まだ話せない赤ちゃんの意思表示はもっぱら「泣くこと」。そんな赤ちゃんの泣き方の違いで、病気なのか、おむつを替えてほしいのか、機嫌が悪いだけなのかなど、泣いている理由がわかったら、安心ですよね。
そこで今回は、赤ちゃんの泣き方の違いで、赤ちゃんが泣いている理由がわかるのか、もしわかるなら、どういう泣き方のときに気を付けたほうがいいのかなどを、ninaru baby編集部が小児科医の先生に聞いてみました。
【そのギモン、私が答えます】
小児科/高座渋谷つばさクリニック武井 智昭
日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギー科を担当しています。感染症・アレルギー疾患、呼吸器疾患、予防医学などを得意とし、0歳から100歳まで「1世紀を診療する医師」として診療を行っています。
赤ちゃんの泣き方で泣いている理由がわかる?
ー赤ちゃんの泣き方の違いで「お腹が痛い」や「おむつを替えてほしい」、「楽しくない」など、泣いている理由を特定することはできるのでしょうか?
武井先生
うーん…。赤ちゃんの泣き方の違いだけで、確実に「これだ」と原因を特定するのは、かなり難しいと思いますね。
ーでは、注意したほうがいい泣き方というものはあるのでしょうか?
武井先生
注意したほうがいいのは、赤ちゃんが悲鳴に近いような、声が甲高い泣き方をする場合ですね。
ーこの泣き方のときは、なんで注意したほうがいいのでしょうか?
武井先生
悲鳴に近いような泣き方をする場合、赤ちゃんは相当な痛みや不快感を感じているはずなんです。そのため、体のどこかが痛かったり、吐きそうだったりなど、体の不調を伝えようとしてくれている可能性があります。
赤ちゃんの泣き方が甲高い声のとき、他に見るべきところは?
ー赤ちゃんの泣き方が悲鳴に近いような甲高い声の場合、声以外にチェックするべきところはありますか?
武井先生
泣き方や声以外に、赤ちゃんの体に何か症状が出ていないかを確認しましょう。
ー例えば、どのようなことが考えられるでしょうか?
武井先生
赤ちゃんの顔色が悪かったり、吐いたりする場合は、お腹の病気の可能性があります。また、赤ちゃんがしきりに耳をいじったり、気にする様子があれば、中耳炎の可能性もあります。中耳炎は大人でも痛いので、赤ちゃんの場合、相当な泣き声になることが多いですよ。
ー赤ちゃんの泣き方は、痛みが強ければ強いほど、派手になるんですか?
武井先生
そうですね。赤ちゃんの泣き方は痛みに比例すると考えてもいいでしょう。そのため、「いつもと違う泣き方だな」と感じた時点で、赤ちゃんの体に異常がないか、確認することをおすすめします。
赤ちゃんの泣き方がいつもと違うときは、体をくまなく調べよう
赤ちゃんの泣き方だけで、「これが原因で泣いている」と、その理由を特定することは難しいようです。
しかし、赤ちゃんの泣き方は痛みや苦しさに比例することが多いため、体調が悪いときには、いつもと違う泣き方になることが多いということがわかりました。
もし赤ちゃんの泣き方がいつもと違う場合には、まず、体に異常がないか、確かめてみましょう。そして、顔色が悪かったり、湿疹があったり、耳をよく触っているなどの様子が見られたときには、病院を受診することをおすすめします。