近年、多発している自然災害。その影響からか、消毒のいらない「使い捨て哺乳瓶」が注目を集めています。しかし、避難生活が長くなった場合、ストックしていた使い捨て哺乳瓶がなくなってしまったり、そもそも使い捨て哺乳瓶がないことも考えられます。
そこで今回は、哺乳瓶がない場合に、赤ちゃんにミルクを飲ませる代用方法をご紹介します。
哺乳瓶がないときにミルクをあげる方法
普段は母乳育児でも、災害時の避難生活でママが体調を崩して、母乳が出なくなる可能性もないとは言い切れません。
また、避難生活が長引いた場合、用意していた使い捨て哺乳瓶が足りなくなる可能性もあります。そんなとき、どのようにミルクをあげたらいいのでしょうか。
現役助産師の河井恵美さんに哺乳瓶がないときのミルクの飲ませ方について伺いました。
Q. 哺乳瓶がない場合、どのようにミルクをあげればいいでしょうか?
河井さん
哺乳瓶がない場合は、使い捨てのコップやスプーンなどでミルクを与えることが可能です。また、子供用のシロップ薬を飲むときについてくる小さいカップは、カーブが小さく、一気にミルクが口に流れ込まないので使いやすいですよ。
Q. コップやスプーンでミルクをあげるときのコツはありますか?
河井さん
哺乳瓶以外からのミルクは、あげ慣れていないと、赤ちゃんもあげる側も難しいもの。抱っこする人と与える人で分担するといいでしょう。
Q. コップやスプーンでミルクをあげるときの手順を教えてください。
河井さん
赤ちゃんを縦抱きにし、
1. コップ(スプーン)を下唇に当てて、コップの縁が上唇に当たるようにする
2. コップを傾け、唇にミルクを触れさせる
3. 赤ちゃんが飲むのを待つ
のようにすると飲ませやすいですよ。
有事のときに備えて、使い捨て哺乳瓶以外に用意すべきものは?
コップやスプーンでミルクを飲ませることもできますが、やはり、使い捨ての哺乳瓶を用意しておくのがベスト。
万が一に備えて、使い捨て哺乳瓶のほかに用意しておいたほうがいいものを、河井さんに聞きました。
Q. 哺乳瓶ユーザーのママが用意しておくべきものはなんですか?
河井さん
備えておくものとしては、使い捨て哺乳瓶のほかに、
● 赤ちゃん用の水
● 液体ミルク
などがあるといいでしょう。
赤ちゃん用の水
ママに意外と多い勘違いが、「ミネラルウォーターなら煮沸しなくても大丈夫だろう」ということ。しかし、商品によっては、赤ちゃんの体に負担がかかる量のミネラルが含まれていることもあります(※1)。そのため、ミネラルウォーターも一度沸騰させないと湯冷ましとしては使えません。
しかし、赤ちゃん用の水ではミネラルや不純物が取り除かれていたり、すでに加熱殺菌されていたりするので、そのまま湯冷ましの代わりとして使うことができますよ。
▼和光堂 ベビーのじかん 赤ちゃんの純水
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- 1,140円(2L×6本セット)
液体ミルク
2018年8月に法令が改正されて、製造・販売が解禁された乳児用の液体ミルク。開封してすぐ飲ませられることから、海外からの支援物資として届いた液体ミルクは、近年の災害時にも活躍しました。
値段も粉ミルクに比べると高価ですが、もしものときのために、何本かストックしておいてもいいかもしれませんね。
使い捨て哺乳瓶は多めにストックが基本!
ここまで哺乳瓶の代用方法などをご紹介してきましたが、ベストなのは有事の際に備えて使い捨て哺乳瓶をある程度ストックしておくことです。
哺乳瓶の代用方法として紹介した、紙コップやスプーンでの授乳は、赤ちゃんによっては嫌がる子もいます。
使い捨て哺乳瓶は消毒の必要がないため、旅行などで使うママもいます。多めにストックしておいてもいいかもしれませんね。
取材協力:河井 恵美
かわい えみ