルなどを見つけたり、寝る前にお気に入りの本を読んであげたり、指をしゃぶりそうになったらママと手をつなぐようにしてみたり。

言葉がしゃべれるようになってきたら、ママやパパとゆっくりお話をして、自分の気持ちを言葉で表現する練習をさせてみましょう。不安な気持ちを、指しゃぶりではなく言葉で取り除けるようになっていきますよ。

ー指しゃぶりをやめさせるときに、注意することはありますか?

佐藤先生

佐藤先生

指しゃぶりを早くやめさせたいという、ママの心配する気持ちも分かります。ですが、指しゃぶりがよくないことだと強く叱ったり、きたないと咎めたりしすぎると、逆に長引くことも。激しい場合は、強迫的な人格(潔癖症など)を育てかねないので、気をつけましょう。

「ウチの子は、まだ指しゃぶりしているんだけど、私は、自然に卒業するのを応援してるの」と周囲に宣言したり、あくまでもその子のペースで、自然に必要がなくなるように、サポートしながら見守ってあげてください。

指しゃぶりはいつまでしていいの?

赤ちゃん 指しゃぶり

様々な理由で、「赤ちゃんの指しゃぶりを早くやめさせたい」と考えているママは多くいますが、いつまでにやめなければいけないという決まりはありません。

1歳までの指しゃぶりは、本能による生理的なものなので、全く問題はありません。

また、2歳になっても、昼間の短い時間だけの指しゃぶりであれば心配しすぎることはありませんよ。

しかし、3〜4歳になっても指しゃぶりをしていると、発達面や精神面で何か影響があるのではないかと心配になるかもしれません。

最後に、「指しゃぶりをやめる時期」について、精神的な側面からの見解を佐藤先生に教えてもらいました。

佐藤先生

佐藤先生

3〜4歳まで指しゃぶりをしていても、特に大きな影響はないでしょう。

ママとしては「いつまでも指をしゃぶっていて恥ずかしい」「みんな卒業してるのに、ウチの子だけやめられないのでは?」と心配になることもあるでしょう。ですが、言語の発達や体の成長に個人差があるように、おしゃぶりの卒業の時期にも個人差があります。無理に止めさせる必要はありませんよ。

逆に、無理に止めさせようとすると、かえって長引いたり、別のクセが出てくるかもしれません。必要があってやっていることなので、必要がなくなると自然としなくなりますよ。

言葉が出るようになったら、言葉で不安を取り除くことを覚えるので、自然に卒業できることもあります。言語の発達にも個人差があるので、焦らず見守ってあげてください。

赤ちゃんの精神的な側面からいうと、3〜4歳まで指しゃぶりをしていても無理にやめさせる必要がないことがわかりました。

一方で、日本小児歯科学会によると、指しゃぶりを長期間続けていると、歯並びや噛み合わせに影響を与える場合があるため、4〜5歳を過ぎたら指しゃぶりをやめさせた方が良いとしています(※1)。

指しゃぶりが続くようであれば、4歳頃を目安に、徐々に指しゃぶりを卒業し始められると良さそうですね。

また、歯が生えてきても指しゃぶりを続けている場合、赤ちゃんが自分の指を噛んで傷つけてしまったり、指にタコができたりしてしまうケースも。赤ちゃんの様子をこまめに見てあげましょう。

赤ちゃんの指しゃぶりは無理せず卒業を

赤ちゃんの指しゃぶりは、強引にやめさせると本人にストレスがたまり、かえって指しゃぶりが長引いたり他の癖が出たりしかねません。

無理にはやめさせず、自然と指しゃぶりを卒業できるようにサポートしてあげてくださいね。

どうしても心配な場合は、小児科医や小児歯科医、臨床心理士などの専門家に相談することをおすすめします。

※アンケート概要
実施期間:2019年2月11日~2019年2月13日
調査対象:子育てアプリ「ninaru baby」を利用しているママ
有効回答数:612件
収集方法:Webアンケート


取材協力:佐藤文昭

取材協力:佐藤文昭

臨床心理士


おやこ心理相談室 室長。カリフォルニア臨床心理大学院臨床心理学研究科 臨床心理学専攻修士課程修了。米国臨床心理学修士(M.A in Clinical Psychology)。精神科病院・心療内科クリニックの医療現場や群馬県スクールカウンセラーの教育現場での臨床経験を生かし、幼児・児童、思春期から成人に至るまで幅広い問題を扱っています。精神分析的心理療法を中心として、心理検査、知能検査なども実施。また、個人だけではなく、家族というより広い視野を持って取り組んでいます。