誰にでも笑顔を向けていた赤ちゃんが、「急に人見知りをするようになった…」と、困惑するママも多いのではないでしょうか。
どうして急に人見知りするようになったの?いつまで続くの?どんな風に対応すればいい?など、気になることがいっぱいですよね。
そこで編集部が、ママたちにアンケートを実施(※)。人見知りのエピソードと同時に、臨床心理士の佐藤先生に伺った原因や対応方法もご紹介します!
赤ちゃんは人見知りした?
赤ちゃんがママ以外の人を怖がって泣いたり、知らない人のことを見つめたりする人見知り。
編集部が実施したアンケートによると、約70%のママが赤ちゃんの人見知りを経験していることがわかりました。
人見知りをする赤ちゃんが多いように感じますが、一方で人見知りをしない赤ちゃんが約30%いるのも事実です。赤ちゃんは、必ずしも人見知りをするとは限らないようですね。
赤ちゃんはいつから人見知りした?
赤ちゃんの人見知りは、一般的に生後6〜7ヶ月頃に始まることが多いといいます。
しかしアンケートによると、生後5ヶ月以前という早い時期から人見知りをする赤ちゃんが多いという結果に。
その反面、割合は少ないものの生後10ヶ月以降に人見知りをする子もいるようです。
赤ちゃんが人見知りをし始める時期も、個人差がとても大きいことがわかります。
赤ちゃんはなぜ人見知りするの?
では、そもそも赤ちゃんはなぜ人見知りをすることがあるのでしょうか?
一般的に、赤ちゃんが人見知りをする原因として、「赤ちゃんの視力が発達して、ママの顔と他の人の顔とを識別できるようになるから」と言われることがあります。
しかし、生まれたばかりの赤ちゃんでも、自分のママと他人を区別できるという研究結果(※1)があり、人見知りと視力の発達は関係ないとされています。
最近の研究によれば、「相手に近づきたい」という気持ちと、「相手が怖い」という気持ちの相反する感情の葛藤により、人見知りが起きると言われています(※1)。
つまり赤ちゃんの心の成長の過程として、人見知りをすると考えられているのです。
人見知りをする子、しない子の特徴は?
人見知りの程度にもかなり個人差があるようですが、人見知りの程度に差がある理由はまだ明らかにはなっていません。
しかし、あまりにも人見知りが激しかったり、全く人見知りをしなかったりすると、心配になるママもいるのではないでしょうか。
そこで、人見知りの程度に個人差がある理由や特徴について、臨床心理士の佐藤先生の見解を聞いてみました。
佐藤先生
人見知りは、あくまでもその子が持つ個性の一部だと思います。しかし、育ってきた環境の影響は大きいかもしれません。
例えば、普段からたくさんの人と接していて、自分をおおらかに表現することができる環境で育った子は、人見知りが少ないこともあるでしょう。
逆に、普段からあまり人に会わず、自分を抑えなければならない環境で育ってきた子は、人見知りが激しく長く続く傾向がみられます。
佐藤先生の言うように、人見知りはその子の個性であるため、人見知りがいつまで続くのかも大きな個人差があります。
1歳頃で人見知りがおさまる子もいれば、3歳、4歳まで続くケースもあるようです。
先輩ママ教えて!人見知りの対応法は?
赤ちゃんの人見知りは悪いことではありませんが、ママが友達に会うときや来客があるときなどに困るケースも。
そんなときは、どのように対応をすれば良いのでしょうか。アンケートで多く集まった、先輩ママたちの対応法を3つご紹介します。
1. 「人見知りなんです」と周りに伝える
「せっかく赤ちゃんを可愛がってくれたのに、ギャン泣きしてしまって申し訳ない…」というママの声が多く集まりました。
そんなときは、あらかじめ人見知りで泣いていることを伝えておくと、相手に気を使い過ぎずに済むようですよ。
gshowさん
義母、義祖母が抱っこするときに泣いてしまうのが気まずいので、「人見知りで誰に対してもこうなんです」と説明しています。
みにぽんさん
私以外の誰にでも人見知りをして泣いてしまうので、先に「人見知りが激しいんです」ということを伝えるようにしていました。
2. 赤ちゃんを抱っこして安心させる
人見知りをしている赤ちゃんは、「近づきたい、でも怖い」と心の中で葛藤しています。
赤ちゃん自身も不安に感じているので、ママが安心させてあげるのが良さそうですね。
もちたろうさん
人見知りしてギャン泣きしたら、とにかく抱っこしてゆらゆら。赤ちゃんと目をあわせながら歌を歌って、安心させてあげていました。
はせさん
私やパパが抱っこするまで泣き続けてしまうので、泣き始めたら知らない人から遠ざけて、ひたすら抱っこしていました。
3. ママが相手と笑顔で接する
全く知らない人に対して、警戒心を持つのは大人も子どもも同じ。ママが相手と笑顔で接していたら、「この人は大丈夫」だと赤ちゃんも安心できるようですよ。
いちははさん
私と相手が仲良しだと見せることで、安心できる人だよと伝えました。同じ空間でしばらく過ごして、少しずつ距離を縮めると落ち着いてくれました。
ミキママさん
「大丈夫だよ、ママのお友達の〇〇ちゃんだよ」と話しかけていました。私の表情を見て判断しているようだったので、ニコニコ笑顔で相手と話すようにしたら効果てきめんでした。
人見知りの対応法で気をつけることはある?
先輩ママたちは以上のような方法で対応していましたが、人見知りをした赤ちゃんに接するときに、気をつけた方が良いことはあるのでしょうか?
臨床心理士の佐藤先生に聞いてみました。
佐藤先生
子どもが人見知りしていると、なんとなく相手に悪いような、申し訳ないような気がするので、早く治したいと思うママも多いでしょう。
しかし、子どもが人見知りをしているからといって、それを「よくないこと」と捉えて、子どもを責めたり、自分を責めたりすると、かえって人見知りが激しくなったり、余計人嫌いになりかねません。
人見知りは、赤ちゃんの心の成長の証拠。焦らず、ゆっくり構えて、「大丈夫よ」と声をかけてあげましょう。相手との関係にママが安心していると、子どもも安心してニコニコし始めますよ。
赤ちゃんの人見知りに焦る必要はありません
ママと一緒でないと泣いてしまうため、ママしか抱っこができない、誰にも預けられないなど、赤ちゃんの人見知りに悩んでいるママも多いと思います。
ママが相手と仲良くしていると、自然と赤ちゃんも安心してくれます。すぐに人見知りをなおすことは難しいですが、人見知りはその子の個性のひとつ。焦らず、周りを頼りながら、みんなで人見知りの期間を乗り越えられるといいですね。
※アンケート概要
実施期間:2019年2月14日~2019年2月15日
調査対象:子育てアプリ「ninaru baby」を利用しているママ
有効回答数:261件
収集方法:Webアンケート
取材協力:佐藤文昭
臨床心理士
おやこ心理相談室 室長。カリフォルニア臨床心理大学院臨床心理学研究科 臨床心理学専攻修士課程修了。米国臨床心理学修士(M.A in Clinical Psychology)。精神科病院・心療内科クリニックの医療現場や群馬県スクールカウンセラーの教育現場での臨床経験を生かし、幼児・児童、思春期から成人に至るまで幅広い問題を扱っています。精神分析的心理療法を中心として、心理検査、知能検査なども実施。また、個人だけではなく、家族というより広い視野を持って取り組んでいます。