赤ちゃんがすやすや寝てくれるのは嬉しいことですが、何時間も連続で寝続けたり、朝なかなか起きなかったりすると、それはそれで心配になってしまうもの。
今回は、「赤ちゃんが寝すぎな気がする」と悩んでいるママに向けて、先輩ママの体験談と、専門家の見解をご紹介します。
赤ちゃんの睡眠時間はどれくらい?
まず、一般的な赤ちゃんの睡眠時間を知っておきましょう。月齢別の睡眠時間の目安は、下記のとおりです。
この時間はあくまで「一般的な」ものなので、これ以上の場合も、以下の場合もあります。目安程度にとらえてくださいね。
赤ちゃんが寝すぎるのは変なこと?
赤ちゃんの睡眠に関する悩みといえば、「全然昼寝してくれない」「夜中何度も夜泣きで起きる」など、「寝ない」というものをよく耳にしますよね。
しかしなかには、赤ちゃんが寝すぎることに悩んでいるママもいます。赤ちゃんが寝すぎて心配というママ3人に、悩みを聞いてみました。
寝すぎbaby ケース1. けいたくん
最初にご紹介する「寝すぎbaby」は、生後5ヶ月のけいたくん。新生児の頃からあまりに寝るものだから、ママは悩んでいるそうです。
ーけいたくんは、どれくらい寝る赤ちゃんなのでしょうか?
新生児の頃から、すごくよく寝ます。よく寝るのは良いことかもしれないのですが、あまりにも寝すぎていて…。
夜中目をさますことはほぼなく、生後3週間頃から、夜間の授乳はほとんど行っていません。生後1ヶ月の頃からは、10時間以上寝続けます。12時間ほど寝たこともありますね。
ー赤ちゃんが寝すぎることで、どんな心配がありますか?
けいたは2人目の子供なのですが、上の子のときは寝すぎで悩んだことがなかったので、どうしていいか分からないことだらけです。
まず気になっているのは、息をしているかということ。夜中、何度も耳をけいたの口のそばに当てて確認してしまいます。あとは夜間の授乳をしていないので、授乳間隔が空きすぎているのではないかというのも心配です。
寝すぎbaby ケース2. ひびきちゃん
続いての寝すぎbabyは、生後4ヶ月のひびきちゃん。生後2ヶ月頃から、寝すぎではないかと気になるようになったんだとか。
ーひびきちゃんが寝すぎではないかと思ったきっかけはなんですか?
生後2ヶ月のとき、2日連続で8時間寝続けたことがあります。突然こんなに寝たのでびっくりしました。
そのかわり朝寝は30分くらい、昼寝は1時間くらいと短くなって、トータルするとそこまで寝すぎではないかもしれませんが、とにかく寝続けるのが不安でした。
ー寝すぎと感じたときはどうしていますか?
まずはちゃんと生きているのかが不安になるので、息をしているかどうかはこまめに確認してしまいます。
そして授乳ができないので、私の胸の張りが困ります…。痛い(泣)。張りすぎる前に、明け方ひとりで搾乳しています。寝ているときに起こして飲ませようとしたこともあるのですが、眠気のほうが勝って、吸ってくれないどころか、乳首をくわえてくれさえしません…。
寝すぎbaby ケース3. りんたろうくん
最後にご紹介するのは、よく寝る赤ちゃんのままスクスク成長し、6歳になったりんたろうくんのケースです。ママに当時のことを振り返ってもらいました。
ーりんたろうくんは、どれくらい寝る赤ちゃんだったのでしょうか?
新生児なのに3時間以上起きなかったり、生後3ヶ月頃には6時間起きなかったりというのがざらでした。最長12時間ほど寝続けたこともあります。
その後も夜泣きはほぼなく、卒乳してからは今でも10時間連続して寝ています。
ー当時、どんな不安がありましたか?
新生児から生後半年までは、SIDS(※)になってしまうんじゃないか、息がとまっているんじゃないかと、不安になっていました。定期的に脈を測ったり、口元に手をあてたりして、生きているか、そして息をしているか、何度も確認していました。
あとは授乳時間にも起きないので、脱水症状にならないかも心配でしたね。特に新生児期はいくらたっても起きなくて、胸が張ってしまうことも多かったので、足の裏をくすぐって起こして飲ませていました。
ーりんたろうくんが6歳になった今、当時を振り返ってどう思いますか?
当時は不安にもなりましたが、現在でもよく寝てよく遊ぶ子です。おそらく眠りが深いタイプなだけなのかと思います。6歳まで大きな病気もなく、むしろ熱もあまり出ないとても体が強い子です。
そしてぐっすり眠れるからか、寝起きもよく、時間になると自分で起きてきて、起きた瞬間から大声で走り回るなどめちゃくちゃアクティブです(笑)。
※SIDSとは…乳幼児突然死症候群のこと。原因ははっきりしていないが、主に、受動喫煙や体を温めすぎることで起こりやすいとされている。生後2~6ヶ月の赤ちゃんに多く見られ、日本では約6,000~7,000人に1人の割合で発症している。
赤ちゃんの寝すぎにはどう向き合う?小児科医に聞いてみた!
赤ちゃんが寝すぎることについて、ママたちは様々な不安を抱えていることがわかりました。
ここからは、小児科医の武井先生に、赤ちゃんが寝すぎるとどうなるのか、どうしたらいいのかなどを解説してもらいます!
\私が答えます!/
小児科/高座渋谷つばさクリニック武井 智昭
日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギー科を担当しています。感染症・アレルギー疾患、呼吸器疾患、予防医学などを得意とし、0歳から100歳まで「1世紀を診療する医師」として診療を行っています。
ー 長く寝すぎる赤ちゃんを心配するママも多いようです
武井先生
赤ちゃんが寝すぎても、特に問題はありませんよ。「寝る子は育つ」って言うでしょう。
たくさん寝るのは、健やかに成長している証です。
ー なかには12時間寝ているという子もいましたが、このくらい寝ても問題ないのでしょうか?
武井先生
だいたい12時間くらいまでであれば、寝続けても大丈夫だと思います。
それを越えると、生活リズムが乱れてしまう可能性があるので、起こしたほうがいいかもしれません。
ー 12時間未満だったら、起こさずに寝かせてもかまわないということでしょうか?
武井先生
そうですね、無理して起こさなくても大丈夫です。
夜中に授乳ができなくて心配するママももいますが。夜中に授乳ができなくても問題ありません。そのぶん昼の授乳回数を増やしたり、時間を伸ばしたりしてあげてください。
ただ、まれに危険な場合もあるので、やはり数時間おきに様子は見てあげたほうがいいでしょう。
ー 危険なときとは?
武井先生
顔色が悪いときや、呼吸が止まっている、または早いときです。脱水症状や低血糖などになっているリスクがあります。
おかしいなと思ったら、早めに病院を受診してくださいね。
赤ちゃんが寝すぎても心配しすぎないで
赤ちゃんの寝る時間は、性格のようなものです。寝すぎると成長に影響があるのではないかと不安に思うかもしれませんが、すやすやと寝ていれば心配する必要はないので、安心してくださいね。
寝る子は育ちます!赤ちゃんのこれからの成長を楽しみに、たくさん寝かせてあげてくださいね。