赤ちゃんが泣き止まないときこそ試したい「まぁるい抱っこ」とは?|前編

「赤ちゃんは泣くのが仕事」なんて言われることもありますが、かといってずっと泣き止んでくれないと心配になってしまいますよね。

そこで今回、赤ちゃんがピタッと泣き止むといわれている、噂の「まぁるい抱っこ」についてご紹介します。この噂は本当なのでしょうか?

「まぁるい抱っこ」の提唱者である一般社団法人育母塾代表で、まぁるい抱っこマイスターの辻直美さんに直撃取材をしてみました。今回はその前編です。

赤ちゃんが泣き止まないのはよくあること?

赤ちゃん 泣き止まない グラフ

そもそも、赤ちゃんが泣き止まないのはよくあることなのでしょうか?

そこで、先輩ママ約850人に、赤ちゃんが泣き止まなくて困ったことがあるか聞いてみました(※)。

すると、「よくある」と答えた人が約20%、「たまにある」と答えた人が約60%という結果になりました。

つまり、約80%の人は赤ちゃんが泣き止まなくて困った経験があるということです。

この結果から、赤ちゃんが全然泣き止まなかったとしても、それは珍しいことではないということがわかりますね。

赤ちゃんが3秒で泣き止む!?
「まぁるい抱っこ」とは?

疑問 はてな ?

赤ちゃんが泣き止まないのはよくあることだとはいえ、泣き止んでくれないとママとしては心配になってしまいますよね。

そんなママを助けてくれるのが、「まぁるい抱っこ」。救命救急災害レスキューナースであり、育母塾の代表・まぁるい抱っこマイスターの辻直美さんが提唱する、抱っこの仕方のことをいいます。

育母塾のウェブサイトによると、まぁるい抱っこは、正しい姿勢で立って赤ちゃんを受け止め、包み込むように抱っこするやり方であると同時に、赤ちゃんと向き合うマインドでもあるそうです。

しかも噂によると、まぁるい抱っこをすると、赤ちゃんが3秒で泣き止むのだとか。

う〜ん、気になりますね。

そこで、詳しい話を聞くべく、辻さんにお会いして話をうかがってきました。

赤ちゃんが泣き止まないのは
ママ優先の抱っこだから

まぁるい抱っこ 赤ちゃん 泣き止まない

−まぁるい抱っこで赤ちゃんが泣き止むのはなぜですか?

辻さん

辻さん

それは、まぁるい抱っこが、赤ちゃんにとって安心で、安全に感じる抱っこだからです。

多くのママたちがやっている抱っこの仕方は、ママにとっては楽かもしれないけれど、赤ちゃんにとっては安心できないことがあります。

だから、赤ちゃんは抱っこされても泣き止まなかったり、場合によってはますます泣いてしまいます。

−まぁるい抱っこは赤ちゃんのことを第一に考えた抱っこだということですね。

辻さん

辻さん

そうです。ただし、まぁるい抱っこはハウツーではありません。

根底にある「赤ちゃんを一人の人として、接しましょう」という考え、マインドが大事なんです。

だから、赤ちゃんを“泣き止ませる”という表現は使わず、赤ちゃんが“泣き止む”という表現を使うようにしています。

−赤ちゃんにとって安心できない抱っこというのはどういう抱っこでしょうか?

辻さん

辻さん

例えば、こういった抱っこをしているママを見たことはありませんか?(下記写真参照)

まぁるい抱っこ 赤ちゃん 泣き止まない

辻さん

辻さん

この抱っこは、赤ちゃんの腰がずり落ちていて姿勢がおかしいですよね。だから、第三者から見ると赤ちゃんが辛そうだな、というのがわかると思います。

でも、抱っこしている本人から見ると、赤ちゃんの背中が丸くなっているから正しく抱っこできていると思えるし、何より楽なんです。

一度、楽な方法で抱っこをすると、それを崩してまで新しい抱っこの仕方を探す人はいません。

だから、ママの楽を優先してしまうと、赤ちゃんにとっての安心安全はどうしてもおろそかになってしまいます。

−ママが楽だからといって、赤ちゃんにとって安心安全な抱っこだとは限らないわけですね。

辻さん

辻さん

そうなんです。でも、まぁるい抱っこは赤ちゃんの安心安全とママの楽を両立していますよ。

まぁるい抱っこには歯科医も注目!

赤ちゃん 歯 乳歯

−まぁるい抱っこには、赤ちゃんが泣き止む以外の効果はありますか?

辻さん

辻さん

実は、歯並びにいい影響があることが最近わかったんです。

例えば、間違った抱っこ紐の使い方をしているせいで、本来よりも低い位置で赤ちゃんを抱っこしているママを見たことはありませんか?

赤ちゃんの首がすわっていないときにそういった抱っこをしていると、赤ちゃんのあごが上がってしまいます。すると舌が引っ張られて、口がポカーンと開いてしまうことがあります。

この状態が長く続くと、赤ちゃんは噛みしめるという動作がうまく行えず、舌を動かす筋肉も発達しづらくなることも。そして、おっぱいを飲むときにほっぺたの力だけで飲むようになってしまうこともあるんです。

こうなると、あごが発達せずに小さいままなので、乳歯の下に永久歯が生えて来ず、本来とは違うところから永久歯が生えてきてしまう可能性があります。

その結果、歯並びが悪くなりやすい状態になってしまうと考えられています。

−歯並びに抱っこが関係しているなんて意外です。

辻さん

辻さん

そうかもしれませんね。でも、最近は歯科医や歯科衛生士さんたちが私の講座に全国から参加しています。また、有識者向けに抱っこについての講演をすることが増えているんです。

赤ちゃんが泣き止まないと悩む
約10万人以上のママが習いに

地球儀

−まぁるい抱っこを学ぶには、辻さんが代表を務める「育母塾」の講座に参加すればいいのでしょうか?

辻さん

辻さん

講座に参加する方法もありますし、書籍もありますよ。

元々はスリングの使い方を紹介する講座をやっていたのですが、スリングを使うためには赤ちゃんにとって安全で快適な抱っこができる必要があるので、抱っこのやり方を説明する講座を始めました。

ただ、間違った抱っこをしてしまうのは、ママたちが体の使い方を間違っていることに原因があるので、現在は体の正しい使い方なども教えることがありますね。

最終的には、「肌と肌で会話をしましょう」「赤ちゃんも一人の人間です」ということを抱っこを通して伝えるのが目的です。

−これまでに、述べ何人くらいの方にまぁるい抱っこを教えているんでしょうか?

辻さん

辻さん

この活動を始めて18年になりますが、おそらく10万人以上には教えていると思います。

最初は近所のママたちに教えていたのですが、最近は世界中から講座を受けに来てくれていますよ。この前は、アメリカ、南アフリカ、ドイツなどからも、講座を受けに来てくれました。

まぁるい抱っこのやり方が知りたい人は…

ここまで、「まぁるい抱っこ」で赤ちゃんが泣き止む理由や、その実績などをご紹介しました。

「まぁるい抱っこ」のやり方を詳しく知りたい方は、下記書籍の購入や、育母塾の講座への参加がおすすめです。

『DVD付き どんなに泣いている子でも 3秒で泣き止み3分で寝るまぁるい抱っこ』

というのも、「まぁるい抱っこ」のやり方をこの場でご紹介するには「誤解なく、まぁるい抱っこのやり方を伝えるのが難しい」とのこと。

なぜなら、赤ちゃんにとって安心安全な抱っこの方法というのは、とても慎重なものだからだと、辻さんはいいます。

辻さん

辻さん

残念ながら、文章や写真だけでまぁるい抱っこのやり方を解説するのは限界があり、インタビュー記事だけでは難しいのが本音です。

写真を何枚も使って解説するということも考えたのですが、その通りにやってもうまくいかない人は出てきてしまうものです。

うまくいかなかった人たちをフォローしてあげられないと、「まぁるい抱っこで赤ちゃんは泣き止まない」という誤解を招く恐れがあります。

講座や書籍であれば、そういった人たちをフォローするための詳しい解説をすることもできます。

ですから、まぁるい抱っこのやり方を詳しく知りたい場合は、育母塾の講座に参加されるか、詳しく解説している書籍を読んでいただきたいです。

取材の際、講座の様子を映した動画を見せてもらったのですが、辻さんに抱っこされた赤ちゃんは本当に3秒で泣き止んでいました。

今まさに「赤ちゃんが泣き止まない」と悩んでいるママは、「まぁるい抱っこ」を試してみるのも1つの方法ですよ。

ぜひ書籍を購入したり、講座に参加したりしてみてください。

後編では、赤ちゃんが泣き止まないときの原因分析法などを解説!

まぁるい抱っこは、赤ちゃんのことを最優先に考えた、いわば「赤ちゃんファースト」の抱っこ。だからこそ、赤ちゃんが泣き止むんですね。

後編では、まぁるい抱っこでも赤ちゃんが泣き止まないのはどんなときなのか、泣き止まないときに観察すべき4つのポイントなどをご紹介します。

お楽しみに!

後編はこちら!

赤ちゃんが泣き止まないときこそ試したい「まぁるい抱っこ」とは?|後編

赤ちゃんが泣き止まないときこそ試したい「まぁるい抱っこ」とは?|後編


※ アンケート概要
実施期間:2018年12月2日~12月3日
調査対象:アプリ「ninarubaby」を利用中のママ
有効回答数:850件
収集方法:Webアンケート


取材協力:辻 直美

取材協力:辻 直美

つじ なおみ


国際災害レスキューナース、まぁるい抱っこマイスター、一般社団法人育母塾代表理事。
元救命救急ナース、災害レスキューを専門とする(吹田市民病院・聖路加国際病院)。現在も救命救急災害レスキューナースとして活動中(国境なき医師団・JMTDR在籍)。救急についての講演、執筆(著者/『エキスパートナース』連載、『救急初療ケアマニュアル』など)、育児の在り方、ママと子どもの姿勢についての講演会や講座を全国で開催している。ママ向けだけでなく、病院や保育園、幼稚園スタッフに向けた講座も実施。助産師科、看護科、保育科の大学での非常勤講師も務める。著書として、『どんなに泣いている子でも 3秒で泣き止み3分で寝るまぁるい抱っこ』(講談社)が絶賛発売中。子育てで悩む母親たちのバイブルとなっている。