男の子に「厳しいしつけ」は必要ありません!4歳:気持ちの制御が難しい

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「男の子はやんちゃ」という話はよく耳にすると思います。ママにとって男の子は異性なので、子育てするなかで、わからないことや不安なことが多いですよね。

そこで今回は、子育てアドバイザーであり、3児(うち2人が男の子)の母でもある高祖常子さんの著書『男の子には「厳しいしつけ」は必要ありません!』より、多くのパパやママが感じる困った4歳の行動について、今こそ知っておきたい子どもと向き合う育児法を紹介します。

【1】木の枝、ほうき…構えないで!
棒を見つけたらすぐ拾う

4歳 木 枝 砂利 男の子(アイキャッチ)で、

男性ホルモン(アンドロゲン)で有名なのは、テストステロン。男性が、攻撃性、闘争心、縄張り意識が強い傾向にあるのも、この男性ホルモンによるものです。

おなかの中で男の子の体を作った男性ホルモンは、思春期まで一旦その活動をお休みするともいわれています。しばらくは大きな影響を与えませんが、そもそものベースとしてやはり男の子の体や心に男性ホルモンは存在しています。

3歳児の項で「戦いごっこ」についてお伝えしましたが、この「棒を見つけたらすぐ拾う」という行為もまさに攻撃性や闘争心のなせる業です。つまり、無意識に戦いの道具として装備しておくという感じでしょうか。

男の子は、木の枝などの棒が視野に入ると、本能的に拾います。場合によっては両手に、持つことがあります。拾った時点で、武器にしようと考えているわけではありませんが、持っていると塀やガードレールなどをたたいたり、振り回したくなる衝動にかられます。

ということで棒を拾うこと自体を否定するのはやめましょう。

棒をどう扱ったらいいのかを教えよう

公園 遊具 空

棒を持っている男の子は、まずは引きずって歩きます。人が多い場所では引きずって歩くと危ないですが、人が少ない場所では大目に見ましょう。

次に自分の体の前に、剣を持つように構えながら歩いたりします。このあたりから危なくなってきます。剣のように構えると、本能的につい振りたくなりますから、危なければ制しましょう

「えい」とか「やー」とか振り回したくなったら、広い場所を提案しましょう。男の子は戦いたいとか、やっつけたいとか、特定の相手を想定していない場合がほとんどです。棒を拾ったから、かっこよく構えたい、振ってみたいということなんです。

だから「ここでは危ないから、ひろばでやろう!」と言えばきっとOKしてくれると思います。きょうだいや、友だちなど対決相手がいる場合は、一定の距離を取って戦わせてあげるのもありですね。

わが子の場合は、キャンプ場で焚火をするのが好きだったので、火にくべるために枝を大量に拾い集めていることもありました。

棒を拾うのは本能!
危なくないなら見守って!

棒を見つけると拾いたくなってしまう男の子。危なくないならぜひ見守ってください。もし棒をかざしてポーズをとったり、振り回したりしたくなったら、大丈夫な場所に誘導して、男の子の世界に浸ってもらいましょう。

→ 木の棒を拾って振り回す子に「いちいち拾わないで!」「振り回すのはやめなさい」とどなり、取り上げて捨てる。

【2】片付けができなくてイライラ…
どうしたら気持ちを切り替えてくれる?

おもちゃ ブロック

2〜3歳くらいまでは「小さいからまだ片付けができなくても仕方ない」と思って、親が片付けてしまったりしますが、4歳ともなると、そろそろ自分で片付けて欲しいですよね。

片付けしたくない理由はいろいろあります。

● もっと遊びたい
● もうちょっとで(ブロックやお絵描きなどが)完成するところ
● 片付けるのがちょっと大変(面倒くさい)←ここは片付けやすい環境整備をして解決という感じでしょうか。

おもちゃの片付けの工夫● 子どもスペースを決める
おもちゃを収納する場所をまとめる(リビングの数カ所などにしない)

● 子どもが自分で出しやすく片付けやすい高さにする

●おもちゃの種類ごとにイラストや写真をつけて箱に分類(購入時の箱に入っていた通りに片付けるのは難しい)

● 完成途中のブロックなど、飾っておけるスペースをできれば用意

片付けたくない気持ちに寄り添ってみましょう。それにはママやパパの意向をまず伝えることが必要です。

「ご飯ができたから、すぐ片付けて」というのは、状況は説明していますが、子どもにとっては急なことです。「 だんだん楽しくなってきた」「もうちょっとで完成しそう」など、子ども自身の状況もあるでしょう。

「遊びなんだから、ご飯を食べることの方が重要」と大人は思いますが、たとえば親自身が、大好きなアーティストのライブコンサートを見ている途中で「ご飯だから終わりにして!」と言われたら、難しいですよね。

大人がすることは重要、子どもの遊びは重要ではないという考え方から離れるようにしてみましょう。

子どもに問いかけて相談する

おもちゃ 遊ぶ 男の子

「イヤだ」と言う場合、ママやパパの意向や状況を整理して伝えて、子どもに会話のボールを渡してみましょう。

「ママはご飯ができて食べたいと思ってる。だから片付けて欲しい。でも〇〇くんは片付けたくない。どうしたらいいかな?」という感じです。

別な人間ですから、考えがずれるのは当たり前。そのあとどうするのかを、相談して折り合えるようにすればいいということです。

親の指示は急なことが多い。
相談して、少し猶予を持たせよう

親の方も心のゆとりがないと難しいのですが、子どもに動いて欲しいときにはできれば、「もうすぐごはんができるから、そろそろ片付けよう」などと事前に予告を。急なときには、できれば相談して折り合いをつけましょう。

→ ごはんを持っていこうとしたらおもちゃだらけ。台所から「すぐ片付けなさい!」とどなる。

4歳男児の気になる行動をチェック!

いかがでしたか?書籍では、上記に加え4歳向けに以下のテーマやコラムを掲載しています。

● おもちゃ買って〜!! と店先で大暴れ。早く収めたくて、つい買ってしまう

● 男子はなぜドングリを拾い続けるのか?

● 電車の本しか読まない。もっと興味の幅を広げたいのに…

[コラム]子どもに響くほめ方叱り方のポイント

ぜひチェックしてみてください。

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男の子に「厳しいしつけ」は必要ありません! 出典: www.kadokawa.co.jp

「男の子だからこうでなければ…」「男の子の親だからこうであらねば…」という固定概念や呪縛から開放されて、子どもがのびのびと育っていけるようなヒントを盛り込んだ1冊です。


書籍筆者:高祖 常子

書籍筆者:高祖 常子

こうそ ときこ


子育てアドバイザー。認定NPO法人児童虐待防止全国ネットワーク理事、NPO法人ファザーリング・ジャパン理事、NPO法人タイガーマスク基金理事、NPO法人子どもすこやかサポートネット副代表ほか。厚生労働省の「体罰等によらない子育ての推進に関する検討会」委員など、子どもの人権を守るための委員を歴任。全国での講演、執筆、テレビ出演も。著書は『イラストでよくわかる感情的にならない子育て』(かんき出版)ほか。保育士、幼稚園教諭、キャリアコンサルタントなどの資格も持つ。3児の母。
https://www.tokiko-koso.com/