昔から「赤ちゃんは泣くのが仕事」といわれているように、赤ちゃんはよく泣きます。だからこそ、赤ちゃんがあまり泣かないと不安に思ってしまうママもいるでしょう。もしかしたら「発達が影響しているのかな…?」と気になっている人もいるかもしれませんね。
そこで今回、先輩ママに対して行ったアンケート結果(※)や、専門家の声を交えながら、赤ちゃんが泣かないことは問題なのか解説します。
新生児・赤ちゃんが泣くのは
何かを伝えたいから
新生児・赤ちゃんはまだしゃべれないため、「おっぱいやミルクがほしい」といった欲求や「おむつが濡れて気持ち悪い」といった不快感を伝えるために別の手段をとります。
それが「泣く」という方法です。
つまり、泣くというのは、新生児・赤ちゃんにとって唯一のコミュニケーション手段なのです。
では、新生児・赤ちゃんが泣く原因にはどのようなものがあるのでしょうか。
以下は、一般的に新生児・赤ちゃんが泣く原因だとされているものです。
- お腹が空いている
- ウンチやおしっこでおむつが汚れて気持ち悪い
- 眠いのにうまく寝られない
- 体調が悪い
- ママやパパのイライラが伝わって不安
- 暑い・寒い
- 体が痛い・かゆい
- 体の姿勢が安定していない
新生児・赤ちゃんが泣かないのは
よくあること?
新生児・赤ちゃんにとって泣くのは当たり前のことですが、一方で、なかにはあまり泣かない子もいます。
そこで、下は新生児のママから、上は2歳の赤ちゃんのママまで、100人以上に「あなたの赤ちゃんは泣かない方だと思いますか?」と質問してみました(※)。
すると、約30%の人が「よくそう思う」、約40%の人が「たまにそう思う」と答えました。
つまり、多くのママが少なくとも一度は「うちの子、あまり泣かないな」と思ったことがあるということです。
「うちの新生児・赤ちゃん、泣かないな…」
と思う瞬間!
では、先輩ママたちは、どんなときに新生児・赤ちゃんが泣かないなと感じるのでしょうか?
アンケートに寄せられたママたちの声をご紹介します。
痛くても泣かないとき
Jasmimさん
大きな音をたてて頭を打ったり、こけたりしても、ケロっとしているときですね。
ママと離れても泣かないとき
なみそさん
私がその場から離れたり、初対面の人に抱っこされたりしても泣かないときは、「泣かない子だな」と感じますね。
ウンチをしても泣かないとき
めぐさん
ウンチをしておむつが汚れているのに、全然泣かないのですぐには気づきませんでした。
お腹が空いても泣かないとき
がちこさん
お腹が空いているはずの時間になっても泣かないときは、「泣かないなぁ…」と思います。
赤ちゃんが泣かないのは何か問題があるの?
アンケート結果から、あまり泣かない赤ちゃんがけっこういることがわかってもらえたと思います。しかし、そうはいっても泣かないと気になってしまうママもいるでしょう。
そこで、専門家に話をうかがいました。
今回、疑問にお答えいただいたのは、幼児から成人まで幅広い年代の心の問題と向き合っている、臨床心理士の佐藤文昭先生です。
−赤ちゃんがあまり泣かない場合、どんな理由が考えられますか?ママのなかには発達を気にする声もあるようですが…。
佐藤先生
性格が穏やかで、感情の起伏があまりない赤ちゃんの可能性がありますね。そういう子も多いので、安易に発達の問題と結びつけることはできません。
ただ、あまり泣かない赤ちゃんのなかには、愛着障害や発達障害を持っている子がいることもあります。
−あまり泣かない赤ちゃんは、穏やかな性格が影響していることが多いのですね。
赤ちゃんがあまり泣かないことが、どうしても気になってしまう人もいると思います。そんなとき、どんなところをチェックしたらいいですか?
佐藤先生
どうしても気になるときのチェック項目としては、視線を合わせないか、抱っこを嫌がるか、あやしても笑わないなどがあります(上記参照)。
それらに当てはまったとしても、発達に問題ないことが多いので気にしすぎる必要はありませんよ。
それでも心配なのであれば、専門家に一度診てもらうと安心できると思います。
赤ちゃんが泣かないからといって、心配しすぎる必要はないようですね。
赤ちゃんが泣かなくても心配しすぎないで
今回のアンケートや佐藤先生への取材の結果、赤ちゃんがあまり泣かなくても心配しすぎることはないということがわかりました。
赤ちゃんが泣かなかったとしても、とくに発達に問題がない確率の方が高いといえそうです。
初めての育児だと不安になるかもしれませんが、心配しすぎず、泣かないのは赤ちゃんの個性だと思って接してあげましょうね。
※ アンケート概要
実施期間:2018年12月10日
調査対象:アプリ「ninarubaby」を利用中のママ
有効回答数:116件
収集方法:Webアンケート
取材協力:佐藤文昭
臨床心理士
おやこ心理相談室 室長。カリフォルニア臨床心理大学院臨床心理学研究科 臨床心理学専攻修士課程修了。米国臨床心理学修士(M.A in Clinical Psychology)。精神科病院・心療内科クリニックの医療現場や群馬県スクールカウンセラーの教育現場での臨床経験を生かし、幼児・児童、思春期から成人に至るまで幅広い問題を扱っています。精神分析的心理療法を中心として、心理検査、知能検査なども実施。また、個人だけではなく、家族というより広い視野を持って取り組んでいます。