離乳食をスタートして母乳やミルク以外の飲み物を飲むようになると、「そろそろコップ飲みの練習を始めた方がいいのかな?」と気になりますよね。 でも、いつから、どんな風に練習させたらいいのか悩むこともあるのではないでしょうか。
今回は、赤ちゃんのコップ飲みの練習を始める時期や方法についてご紹介します。小児科医・武井先生や保育士・かおる先生のアドバイスや、先輩ママたちの体験談もあるので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
赤ちゃんのコップ飲みはいつから?
赤ちゃんがコップ飲みの練習を始める時期に明確な基準はありません。ひとつの目安として、一般的に離乳食が2回食になる生後7〜8ヶ月頃に練習を始めてみてもいいでしょう。
また、赤ちゃんに空のコップを渡してみて、両手でしっかり持つ、口をつけて飲みたそうにする、といった様子がみられたら、練習を始めるサインと考えていいかもしれませんね。
生後5ヶ月以前からコップ飲みの練習を始めるママ・パパも多いようですが、月齢の低い赤ちゃんにコップ飲みは難しいと小児科医の武井先生は言います。
武井先生
生後4〜5ヶ月頃の赤ちゃんは、まだ手先を器用に使うことが難しいので、自分でコップを持って飲むことは難しいでしょう。
赤ちゃんは、1歳半頃までにコップ飲みができるようになれば大丈夫なので、焦る必要はありませんよ。
武井先生の言うように、赤ちゃんにとっては、いきなりコップを使って飲むのは難しいもの。
まずは、スプーンなどを使って、哺乳瓶以外のものから飲むことに慣れさせるといいでしょう。
赤ちゃんのコップ飲み練習の前にステップは必要?
コップ飲みの練習をする前のステップとして、幅の広い乳首のような吸い口がついた「スパウトマグ」や、太めのストローがついた「ストローマグ」を使用する人も多いようです。
スパウトマグは、おっぱいや哺乳瓶の乳首以外から水分を摂るためのファーストステップに適しています。ストローマグは、飲むときや倒したときに、こぼれることがほとんどないため、お出かけのときにも重宝します。
ただし、スパウトやストローマグばかり使っていると、赤ちゃんの歯並びや舌、あご、唇などの発達に影響を与える可能性があります。
スパウトマグは生後5〜6ヶ月頃、ストローマグは生後8ヶ月頃から使用できますが、どちらもコップ飲み練習のステップや外出時の水分補給のためだけに使うようにするといいでしょう。自宅では、できるだけスプーンやコップから水分を摂るように心がけておくといいですね。
赤ちゃんのコップ飲み練習におすすめのコップは?
コップ飲みの練習には、赤ちゃん用のコップを使いましょう。
保育士のかおる先生と先輩ママおすすめのコップをご紹介するので参考にしてみてくださいね。
取っ手が2つ付いているコップ
かおる先生
コップ飲みの練習には、取っ手が2つ付いているコップがおすすめです。まずは両手でコップを持って飲む練習をしてみましょう。
プラスチック製のコップ
かおる先生
プラスチック製のコップは軽いので、赤ちゃんが使いやすいですよ。
また、赤ちゃんは力の加減ができないので、コップを雑に机に置いたりする可能性もあります。壊れにくい丈夫なものがいいでしょう。
中身が見えるコップ
あいりちゃんママさん
中身が見えるコップなら、子どもの口に入る水分量が分かるので、傾きを調整しやすいです。
たとえば次のような商品は、上記の3つの条件を満たしているのでおすすめですよ。
● リッチェル アクリア コップでマグ
● マンチキン ベビー用 マグ
赤ちゃんのコップ飲みの練習方法は?
では赤ちゃんのコップ飲みの練習は、具体的にどのように進めていけばよいのでしょうか?
保育士のかおる先生に、詳しく教えてもらいました!
赤ちゃんのコップ飲みの練習方法
かおる先生
赤ちゃんにとってまず難しいのが、コップの傾きを調節すること。最初はコップを傾けすぎて、中身をこぼしてしまうことがよくあります。
なので、赤ちゃんのコップ飲み練習をするときは、ママやパパが手で支えてコップの傾きを調整してあげましょう。
また、赤ちゃんがコップ飲みを練習するとき、コップに入れる水は以下のことに注意が必要とのこと。
ポイント1:少量の水からスタート
かおる先生
最初からたくさんの量をコップで飲むのは難しいので、少量の水から始めましょう。
赤ちゃんが一口で飲めるように、ペットボトルのキャップ1杯くらいを目安にするといいですよ。
ポイント2:ぬるめの水を使う
かおる先生
コップの水が冷たすぎると、飲んだときに赤ちゃんがびっくりしてしまいます。コップ飲みの練習をするときは、ぬるめの水を使うのがいいですよ。
赤ちゃんのコップ飲み練習のコツは?
赤ちゃんのコップ飲みを練習するときに、何かコツはあるのでしょうか?
先輩ママたちのアンケート(※)で多く集まった、コップ飲み練習の2つのコツをご紹介します。
コップ飲み練習のコツ1
「お風呂でやるのが大正解◎」
コップに入れる水の量を増やしていくと、中身をこぼしたときに服や机などがたくさん濡れてしまいます。
お風呂なら、コップの中身がこぼれて濡れることを気にせず練習できるので、安心ですね。
かぁべぇさん
お風呂に入るときに、コップ飲みを練習しました。お風呂で練習すれば服や机が濡れないし、毎日欠かさず練習できるのでおすすめです!
うりぽんさん
お風呂に入るときに、コップ飲みを練習しました。お風呂で練習すれば服や机が濡れないし、毎日欠かさず練習できるのでおすすめです。
あいちょんさん
お風呂で遊びながら練習をして、コップ飲みを覚えました。
コップ飲み練習のコツ2
「無理強いしない、諦めも大切」
赤ちゃんにコップ飲みをさせようとすると、中身をこぼしたり、コップで飲むのを嫌がったりすることもしばしば。
最初から上手に飲めるわけではないので、こぼすものだと諦めてタオルを首に巻いて練習したり、嫌がったら練習をストップしてあげましょう。
れるぴさん
最初からはなかなか難しいので、口の下にティッシュやタオルをおいて、中身がこぼれても気にせず練習しました。だんだんコップに慣れてくると、飲めるようになりました。
エミ蔵母さん
中身をこぼして濡れるのは当たり前のこと。服が汚れないように練習することを、最初から諦めていました。
ゆなままさん
子どもがコップを嫌がったので、汁物を飲むお椀を渡してみました。お椀で飲めたのでコップを渡してみると、上手に飲めました。
赤ちゃんのコップ飲みは焦らずゆっくり練習しよう!
これまで哺乳瓶やおっぱいから水分補給をしていた赤ちゃんにとって、コップから飲み物を飲むのはママやパパが想像している以上に難しいことです。
コップ飲みができるタイミングには個人差があるので、赤ちゃんのペースにあわせて練習していけるといいですね。
※ アンケート概要
実施期間:2018年11月25日~11月27日
調査対象:生後3ヶ月〜2歳の子どもをもつママ
有効回答数:75件
収集方法:Webアンケート
取材協力:武井 智昭
小児科/高座渋谷つばさクリニック
日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギー科を担当しています。感染症・アレルギー疾患、呼吸器疾患、予防医学などを得意とし、0歳から100歳まで「1世紀を診療する医師」として診療を行っています。
取材協力:中川 薫
保育士
保育士歴15年。
知的障害者支援施設を経て、現在は中学校のスタディメイトとして発達障害を持つ子どもの支援をしています。子どもがわかりやすく安心して学校生活や学習ができるようなサポートを提供。男の子と女の子の2児の母。