ベビーカーって何から調べたらいい?初めての人に知ってほしい15のこと。

そろそろベビーカーを買おうかなと考え始めたあなた。「ベビーカーを選ぶときに一体何を気にしたらいいの?」「ベビーカーのことなんて何も分からない…」と思っていませんか?

そこで今回は、ベビーカーについて情報収集をしているあなたに、特に初めて購入するベビーカーとして選ばれる「A型ベビーカー」について、購入前にまず知ってほしい15のことを解説します。

1. ベビーカーの種類

A型ベビーカー 表 修正版

まず、ベビーカーには「A型」と「B型」の2種類があります。主な違いは、適応月齢・リクライニングできる角度・ハンドルの向きです。

日本国内のベビーカーは、ベビーカーの安全性を担保するために設けられた「ベビーカーのSG基準」(※1)にのっとり、「A型」「B型」と表記しています。

適応月齢に関してはSG基準をもとにして、それぞれの主な違いをご紹介します。

A型ベビーカーの特徴A型ベビーカーは、生後1ヶ月から使用することができます。赤ちゃんを寝かせた状態で乗せられるよう、シートをフルフラットにできるのが特徴。ハンドルの向きを対面・背面に切り替えられるものも多くあります。
B型ベビーカーの特徴B型ベビーカーが使えるのは、赤ちゃんの腰が座る生後7ヶ月頃から。A型ベビーカーと比べてコンパクトで軽量な商品が多く、持ち運びに便利ですが、ハンドルの向きは基本的背面のみ。リクライニングができるタイプとできないタイプがあります。

多くのママたちは、最初にA型ベビーカーを購入し、赤ちゃんとのお出かけの機会が増えてベビーカーを持ち運ぶようになると、軽量でコンパクトなB型ベビーカーに切り替えています。

なかには、赤ちゃんの腰が座るまでは抱っこ紐でお出かけをし、A型ベビーカーの購入をせずに初めからB型ベビーカーを購入するケースも少なくありません。

しかし、そうしたママのなかにも「体重が軽い時期とはいえ、長時間のおでかけにはベビーカーがあった方が楽だった」という声があるのも事実。A型・B型を兼用できるタイプもあるので、検討してみてくださいね。

2. ベビーカーのタイヤの数

ピジョン ベビーカー

▲(左)三輪ベビーカー/(中央・右)四輪ベビーカー

一般的なベビーカーは四輪ですが、最近は三輪のベビーカーの種類も増えています。

四輪のベビーカーは4本の足で支える安定性がメリット。その分、タイヤを軽量化しやすいので、コンパクト・軽量なベビーカーに採用されることが多いかもしれません。特に、日本製のベビーカーは4輪タイプが多いのが特徴です。

三輪のベビーカーは走行性と安定性の良いものが多く、小回りもきくため、ベビーカーの押しやすさを重視するママたちに支持されています。また、「見た目もかっこいい!」と、三輪のベビーカーはデザインの面でも人気ですよ。

主に海外製ベビーカーで三輪を採用していることが多いですが、近年は日本製の三輪ベビーカー作られていて、シェアを伸ばしつつあります。

3. ベビーカーの重量

アイキャッチ使用済み ベビーカー 虫除け 赤ちゃん 家族

A型ベビーカーの重さを判断する目安となるのが約5kgと言われています。

5kgよりも軽い場合、そのベビーカーは「軽量タイプ」でしょう。ベビーカーを折りたたんで持ち運ぶ機会が多いママにおすすめですよ。ただし軽さを重視している分、走行性や安定性、赤ちゃんの乗り心地が気になることも。

5kgよりも重い場合、赤ちゃんを抱っこした状態でベビーカーを持ち運ぶのが結構大変です。しかし、その分安定しているため走行性がよいベビーカーが多いので、ベビーカーの押しやすさを優先したいママにおすすめですよ。

海外製のベビーカーは10kgが目安といわれていて、10kg以下であれば軽量と判断されることもあります。

海外製のベビーカーと日本製のベビーカーでは「軽量」の捉え方が異なるので、軽量ベビーカーが欲しいと考えている場合は、何を目的に軽量を選ぶか考えおくと良いですね。

海外製の中でも軽量が良いのか、とにかく持ち運びを目的に軽量が良いのか、選ぶポイントが見えてきますよ!

4. ベビーカーの大きさ

joie ベビーカー

日本製のベビーカーは、コンパクトさを重視して作られる傾向にありますが、海外製のベビーカーはかなり大きい商品が多いので、サイズを確認することをおすすめします。

公共交通機関を利用する可能性がある場合は、改札を通れる横幅かどうかも確認しておくと良いでしょう。

ベビーカーの大きさは、必ず折りたたんだときのサイズの確認も忘れずに!折りたたんでも意外と大きく、収納場所に困ったり、車に載せられなかったりするケースもあるので、必ずチェックしてくださいね。

5. ベビーカーのハンドルの向き

ピジョン ベビーカー ランフィ

▲(左)背面/(右)対面

A型ベビーカーには、対面と背面に切り替え可能なタイプと背面式のみの2種類があります。

対面式なら赤ちゃんの様子が見えるので、安心して赤ちゃんをベビーカーに乗せられるでしょう。特に月齢が低い時期に便利です。

背面式は、赤ちゃんが外の様子を眺めることができるのがメリットです。色々なものに興味を示しはじめた時期に、たくさんの景色を見せてあげることができます。

A型ベビーカーの多くは、持ち手の向きを変えることで、簡単に対面・背面の切り替えが可能。しかしこのタイプを購入する場合は、タイヤの動きも要チェックです。

タイヤの向きが対面と背面で切り替わらない場合、背面のときは押しやすいのに、対面にすると押しにくくなるものもあるので、対面・背面の両方でベビーカーを押してみることをおすすめします。

向きに合わせてタイヤが自在に動くタイプは、メーカーによって「オート4輪」「4キャス」と呼ばれています。購入時にチェックしてみてください。

6. ベビーカーのブランド

バギーエクササイズ 晴れ ベビーカー

日本製のベビーカーの二大ブランドは、「コンビ」と「アップリカ」です。ベビーカー売り場に行ってみると実感すると思いますが、この2ブランドの商品が売り場の多くを占めています。

とにかくベビーカーの種類が多く、どこでも購入がしやすい一方で、他の人とベビーカーがかぶることも多いのが二大ブランドの特徴です。人と違うベビーカーが欲しい場合は、別のブランドをおすすめします。

最近は、ベビー用品ブランドとして有名な「ピジョン」のベビーカーも、ママたちの間で人気になりつつありますよ。

海外のベビーカーは、「サイベックス」や「バガブー」「ストッケ」などのブランドが有名です。海外ブランドのベビーカーは、主に百貨店やネットで購入できます。

おしゃれなデザインも多いので、「他の人と被りたくない!」「おしゃれなベビーカーが欲しい!」という人は、海外ブランドのベビーカーを検討しても良いかもしれません。

7. ベビーカーの走行性

ジープ jeep ベビーカー

ベビーカーの走行性(押しやすさ)で重要になるのが、ベビーカーのタイヤです。

径が大きいタイヤ、またサスペンション(衝撃吸収)つきのタイヤの方が、デコボコした道でもベビーカーを押しやすいですよ。

海外はガタガタとした石畳を走行することを前提としているため、海外製のベビーカーは段差に強いものが多い傾向にあります。

また、日本製のベビーカーの多くはダブルタイヤですが、海外製のベビーカーが採用しているシングルタイヤの方が、小回りが利きやすいなど走行性に優れていると言われています。

ベビーカーの押しやすさに関しては、実際に押して確認することをおすすめします。また、子供が乗っている状態と、乗っていない状態では走行性が変わってくるので、試す場合は必ず重さをプラスしてくださいね。

8. ベビーカーの折りたたみ方

ピジョン ベビーカー ランフィ

日本製のA型ベビーカーの多くは、ワンタッチで簡単に折りたためます。ハンドル部分のロックを解除して引き上げることで、すぐに半分に折りたたむことができます。

ハンドル部分が持ち手になるものも多いので、赤ちゃんを抱っこしながらベビーカーを持ち運ばなければならないママに便利ですよ。

上の写真のように、折りたたむとスリムになり、自立するベビーカーなら、外出先で置き場所を探す必要もありません。

9. ベビーカーの収納

ベビーゼン ヨーヨー ベビーカー

A型ベビーカーの座面下には、B型ベビーカーと比べて大きめの収納スペースがあります。

ベビーカーフックを使用することもできますが、あまり重いものをハンドルに掛けると転倒の危険があるので、基本的にはベビーカーのカゴに荷物を収納しましょう。

赤ちゃんとお出かけするときは、どうしても荷物が多くなるので、ベビーカーの収納も要チェックです!

10. ベビーカーの幌(ほろ)

ピジョン ベビーカー ランフィ

ベビーカーの幌(ほろ)は、特に夏のお出かけのときに気になるポイントです。商品によって「キャノピー」とも呼ばれています。

赤ちゃんを直射日光や冷たい風から守るために、ベビーカーの幌を閉めることが多いので、幌がどこまでカバーできるのかチェックしましょう。

また、幌を閉めてしまうと赤ちゃんの様子を見ることができないので、幌にのぞき窓が付いているものがおすすめですよ。

11. ベビーカーのハンドルアジャスト

joie ベビーカー

ベビーカーのハンドルの長さを調節できる商品もあります。

パパとママで兼用する場合、ハンドルの位置が自分の身長に合わないと、ベビーカーを長時間押すときに体に負担がかかってしまいます

ママだけでなく誰かと兼用することが多い場合は、ハンドルの長さを調節できるものがおすすめです。アジャスト機能がついている分、重さがプラスされることもあります。

12. ベビーカーの乗り心地

ピジョン ベビーカー

ベビーカーを選ぶときに忘れずに気にして欲しいのが、赤ちゃんの乗り心地です。

きちんと舗装された道路であっても、ベビーカーの振動は赤ちゃんに伝わってしまいます。タイヤのサスペンションを重視したベビーカーは、振動が抑えられて赤ちゃんが快適に過ごせますよ。

タイヤのサスペンション機能だけでなく、衝撃を吸収するシートや、赤ちゃんの顔まわりに柔らかいクッションを採用しているなど、赤ちゃんの乗り心地を重視したベビーカーは多いので、チェックしてくださいね。

13. ベビーカーの価格帯

日本製のベビーカー相場 2万円〜6万円
海外製のベビーカー相場 5万円〜10万円

上記が日本ブランドと海外ブランドのA型ベビーカーの相場です。価格帯を見ると、育児用品の中でもベビーカーは高額な商品であることが分かると思います。

海外ブランドの場合はさらに高額で、日本ブランドよりもプラス2万円〜3万円の価格です。ベビーカーを購入する前に、予算を決めておくことをおすすめします。

14. ベビーカー選びで後悔したこと

先輩ママたちに「そのベビーカーを購入して後悔したこと」についてアンケート(※)を実施したところ、特に多かった回答は次の3つでした。

ベビーカー選びで後悔したポイント

1位:使ってみると重い・大きい
2位:走行性がイマイチだった
3位:デザインが気に入らない

圧倒的に多かったのは、「実際に使ってみると重かった」「意外と大きくて車に積めない」という回答でした。

ベビーカーの走行性については「段差に弱くて困っている」という回答が目立ちました。小さなタイヤは段差に弱いので、デコボコした道や段差の多い道を通るのであれば、ベビーカーは走行性を重視した方が良いでしょう。

デザインについては、「他の人も使っているから変えたい」「海外製の方がおしゃれ…」という声が多数。ベビーカーを使うママがお気に入りのデザインが見つかるといいですね。

15. ベビーカーを使うシーンをイメージ!

ベビーカー ママ

ベビーカー選びで後悔しないために、まずはベビーカーを使うシーンをイメージすることをおすすめします!

なぜなら、ベビーカーを使うシーンによって、選ぶときに重視すべきポイントが異なるからです。

ベビーカーをたたむシーンが多い

  • 電車やバスなど、公共交通機関を利用する
  • 最寄駅にエレベーターがない
  • 自宅が2階以上で階段を使う必要がある

こうした環境でベビーカーを使う場合は、「軽さ・コンパクトさ」を重視しましょう。

走行性を重視した6kg以上あるベビーカーを使うことは、かなり不便です。赤ちゃんを抱っこした状態でベビーカーを運ばなければならないので、重さや大きさは重要なポイントですよ。

ベビーカーをたたむシーンが少ない

  • ベビーカーを利用するのは徒歩圏内のみ
  • 遠出する場合は必ず車を使う
  • エレベーターがあるので折りたたむ場面がない

この場合は、「ベビーカーの走行性や赤ちゃんの乗り心地」を重視するのがいいでしょう。ベビーカーを押している時間が長い場合、ストレスなくベビーカーを押せることが大切ですよ。

ベビーカーは、機能が多くなればなるほど重くなり、値段も高くなります。そのため、べビーカーを選ぶときは、「誰が、どんなシーンでベビーカーを使うことが多いのか」を考えるのが最も大切なポイント!

まずは絶対に譲れない点を決めてから、その他のポイントの優先順位を決めてベビーカーを選びましょう。

後悔しないベビーカー選びを!

この記事を書いている私自身、最初は一体どんな基準でベビーカーを選べばいいのか検討もつきませんでした。

しかしベビーカー売り場の店員さんや、先輩ママに聞いて分かったのは、ベビーカー選びで重要なことは、ベビーカーを使う状況をイメージすること。そして、優先順位をつけること

ぜひベビーカー売り場でたくさんの商品を実際に触ってみて、納得のいくベビーカーを探してくださいね。後悔しないベビーカー選びに、この記事が参考になれば幸いです。

※ アンケート概要
実施期間:2019年4月24日〜4月26日
調査対象:赤ちゃんをもつママ
有効回答数:437件
収集方法:webアンケート


石川 瑛子

石川 瑛子

いしかわ ようこ

「こそだてハック」「ninaru baby」編集者2年目。大学時代はノルウェーに留学し、北欧の教育や子育て政策、ジェンダーについて研究していました。趣味は写真を撮ること。旅行先には欠かさず一眼レフを持っていきます。
https://eversense.co.jp/member/ishikawa-yoko

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