赤ちゃんのうんちがいつもの頻度で出なかったり、出ても硬かったりすると「もしかして便秘…?」と心配になるかもしれません。「明日には出るかな」「すぐ何かした方がいいの?」と、対応に迷いますよね。
ママたちがどんな対応を取ったのか気になったninaru babyでは、アンケート(※)を実施しました。
今回は、ママが実際に経験した赤ちゃんの便秘の症例や効果のあった解消法、どんなときに病院に行ったのかなど、赤ちゃんの便秘について詳しくご紹介します。
赤ちゃんの便秘とは?
アンケートでは、次のような症状があると「便秘かも?」と思うママが多いようでした。
- いつもの頻度でうんちが出ない
- 出ても量が少ない、硬い
- いきんで顔が赤くなる
- うんちに血がついている
- 下腹部がパンパンに張っている
- おならが臭い
- 機嫌が悪い時間が増える
- 離乳食を食べない
- 母乳やミルクを飲まない
- 吐く
そもそもどんな状態のことを便秘というのか、小児科医の武井先生に教えてもらいました。
武井先生
実は、便秘にははっきりとした定義はありません。ただ、排便が2〜3日以上ないか、排便が週3回以下でお腹が張っているといった場合は、便秘と判断することが多いです。
排便の回数が少ない原因には排泄するもの(うんちの材料)がお腹に溜まっていなかったり、そもそも赤ちゃん自身の排便の頻度が少なかったりする場合もあります。
便秘かどうかは、「排便の間隔」と「赤ちゃんの機嫌」をセットで見てあげるといいかもしれません。機嫌が悪い、お腹が張っている、母乳やミルクの飲みが悪いなど、いつもと違う様子があるなら何らかのケアが必要です。
赤ちゃんの便秘を経験したママは約9割!
アンケートによると、赤ちゃんの便秘を経験したことがあるママは約9割。
そのママたちに、赤ちゃんがどれくらいの時期にもっとも便秘がちだったかも聞きました。月齢をグラフにまとめると次の通り。
生後2ヶ月と6ヶ月に、便秘が一時的に増える傾向があることがわかりました。
生後2ヶ月は、消化器官が発達しはじめる時期。少しずつお腹にうんちを溜められるようになるため、それまでよりも排便の回数が減りやすいのです。
離乳食がはじまる生後6ヶ月頃も、便秘が増える傾向にあります。母乳やミルク以外から栄養を摂るようになって腸内環境が変化するためで、胃腸が食べ物に慣れるまでは排便のペースが安定しないこともあります。
赤ちゃんの便秘解消には何が効果がある?
ママへのアンケートで、その後、便秘が解消したのかも聞きました。すると、ほとんどの赤ちゃんの便秘はホームケアで解決していたことがわかりました。
ホームケアで赤ちゃんの便秘が解消したと回答したママたちが、効果的なケア方法として挙げたのは「綿棒浣腸」「水分補給」「『の』の字マッサージ」の3つ。どんな効果があったのか順にご紹介します。
【ママの評価No.1】
赤ちゃんの便秘を綿棒浣腸で解消!
「赤ちゃんの便秘解消に効果があった!」という声が最も多かったのは、綿棒浣腸でした。綿棒浣腸とは、肛門(腸)を綿棒で刺激し、排便を促す方法です。武井先生も次のように教えてくれました。
武井先生
家庭でできる便秘の解消法でおすすめなのは、やはり綿棒浣腸です。綿棒浣腸は、腸管を直接刺激して排便を促すため、ホームケアのなかではもっとも効果が高いと考えられます。
どんな状況で、どういった効果を得られたのか具体的に見てみましょう。
ゆうやママさん
6日も出なかったけど…
子どもが生後3ヶ月のとき、6日もうんちが出ないことがありました。綿棒浣腸を試したら、10分後くらいにドロッとしたうんちがおむついっぱいに出ました。
水分が少ないようなうんちだったので、母乳を飲ませていても水分が十分ではないのかな…と感じました。
セリママさん
柔らかいうんちがたくさん!
新生児のときに、何日もうんちが出ない日が続きました。でも、綿棒浣腸をするとすぐに柔らかいうんちがたくさん出てきました。
なっちゃんママさん
こんなに詰まってたんだ…
離乳食をはじめたばかりのときに、赤ちゃんが便秘に…。綿棒浣腸を試したら、すぐに硬いうんちが30cmほど出てきてびっくりしました!
ほかにも、「30分後にうんちが出た」「半日ほどしてから排便があった」など、その日のうちに便秘が解消された、という声が多数ありました。
【ママの評価NO.2】
便秘時に水分を多く飲ませる
離乳食期の便秘の原因の1つに、水分不足があります。というのも、離乳食が始まると母乳やミルクの量が減るため、結果的に水分量が減るケースも多いのです。
試した人の約半数が、効果があった!と答えてくれました。水や麦茶などをこまめに飲ませてあげるだけなので、簡単に取り組めますよ。
なぎままさん
離乳食が始まってすぐに
離乳食が始まってから、3日ほどうんちが出ない日がありました。出たとしてもコロコロと硬いうんちばかりなので、「便秘かなぁ…」と不安になりました。
水分を多めに飲ませたところ、数時間後にいつも通りのうんちが出たので、ホッとしました。
ふみふみさん
ちょっと硬そう…
毎朝うんちが出ていたのに、離乳食中期くらいのときに、出ない日がありました。
水分を多めにあげたら、数時間後にドロっとした粘り気のあるうんちがたくさん出ました。
あーままさん
翌日に2回も!
水分を多く摂らせた翌日、硬めのうんちが出て、その日のうちに2回目となる柔らかめのうんちも出ました。
【ママの評価NO.3】
「の」の字マッサージも便秘に有効
水分を多めに飲ませるのと効果が僅差だったのが、「の」の字マッサージです。赤ちゃんのお腹を「の」の字を書くように指の腹で押しながらマッサージし、腸を刺激して便秘を解消する方法です。
ばうむさん
ミルクはたくさん飲むけれど…
たくさんミルクを飲んでいるのに、うんちが全然出なくて、3日も排便がありませんでした。
マッサージで腸を刺激してあげると、ドロドロとしたうんちがおむつから溢れるくらい出ました。
ひなぽんさん
数時間〜半日ほどで排便
2日ほどうんちが出ず、臭いおならも増えたので「便秘かな?」と思い、「の」の字マッサージと足の曲げ伸ばしをして腸に刺激を与えました。
数時間〜半日ほどで、少し粘り気のある便が大量に出ました。
コアラのマーチさん
他の方法は効果がなかったけど…
離乳食を始めて少し経ったときに、赤ちゃんが便秘に。水分を飲ませたり、綿棒浣腸をしたりしたのですが効果なし…。
でも、「の」の字マッサージをすると、すぐにニョロニョロとした細長い便が大量に出ました。
【番外編】市販の薬も便秘解消に役立つ?
紹介したように、赤ちゃんの便秘はホームケアで解消できる場合が多くありますが、アンケートでは「これが効果あり!」と赤ちゃん用の便秘薬を教えてくれた人もいました。
「生後◯ヶ月後から使用可能」と条件付きの商品が多いので、もし赤ちゃんが対象の範囲内なら、使用を検討してもいいかもしれませんね。
ビオフェルミンS細粒
整腸剤として有名なビオフェルミンのシリーズ商品で、生後3ヶ月から飲めます。3種類の乳酸菌が、小腸から大腸まで広く整えるのに役立ちます。
アンケートでは、「便秘のときにはビオフェルミンを飲ませたい」など、効果を期待する声がありました。
- 税込価格
- 1,058円
マルツエキス
生後1ヶ月以降と、低月齢から使える便秘薬。ミルクなどに加えて服用させることで、排便を促します。
ママへのアンケートでも、「赤ちゃんにはマルツエキスをいつも使っています!」という人が数名いました。
- 税込価格
- 798円
赤ちゃんの便秘!
どんなときに病院に行けばいい?
赤ちゃんの便秘は、ホームケアで解消されることがありますが、どんな場合は病院を受診すべきかも気になりますよね。武井先生に便秘での受診の目安を聞きました。
武井先生
便秘が続くと、赤ちゃんが不機嫌になることがあります。ひどい場合には、うんちによって腸管がふさがれ、吐き気や嘔吐をともなう腹痛を引き起こすこともあります。
便秘ぎみでも元気なら問題ありませんが、母乳やミルクをいつものように飲まない、嘔吐を繰り返す、腹部が膨らんでいるなど普段とちがう場合は、病院を受診しましょう。
また、うんちが硬すぎて切れ痔になった場合も、医療機関を受診し、適切な軟膏を処方してもらうのがおすすめです。
実際に病院を受診した人の声も見てみましょう。
ここママさん
何をしてもダメで…
4日も排便がなく、声を出していきむけれどうんちが出ませんでした。普段はよく食べる離乳食も、あまり食べなくなっていました。
綿棒浣腸や水分補給、「の」の字マッサージを実践したものの効果がなかったので、受診することに。病院で浣腸してもらったら、すぐにうんちが出てホッとしました。
まなむさん
いちばん長いときで10日も排便なし
もともと4日に1回ほどと、排便が少ないわが子。いちばん長いときは10日もうんちが出ないこともあり、病院で整腸剤などの薬を処方してもらいました。
それを飲んだあとは、半日ほどでうんちを出してくれました。
赤ちゃんの便秘は落ち着いて対応しよう
赤ちゃんの便秘には、様々な原因があります。赤ちゃんのうんちが出ない…と焦るのではなく、紹介した方法を実践してみてくださいね。
それでもうんちが出ず、「母乳やミルクをいつものように飲まない」「嘔吐する」「腹部が膨らんでいる」など、赤ちゃんがいつもと違う様子なら、すぐに病院を受診しましょう。
監修:武井 智昭
小児科/高座渋谷つばさクリニック
日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギー科を担当しています。感染症・アレルギー疾患、呼吸器疾患、予防医学などを得意とし、0歳から100歳まで「1世紀を診療する医師」として診療を行っています。
※アンケート概要
実施期間:2019年5月3日~2019年5月4日
調査対象:「ninaru baby」利用者
有効回答数:686件
収集方法:Webアンケート
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