多くのママたちが悩んでいる、赤ちゃんの肌トラブル。なかでも「おむつかぶれ」は、おしりが真っ赤になってしまうため、その痛々しさに、お世話をしているママが心を痛めてしまうことも。
そこで今回は、皮膚科専門医で、二児の母である「巣鴨千石皮ふ科」院長の小西真絢先生に、おむつかぶれの原因と予防法、すぐにできるケア方法についてお話を伺いました。
おむつかぶれってよくあることなの?
おむつかぶれとは、おむつがあたる部分だけ炎症が起きて赤くなってしまう皮膚の病気です。
ninaru baby編集部がアンケートを実施したところ、80%ものママたちが赤ちゃんのおむつかぶれを経験しているとのこと(※)。ママたちの体験談も、読んでいるだけで大変そうなものばかり…。
ほのほのママ
おしりを拭くときに痛みがあるらしく、おむつ替えを嫌がって大変でした。
しかくいママ
赤ちゃんの様子は変わらなかったですが、おしりが赤くて痛そうなので見ていてかわいそうでした。
赤ちゃんもママも大変なおむつかぶれですが、その原因が分かれば予防できるのでは…?
そこで、皮膚科専門医で、二児の母である「巣鴨千石皮ふ科」院長の小西真絢先生にお話を伺いました。
次の章から、以下の順でご説明します。
Q. おむつかぶれの原因はなんですか?
おしりにうんちがついたままだと、それが肌への刺激となっておむつかぶれが起きてしまうので、清潔な状態を保つことは大切です。
ただ、おしりについたうんちをきれいに拭き取ろうとこすってしまうと、赤ちゃんの肌に強い刺激を与えることになるので、おむつかぶれが起こりやすくなります。
そのため、特にゆるゆるうんちでおしりが汚れる下痢のとき、拭きすぎておむつかぶれになることが多いですね。
また、おむつの種類があわなくておむつかぶれを起こしてしまうこともあります。おむつは通気性がよいものの方がいいですよ。
おむつかぶれの予防にはワセリンが効く?
小西先生曰く、おむつかぶれは肌をこすらないようにすることだけでなく、「おしりを保護する」ことも大切だそうです。
小西先生
とにかく、肌に直接うんちがつかないようにすることが大切です。
ローションやクリームは保護する力が弱いので、かぶれることが多い肛門の部分には、ワセリンを塗って保護してください。
ワセリンは、赤ちゃんのおしっこやうんち、汗などを弾くのが特徴です。
うんちから発生するアンモニアやおむつの摩擦などから、肌を守ってあげましょう。
ただ、ワセリンはあくまでも肌を保護するためのものであって、炎症を抑える薬ではないということに注意してください。
おむつかぶれ予防だけでなく、様々な用途で使えるベビーワセリンはとにかく万能!とママたちの間で人気です。ベビーワセリンについて、詳しくはこちらの記事を参考にしてくださいね。
おむつかぶれの治し方が知りたい!
どんなに予防をしていても、おむつかぶれになってしまうことはあると思います。
では、おむつかぶれになってしまったとき、どのように対処すればよいのでしょうか?
1. おしりは洗ってきれいにする
「おむつ替えのときに、おしりふきで拭くのは控えた方がいい」と小西先生は言います。
おしりふきを使って拭くと、どうしても肌への刺激が強くなってしまうからです。
小西先生
一番いいのは、おしりを洗ってあげることです。
毎回お風呂などで洗うのは大変だと思うので、水を含ませた厚めのおしりふきやコットンをおしりにつけて、汚れをふやかしてからさっと拭き取るのがいいですよ。
他にも、おしりを洗うのに便利なのが、「赤ちゃんおしりシャワー」です。
使用済みおむつの上で、赤ちゃんのおしりに水またはぬるま湯をシャワーのようにかけて、洗い流すことができます(100均のソース入れでも代用可能です)。
▼リッチェル 赤ちゃんおしりシャワー
▼PIPBABY ベビーコットン
2. ワセリンで肌を保護する
先述のように、ワセリンを塗って肌を保護してあげることも大切です。
おしりかぶれになっている肌は傷つきやすい状態なので、症状を悪化させないために保護してくださいね。
このとき、おしりをよく乾燥させてからワセリンを塗りましょう。
小西先生
ワセリンには、保湿効果もあります。水やお湯でおしりを洗うと肌が乾燥するので、おしりを洗ったあとはワセリンを塗るといいですね。
おむつかぶれで病院に行くべき?目安は?
おむつかぶれになったら、どのタイミングで病院へ行けばよいのでしょうか?
小西先生曰く、「肛門の周りが赤くただれていたら病院へ行くべき」だそうです。
おむつかぶれは肛門の周りが赤くなることが多いですが、おしりのほっぺの方まで赤みが広がってしまった場合も病院へ行くことをおすすめします。
皮膚科では、おむつかぶれを治すために軟膏などの薬が処方されるので、医師の指示にしたがって赤ちゃんのお世話をしてあげましょう。
おむつかぶれはこすりすぎに注意!おしりに優しくしよう
おむつかぶれを防ぐために大切なのは、とにかくこすらないこと&ワセリンで保護の2つです。
おむつ替えは毎日何度もすることなのでママは大変だと思いますが、赤ちゃんのデリケートな肌を守るために、優しくケアしてあげてくださいね。
取材協力
巣鴨千石皮ふ科
子供の肌トラブルに詳しい小児皮膚科をかまえるクリニック。「目に見える異変は何でも相談できるホームドクター」として、プライマリーケアに重点をおいた診療を行う。
※アンケート概要
実施期間:2018年9月22日~9月25日
調査対象:生後0ヶ月〜1歳半の子供をもつママ
有効回答数:237件
収集方法:Webアンケート