3歳から始めたい性教育のはなし

のじまなみ先生にインタビュー|3歳から始めたい性教育のはなし【特別編】

これまで全8回にかけて「性教育」をテーマにした漫画をご紹介してきました。

性教育マンガを1話から読み直す↓

ついに来た!子供からの性的な質問|3歳から始めたい性教育のはなし#1

ついに来た!子供からの性的な質問|3歳から始めたい性教育のはなし#1


しかし、性教育を実践したいけれど、いざとなると様々な不安がある方は多いのではないでしょうか。

そこで先日、この漫画を監修している性教育インストラクター「のじまなみ先生」に直接お話を聞くインスタライブを開催!読者のみなさんからいただいた5つの質問に答えていただきました。

今回はその様子をお届けします。これを読めば、性教育についてもっと理解が深まるはずです。

性教育は子どもに「愛」を伝えるもの

性教育

ー 今回は、読者のみなさんからいただいた5つの質問について、お話を伺えればと思います。

よろしくお願いします!なんでもお答えします!


ー まず1つ目の質問は「子どもに性器を伝える場合、直接的な名称で伝えることに抵抗感があるのですが、どう伝えるのがよいでしょうか?」いざ性教育をしようとしたときの、最初のハードルかもしれません。

抵抗感を捨ててください!としか、言いようがないですね(笑)。

性教育は、性科学です。恥ずかしい話ではありません。

性器にあだなをつけてもいいです、ペニスって言ってもいいし、おちんちんと言ってもいい。

どんな呼び方であれ、大事なのはこういう話を「隠さない」ことなんです。


ー 呼び方の問題ではなく、恥ずかしがらないことが大事なんですね。

そうです。「隠さない」ことが一番大事。

親は性に関して知識や経験があるので、性器の話をするのが恥ずかしい、言いづらいということが多いです。

でも子どもは経験もないし、性に関して何も知らないのでこうした話を聞いても卑猥だなんて思わないんです。

性教育の進め方で大事なのは「逃げない」「怒らない」「ごまかさない」です。

なので、堂々と性器のことを伝えてください。性器の話から始めないと、性教育はできません。


ー たしかに、そうですね。

性教育で子どもに本当に伝えたいのは、 「生まれてきてくれてありがとう。あなたは愛される価値がある。ここにいていいんだよ。」ということ。

子どもに「愛されている」という自覚をもたせることです。

性教育

それを伝えるためには、どうしてもセックスの話が欠かせません。なので、濁さずきちんと伝えることが大事なんです。


ー「愛されている自覚」は、親からしか伝えられないことがたくさんありますね。

そうですね。親が言ってくれるのがベストですが、正直親じゃなくてもいいんです。

誰か一人でも「あなたがいてくれて嬉しい」と言ってくれる人がいれば、大人になってからも誰かの愛情や優しさを受け取るのが上手になります。

愛情表現をすることは、人間関係を築く上で大事なことだと日々伝えています。

まずは生理に気づいたことを、褒めよう

ー 次の質問です。「生理の時、子供から血が出てる!と言われました。どのように対応したらよいでしょうか?」確かに、なんと答えればよいか難しいですね。

子どもにまず言わなきゃいけない言葉があるんですよ。

それは「いいこと気づいたねー!」です。


ー そう言うのは、なぜでしょうか?

子どもは、お母さんの股から出血してることにびっくりしてるんです。

お母さんが怪我しているんじゃないか、病気なんじゃないかと心配しています。

だからまずは、「いいこと気づいたねー!」と言って、これは怪我をして出てる血じゃないんだよって教えてあげてください。

大体10歳くらいになったら、「赤ちゃんを産むために体の中の赤ちゃんのベッドをきれいにしてるんだよ」と伝えましょう。

性教育

あるインストラクターは、「これはいつでも赤ちゃんを迎え入れる準備のものだから、ありがとうの血なんだよ」と伝えていました。

すると小学生の息子くんは次の日、サニタリーボックスに「ありがとうの箱」と書いていたそうです。


ー すごい!

伝え方一つで、変わってきますよ。

他にも、血が出ている時はイライラしたり、お腹が痛くなったり、眠くなったりするから、もしかしたらゴロゴロするけれど、少し優しくしてくれると嬉しいなと伝えてみてください。

男の子も、生理中のお母さんに優しくしてくれるようになります。

生理の話は、今のうちから隠さずきちんと話してくださいね。

女の子のお母さんは「うちの娘は生理になったら私に伝えてくれるはず」と思っているかもしれませんが…そんなことありません。


ー え、そうなんですか?

今の子どもたちは調べたら分かるから、生理が始まっても親に言わない子が多いです。

中学生と高校生の女の子は生理に無頓着で、女の子の8割が「無月経傾向」。生理がないのを当たり前と思っていて、無月経なのか妊娠しているのかも分からない。

生理は、止まってしまうと簡単には復活しません。回復するまで5〜10年かかる場合もあります。

だから今のうちから、「今月は生理きている?」という話をできる関係性を作ってほしいです。

自分の体に触ってはいけないところは1つもない

ー 3つ目の質問は「息子がおちんちん大きくなったと伝えてきたり、自慰行為をします。どう対応したらよいのでしょうか?」です。

男の子の自慰は、おちんちんをずっと触ってるということだと思うのですが、自慰行為は悪いことではないんですよ。悪いのは、「人前でやること」。

自分の体に、触ってはいけないところは1つもないのです。

どうして性器だけだめなの?となるので、性器に嫌悪感を持たせる発言は絶対にダメです。

性教育

では、なぜ自慰行為をするのか。というより、なぜおちんちんを触るのか。

いくつか理由があって、ポジショニングが悪かったり、かゆかったり痛かったりかもしれない。触り心地がよくて、緊張してる時こそ触りたくなることもあります。

あとは、そこにおちんちんがあるから(笑)。手を下ろした先に突起物があったら、全員触りたくなるんですよ。

未就学児がおちんちんを触るのは、思春期の自慰行為とは違うので安心してもらっていいです。

ちょっとくらい触るのは大目に見てあげてくださいね。みんなやってることだから、そんなにキーキー言わなくてもいい。

親が教えるのは、「場所」と「時間」を指定してあげることだけです。

性教育


ー それは、どのように教えたらよいのでしょうか?

まずは「水着ゾーン」を教えてあげましょう。

水着で隠れるところ(胸、性器、お尻)と口は、人に見せても触らせてもいけない自分だけの大切な場所ということを教え込むんです。

2歳からでも十分伝わります。

例えば、人前でおちんちんを触っていたら「そこ、水着ゾーンだよ。触ってよかったかな?」と聞いてみてください。

どんなに言い続けても直らないといいますが、何回も言い続けることが大切です。


ー なるほど。では、女の子の自慰行為の場合は、どうしたらいいですか?

女の子に対しても、同じです。

実は、女の子の方が自慰行為をすることが多いとされています。別に悪いことではないんです。

親が性に対しての嫌悪感が強いと、娘が顔を高揚させて体をモジモジさせたりしていると、お母さんはなんだか見てはいけないようなものを見てしまった感覚に陥って怒ってしまいがち。

でも、それではただ場所を変えて隠れてやるだけです。

「ここは、水着ゾーンだよ。悪いことではないけど、人前でやると見たり聞いたりして嫌な気持ちになる人がいるから、例えばトイレでしようね。」とか言って、少しずつ場所と時間を教えていってあげてください。

ただ、例えば、机の角に性器を擦り付けてるとかはNGです。「ここは何する場所かな?娘ちゃんの大事な場所だけど、ここに擦り付けてよかった?気持ちいいの分かるけど、これだけはやめておこうね。」と言ってあげましょう。

要は、マナーを教えていくという感じですね。

正しい知識が子どもを性被害から守る

性教育

ー 次は他の人との関わりについて質問です。「誰にでも人懐っこい息子ですが、自分の体を守るために今から教えておいた方がよいことはありますか?」

未就学児でも、必ず性被害に遭う可能性があるということを親が知っておいてほしいです。男の子でも被害に遭います。

愛嬌があること、それが悪いことではありません。

1番悪いのは、親が「自分の体は大切なもの。他の人に触られてはいけないことだよ」と子どもに教えていないこと。

未就学児や低学年が性被害に遭うときに一番多いのが「それが性被害だと気づかない」パターンです。

例えば、口車に乗せられて「チューしよう」とか「パンツ見せて」と言われるかもしれない。

その時に、触ってはいけない場所「水着ゾーン」を教えておくと、「あれ、これっていいのかな?」と気づくことができる。

何も知らないと、子供の犯罪センサーは働きません。


ー 確かに、性犯罪だと気づけないのは怖いですね。

そうです。

さらに、もし性犯罪に巻き込まれた時に、性教育がきちんとされている家庭では「こういうことがあったんだよね」と、子どもが親に素直に相談できます。

そうしたら、親が次の一手を打てますよね。

性教育

本の中にも書いてますが、「一度きりルール」というものがあって、親が一度でも性に対して嫌悪感を出すと、子どもは次に何かあっても、親に相談したり、尋ねてきたりしなくなります。

性に対してだけ、このルールが適用されます。なので、普段から性の話を習慣化させてほしいです。

常に子供と一緒にいてあげられることは出来ないので、知識をプレゼントして子供たちを性被害から守ってもらえたらと思います。

子どもに対する愛情に、命のでき方は関係ない

ー 最後の質問は、不妊治療についてです。「顕微授精をしての妊娠だったので、どこまで理解ができるのか?一般的には違うことにショックを受けるのか?性教育をしようと思っていますが…今からとても気掛かりです。」

今は10組中5組が不妊治療で生まれた子と言われています。

命の重さに、差はないんです。セックスをしてできた子が偉いとかはないんです。

体外受精であれ、なんであれ、子供を欲しいと思って苦労したこと、涙したこと、神様にお願いしたことの時間というのは、確実に不妊治療された方のほうが多いと思います。

それを誇ってください。

そこを恥ずかしいと思ってるのかもしれませんが、全然そんなことないです!!!

性教育

今一緒にいて「大好きだよ」って言っているその子育てが大事であって、でき方はどうでもいい。

ステップファミリーでも、シングルマザーでも、シングルファザーでもなにも問題ないんです。

「あなたが生まれてきたことがとっても嬉しいよ。」と伝えることが大事です。


ー 本当にそうですね。

ちなみに、私も三人目は不妊治療をしました。

治療をして三人目が生まれたことを伝えると、上の娘たちは「ママありがとう。こんな可愛い子を産んでくれてありがとう」と言ってくれました。

それは、私が治療を恥ずかしいと思っていないからです。

顕微授精した人は、受精した瞬間の写真とかを持っているかもしれないですよね。それを見て「これがあなたの命のスタートだよ。」って言えるじゃない!

それはとても素敵なことですよ。

今回の内容を動画で見たい方はこちら!

性教育をもっと学びたい方へ

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のじま なみ、ふじい まさこ

のじま なみ、ふじい まさこ

監修者, 作画者

のじま なみ(監修):性教育アドバイザー。とにかく明るい性教育【パンツの教室】協会代表理事。看護師として泌尿器科に勤務。
ふじい まさこ(マンガ):マンガ家・イラストレーター。主にコミカルタッチのイラストで雑誌や書籍で活躍中。