赤ちゃんがはいはいをするようになると、近くにあるものに手を伸ばし、やがて口に運ぶようになります。これが「手づかみ食べ」の始まりです。
赤ちゃんの手づかみ食べはいつから始まり、赤ちゃんにどのような刺激があるのでしょうか? ママの疑問にすべておこたえします!
手づかみ食べはいつから始まる?
「ninaru baby」の調査(※)で、赤ちゃんが手づかみ食べを始めているのは生後9〜10ヶ月頃が多いことがわかりました。
手づかみ食べは、「はいはい」と同じ時期に始まることが一般的です。
赤ちゃんの体は「上から下へ(まず、首がすわり、最後に歩けるようになる)」「中央から末端へ(まず体幹がすわり、最後に指先が器用に使えるようになる)」発達が進んでいきます。
手づかみ食べもはいはいも、『自分の意思で手の平を開き、手を前に伸ばすという』動作としては同じなのです。
はいはいが始まったら、そろそろ手づかみ食べも始まると覚えておくといいですよ。
手づかみ食べは、
赤ちゃんにどんな影響があるの?
食事に時間がかかったり、後片付けの手間を考えると「手づかみ食べはさせたくない…」というママもいるかもしれませんね。
しかし赤ちゃんに手づかみ食べをさせてあげる意味があるのです。専門家にくわしく教えてもらいましょう。
●教えてくれたのは…
伊藤春伽(いとう・はるか)先生
保育士・管理栄養士
神奈川県内の保育園で給食の献立作成、栄養計算、調理監督を担当。保健センターでの勤務経験も長く、赤ちゃんの健診も数多く担当。プライベートでは、中2、小6、小2の3児のママ。
赤ちゃんは大人が興味を持っているものに
手を伸ばします
赤ちゃんは、大人が興味を持っているものをじっと見て、それに手を伸ばします。
ママやパパが食事をしているときにじっと見て要求してきたら、食べ物を持たせてあげましょう。
食べ物を記憶・認識できるようになります
食べ物に手を伸ばして口に入れ、「噛んだらおいしい」という経験をくり返すことで、赤ちゃんは食べ物を認識できるようになっていきます。
満足感が自我の獲得にもつながります
食べ物を認識できるようになると、欲求が強くなります。その欲求が満たされることで、赤ちゃんは満足感を味わいます。
そして「自分のことは自分でやりたい」という自我の獲得にもつながっていきます。
赤ちゃんが食べ物に手を伸ばすサインが見えたら、手づかみ食べをしやすいメニューを用意してあげましょう。
覚悟してたけれど、ため息が止まらない…
赤ちゃんの手づかみ食べ事件簿
「手づかみ食べが、赤ちゃんの発達にいいことはわかってる」
「赤ちゃんの好奇心を伸ばしてあげたいと(気持ちに余裕があるときは)思ってる」
「でも、どうしてここまで汚れるのー??」
そんな悲鳴が、全国のママから挙がっています。ママ達から悲鳴混じりに寄せられた「手づかみ食べ珍事件」をご紹介します。
斬新な米粒アートができました…
ご飯が冷めていたので油断して炊飯器のふたを開けていたら、お釜に手を突っ込まれ、子供の顔と服が米粒アートになっていたことがあります…。
内心では「あ〜〜〜〜っ」と思いましたが、「仕方ない、目を離した自分が悪い」と言い聞かせ、その様子を動画に撮っておきました。
そんなことをするのは、きっと今だけのはず…!
はなママ
うどんが空を飛んだ日
わが家では、うどんが宙で放物線を描いたことがあります(笑)。吸盤つきの食器を使っていたのですが、子供に器をガシッと掴まれ、いとも簡単に攻略されました。
その日以降、テーブルを除菌してから食べ物を直置きにし、お皿は使わない作戦で乗りきりました。
かんちゃんママ
手間ひまかけたご飯ほど…
ていねいに出汁をとって、具をたくさん入れたお粥をバーッと撒き散らされたことがあります。撒かれた先は、毛足の長いラグマット…。
いつもより手間ひまをかけたごはんに限って、どうして盛大に撒き散らしてくれるのでしょうか(涙)。後始末、とっても大変でした。
こうちゃんママ
壁紙に手形を押されました
私がちょっと目を離して戻ったら、リビングの壁紙とカーテンに赤いものが…。「なんだろう?」と思って近づくと、なんだかおいしそうなにおいが…。
はい、ケチャップのついた手で壁紙とカーテンを触られましたー! あのときのショックの大きさは、本人が大きくなったらしっかり語って聞かせてあげようと思っています(笑)。
ぞのママ
全国のママ、本当にお疲れ様です…。汚しの天才・赤ちゃんのポテンシャルの高さに、ただただ脱帽です…。
赤ちゃんはなぜ食べ物を落としたりするの?
赤ちゃんは食べ物に手を伸ばして口に入れ、「噛んだらおいしい」という経験をくりかえして、食べ物を認識していくのではないのでしょうか…?
なぜ、こんなにも食べ物を撒き散らしたり、顔や体につけてしまうのでしょうか? ここでもう一度伊藤先生に聞いてみましょう。
伊藤先生
上手に食べられるのはまだ先です
愛情を込めて作った離乳食をこぼされると、ママはがっかりしちゃいますよね。
ですが、この頃の赤ちゃんにとって、手づかみ食べは口に食べ物を持っていく学習なのです「遊び食べ」とも言われますが、赤ちゃんにとって遊びではなく、大切な『学習』。上手に食べられるようになるのは、まだ先です。
大切な『学習』だとしても、必要な栄養が摂れているか気になるママもいるのではないでしょうか?
伊藤先生
食べさせたい物は別皿に盛りましょう
はい、保健センターでも同じ相談をよく受けます。赤ちゃんの手に持たせる食べ物と、食べさせたい食べ物は別にしておくのがおすすめです。
赤ちゃんが手にした食べ物を口に運ばないときは、ママの手元にあるお皿から赤ちゃんの口に運んであげましょう。
汚しの天才との闘いのゴングが鳴る!
先輩ママ直伝、手づかみ食べの汚れ対策
手づかみ食べが「赤ちゃんの学習」と聞くと、赤ちゃんに手づかみ食べの練習をさせてあげたくなりますよね。
そうは言っても、うどんが宙を舞ったり、ケチャップがついた手で壁紙に手形を押されてしまうのはやっぱり困ります…。
先輩ママはどのようにして、手づかみ食べの汚れ対策をしているのでしょうか?
手づかみ食べの汚れ対策:レジャーシート
- 税込価格
- 1,259円〜
ごはんタイムはおむつ一丁!
「今日は思う存分やらせてあげる」と腹を決めた日は、床に防水のレジャーシートを敷き、おむつ一丁で食事タイムにしていました。もちろん、食事のあとはお風呂場直行です(笑)。
はるママ
手づかみ食べの汚れ対策:スモック
- 税込価格
- 1,760円
精神的ダメージの少ない服に変更!
手づかみ食べの最中に暴れ、離乳食で全身ドロドロに汚れていく息子を見て、何度放心状態になったことか!!
息子の食事エプロンはスモックタイプに変更し、私も汚れても精神的なダメージの少ない服を着るようにしていましたよ。
ぺこママ
手づかみ食べの汚れ対策:専用の食器
- 税込価格
- 3,888円
マットごとテーブルに張り付く食器を購入
食事中に食器を持ち上げて、そのままひっくり返されたことがあります。一瞬のことで止める暇もありませんでした…。
吸盤付きの食器も売られていますが、うちでは「ezpz」という、シートごとテーブルに貼り付けられる食器を購入しました。
シアママ
先輩ママのテクを真似して
赤ちゃんの手づかみ食べを見守ろう!
心を込めて作った離乳食を落とされたり、撒き散らされたりするとママもイライラしてしまいますよね。
ですが、怒ったり反応しすぎると、赤ちゃんはママの気を引こうとしてわざとやることも。
「食べ物を粗末にすることはいけないこと。ダメなものはダメと、早いうちから言い聞かせましょう」
「ダメなことをダメと説明する親の練習と、きちんと注意することが家庭のルールになりますよ」と伊藤先生。
先輩ママの対策テクを上手に取り入れて、赤ちゃんの成長を見守ってあげてくださいね。
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