【助産師監修】沐浴の仕方を動画で徹底解説!いつまで?時間は?

初めての赤ちゃんのお世話で、困ることのひとつである「沐浴」。

退院前に沐浴指導はあるものの、いざ自宅でやるとなると緊張してしまいますよね。「やり方をもう一度見たい!」というママは多いのではないでしょうか。

そこで今回は、沐浴の手順を動画で徹底解説!沐浴の時間や湯温など、沐浴のポイントも写真と共にご紹介します。

沐浴とは?いつからいつまで?

沐浴  新生児 お風呂

「沐浴」とは、新生児期の赤ちゃんをベビーバスに入れて、お湯をかけてきれいにしてあげることを言います。

赤ちゃんは新陳代謝がよく、とても汗っかき。赤ちゃんの皮膚を清潔に保ち、湿疹やあせもなどの皮膚トラブルを防ぐためにも、1日1回は沐浴をしてあげることが大切です。

生まれたばかりの赤ちゃんは、まだ抵抗力が弱く細菌に感染しやすいもの。ママやパパと一緒にお風呂に入るのではなく、ベビーバスに張ったきれいなお湯で生後1ヶ月くらいまでは沐浴を行いましょう。

1ヶ月健診で医師の許可がおりて、赤ちゃんが嫌がらないようであれば、大人と一緒にお風呂に入っても問題ありませんよ。

沐浴の前に…まずは準備をしよう!

不慣れな沐浴をスムーズにこなすために、まずは先に必要なものを準備しましょう。

沐浴の準備1:沐浴後に必要なものを用意

沐浴 準備

沐浴後にすぐ着替えられるように、必要なものをきちんと準備しておきましょう。

  • バスタオル
  • おむつ
  • 肌着
  • 着替えの服
  • スキンケアグッズ

このとき、肌着を服と重ねて袖も通して用意しておくと、着替えがスムーズにできますよ。

また、おむつもすぐにつけられるように、あらかじめ広げて置いておきましょう。

お湯から出てすぐにおしっこをすることもあるので、予備を1枚用意しておくと安心です。

沐浴の準備2:沐浴に必要なものを用意

沐浴 準備

沐浴に必要なものを用意しましょう。

  • ベビーバス
  • 湯温計
  • ベビーソープや沐浴剤
  • ガーゼ
  • 沐浴布
  • 洗面器(あがり湯用)

沐浴中にすぐに使えるように、必要なものはベビーバスのすぐ近くに置いておいてくださいね。

沐浴の準備3:お湯を用意

沐浴 温度

ベビーバスにお湯を入れましょう。

● お湯の量
ベビーバスいっぱいにお湯を入れると、沐浴がしづらくなります。お湯の量は、赤ちゃんのお尻を底につけたときに胸が浸かる程度にしましょう。

● お湯の温度
お湯の温度は、夏は38度くらい、冬は40度くらいが目安です。

ひじの内側をお湯につけて、お湯の温度を確認してみましょう。熱いと感じなければ、その温度で大丈夫です。

ひじの内側は、皮膚が薄くて敏感です。反対に、指先や手のひらなどは、割と温度には鈍いようです。指先で熱いと感じなくても、赤ちゃんには熱いことがあります。

沐浴の温度が分かってくるまでは、ひじの内側で温度を確認してくださいね。

洗面器には、あがり湯に使うお湯も用意しておきましょう。

洗面器のお湯はすぐに冷めてしまうので、ベビーバスのお湯より少し温度を高めにしておくと、沐浴が終わる頃にちょうどいい温度になりますよ。

沐浴の仕方・手順を動画で解説!

沐浴の手順

1. 赤ちゃんを両手で抱える
2. 足からゆっくりお湯に入れる
3. 体にお湯をかける
4. 濡らしたガーゼで顔を拭く
5. 石けんで頭を洗う
6. ガーゼを濡らして洗い流す
7. 首・胸・お腹を洗う
8. 腕を洗う
9. 脇の下を洗う
10. 手のひらを洗う
11. 足を洗う
12. 足の付け根を洗う
13. 性器を洗う
14. 赤ちゃんをひっくり返す
15. 背中・お尻を洗う
16. 赤ちゃんを仰向けに戻す
17. あがり湯をかける
18. お湯から出す
19. バスタオルで体を拭く
20. 頭を拭いて沐浴完了

沐浴は、このような手順でやってみましょう。

ここからは、助産師の河井先生からのアドバイスと共に、沐浴の各ポイントについて詳しく解説していきます!

沐浴のポイント1:赤ちゃんの体の支え方

沐浴 仕方 手順

首がまだすわっていないので、沐浴をするときは赤ちゃんの首の付け根のあたりと頭をしっかり支えましょう。

利き手で体を洗う方がやりやすいと感じる人が多いので、赤ちゃんの体を支えるのは利き手ではない方の手を使うと良いですよ。

沐浴のポイント2:顔の洗い方

沐浴 仕方 手順

赤ちゃんの顔を洗うときは、濡らしたガーゼで目尻から目頭の方に優しく汚れを拭き取ってあげましょう。

このとき、強くこすってしまうと目の感染症の原因になる可能性があるので、必ず濡れたガーゼで優しくを心がけてくださいね。

もし、赤ちゃんの口にお湯や石けんが入ってしまった場合は、ガーゼを指にかぶせて口に入れ、素早く拭いてあげると良いですよ。

河井先生

河井先生

以前は「目頭から目尻」に拭くとされていましたが、方法が変わりました。なぜなら「目頭から目尻」に拭くと、涙点を目尻に引っ張ることになり、新生児には刺激が強くなるからです。

また、目やには目頭にたまることが多いため、感染性の目やにの場合、目頭から目尻に拭くと感染を広げてしまう可能性もあります。

目の周りをきれいにするときは、反対の目への感染を防ぐために、片方の目を拭いたガーゼの面で反対側の目を拭かないようにしましょう。

沐浴のポイント3:頭の洗い方

沐浴 仕方 手順

赤ちゃんの頭をお湯でしっかり濡らして、頭を洗います。このとき使うのは、ベビーシャンプーでもベビーソープでもどちらでも構いませんよ。

頭を洗ったら、濡らしたガーゼで撫でるように泡を流します。お湯をかけるよりも、洗い流しやすいのでおすすめです。

このとき耳に水が入らないように、赤ちゃんの耳を手で軽く塞いであげるといいですよ。

首や耳の後ろなどは洗い流せていないことがあるので、きちんと洗い流せているか、最後に素手で確認しましょう。

河井先生

河井先生

耳を塞がなくても、耳の中の毛で水をはじきますし、それほどたくさんの水は入ってこないので、「耳に水が入ると中耳炎になるかも…」と気にしすぎる必要はありません

赤ちゃんの耳を塞ごうとすると手が痛かったり、赤ちゃんが不安定になったりするようであれば、無理に耳を塞がなくても大丈夫ですよ。





沐浴のポイント4:体の洗い方

沐浴 仕方 手順

赤ちゃんの体を洗うときは、上半身から順番に洗いましょう。顔を洗うときと同様に、ごしごしこすらず、優しく洗ってあげてくださいね。

腕や足、首などのくびれの部分は、汚れがたまりやすいところです。指を使ってしっかりくびれの奥まで洗うようにしましょう。

くびれた部分以外の場所は、手のひらを使って洗うと、素早く洗えて赤ちゃんも気持ちがいいですよ。

おへそが乾いていない場合は、おへその部分をこすらないように注意!

沐浴のポイント5:赤ちゃんのひっくり返し方

赤ちゃんをひっくり返す手順

  1. 右手の親指と人さし指で脇を支える
  2. 右手首から腕のあたりで赤ちゃんの首を支える
  3. 両手で赤ちゃんを挟むように支え、体を傾ける
  4. 赤ちゃんの右腕を、ママの右腕に引っ掛ける
  5. 左手で首と顎を支えながら前に傾ける

ひっくり返した体勢のときに、赤ちゃんの首だけを持たないよう、手順「1」「2」のように脇の下に指を入れて体を支えてあげましょう。

赤ちゃんの片腕をママの腕に引っ掛けてあげると、体が安定して赤ちゃんも安心できますよ。

どうしてもひっくり返すのが難しいときは、仰向けのまま背中を洗っても大丈夫です。ママが洗いやすい方法で、背中とおしりを洗ってあげてくださいね。

沐浴のポイント6:沐浴後は…

沐浴 仕方 手順

ベビーバスから赤ちゃんを出したら、すぐにバスタオルで包んで拭いてあげましょう。

頭から冷えてくるので、頭もバスタオルで包んで軽く髪をこするようにして水分を取ってあげてください。

体は水滴を拭き取るというよりも、「優しく押さえる」イメージで拭いてあげます。

沐浴後に赤ちゃんがおしっこをすることが多いので、体を拭いた後はまず先におむつをあてます。そのあとに、スキンケアをして服を着せましょう。

夏の場合は、赤ちゃんの汗が引くのを待ってから服を着せてあげてくださいね。

新生児をお風呂に入れるときの注意点は?

新生児は体の様々な機能が未発達なので、沐浴の際には次のことに注意しましょう。

沐浴のタイミング

授乳 赤ちゃん

授乳の直後に沐浴をすると、赤ちゃんが吐いてしまうことがあります。逆に授乳前のお腹が空いているときの沐浴も、赤ちゃんにとっては負担に…。

なので、沐浴をする場合は授乳から1時間以上は時間を空けるのが理想です。授乳と授乳のちょうど中間の時間帯に沐浴をするのが良いですよ。

沐浴の時間帯は、家庭の都合にあわせて行ってくださいね。ただし、赤ちゃんが眠いときはぐずりやすいので、あまり夜遅い時間の沐浴はおすすめしません。

お風呂に入れる時間

時間 時計

沐浴をすると、赤ちゃんはとても体力を使います。

沐浴の時間は長くても10分以内、できれば5分を目安にしてくださいね。

熱がある時は沐浴しない

体温計 赤ちゃん

赤ちゃんが風邪気味でも、機嫌が悪くなければ沐浴をしても構いません。ただし、熱がある場合は沐浴は避けた方がよいでしょう。

赤ちゃんの体調が悪くて心配なときは、無理に沐浴せず体を拭いたりおしりを洗ってあげるだけでも十分ですよ。

河井先生

河井先生

沐浴をやりやすいように、多少は方法の違いがあっても大丈夫です。赤ちゃんの皮膚が清潔になり、安全に負担なくできるのがいいですね。ただし、肛門は一番後に洗うようにしてください。

沐浴のコツは、手のひらをふんだんに使って洗うことです。指先だと、何度もこすらないと洗えませんが、手のひらだと大きい面が肌に当たるのでささっと洗えます。手のひらを赤ちゃんの肌に密着させて洗うようにするとマッサージ効果もあり、赤ちゃんは心地よいと思いますよ。

また、沐浴をする親の体のことも考えるようにしましょう。たとえば、腰を痛める中腰の姿勢や辛い体勢で沐浴すると、体を痛めてしまいます。できるだけ、親の体にも負担がないように工夫できるといいですね。

沐浴をして赤ちゃんをきれいにしてあげよう

沐浴 新生児 お風呂

首のすわっていないふにゃふにゃの新生児を沐浴するのは、慣れるまでとても大変だと思います。産後はママの体調が戻りきっていないので、家族で協力して赤ちゃんを沐浴してあげてください。

沐浴をする期間は1〜2ヶ月と短いので、家族で貴重な時間を楽しんでくださいね。


監修・アドバイス:河井 恵美

監修・アドバイス:河井 恵美

かわい えみ


助産師歴25年以上。
看護師・助産師の免許取得後、大学病院、市民病院、個人病院等に勤務。現在シンガポール在住。2人の子どもを育てつつ、現地の産婦人科に勤務。インターネットでエミリオット助産院開設中。