「可愛いけれど大変さは2倍」と言われる双子育児。赤ちゃんを1人育てるのも大変なのに、「同時に2人も育てるなんてどうしたらいいの…?」と思うママもいるのではないでしょうか。
そこで今回は、双子育児の日常を綴った育児漫画ブログ「続々ピカ待ち☆ふたご絵日記」が大人気のpikaさんに、双子育児のリアルを徹底取材!
pikaさん流の双子育児を乗り越えるコツや工夫を、可愛いイラストと共にご紹介します。
双子育児のリアル①
授乳はあぐら乗せスタイルが楽!
ー 早速ですが、pikaさんはどのようなスタイルで授乳をしていましたか?
早産だった双子は生まれてすぐは体が小さく、ミルクを飲むのがやっとで、母乳を直接は吸えない状態でした。
低月齢のころは私が1人ずつ順番に飲ませるか、人の手があるときは誰かもう1人に授乳してもらっていました。
そのうち、授乳クッションやタオルをもちいた自動授乳(タオル乳、セルフ授乳などともいいます)もするようになり、自分1人のときでも慌てずに対応できるようになっていきました。
母乳を直接吸えるようになってからは、片方を直母し、もう片方は哺乳瓶を支えながら飲ませる、というスタイルを好んでしていました。
2人とも哺乳瓶のときは、自分のあぐらに2人を寝かせる「あぐら乗せ」スタイル。これだと、授乳クッションなども必要なく、楽な姿勢で2人同時に飲ませることができるので、双子のお母さんにぜひおすすめしたいです!!
ー 双子の授乳について、忘れられないエピソードはありますか?
生後8ヶ月頃になると、2人が自分で哺乳瓶を持てるようになりました。そのときに、「自分で持てるようになると、授乳ってこんなにラクなんだ…!!」と感動したのを覚えています。
双子の授乳に革命がおこった瞬間で、今でも忘れられません。
ー 双子の授乳で役に立ったアイテムはありますか?
双子の授乳には、次のようなアイテムが役に立ちました。
● ピジョンの電動さく乳器
● 搾乳保存用の哺乳瓶ぶた
● 母乳の冷凍パック
● タオルとゴム紐(哺乳瓶を固定する用)
● 50mlの計量スプーン
● マグボール
ミルクをかなり使用していたので、メーカーからもらえる50mlの計量スプーンは調乳時に大変助けられました。
はじめの3ヶ月は、母乳の出を維持するために搾乳を続けていたのですが、電動搾乳器のおかげで腱鞘炎にならずに、楽に搾乳ができました。ピジョンのものはコスパもよく、1万円以下で買えるので、おすすめです。
搾乳した母乳は、はじめは冷凍パックに入れて冷凍保存していましたが、そのうち搾乳した哺乳瓶にそのまま保存用の蓋をつけて冷蔵して、直接飲んでもらうやり方に移行しました。
また、2人には早くから自分で哺乳瓶を持って飲んでもらいたいと思っていたので、マグボールという哺乳瓶を持ちやすくする商品も役立ちました。
双子育児のリアル②
ぐずったときは電動スイングラックが大活躍
ー 2人がぐずったときは、どのように対応していましたか?
まず、先に泣いた子をあやすようにしていました。同時に泣いたときは、1人を電動スイングラックに乗せ、もう1人を抱っこしてあやしました。
低月齢期はあまりお互いの存在に関心がなかった2人でしたが、半年を過ぎる頃からお互いの泣き声で起きてしまうことも増えたので、1人が泣き始めたら別室へ移動してあやす場面も増えました。
ー 2人が同時に泣いてしまうのは大変ですね…。
そうですね…。
何をしても泣き止まないときは、もうなすすべがなく。開き直って、2人同時に大泣きしている様子をスマホのカメラで動画撮影することもありました…。
双子育児のリアル③
2人を交代でお風呂に…毎回体力勝負!
ー 2人をお風呂に入れるときは、どんな方法で入れていましたか?
お風呂の脱衣所にバウンサーを2台用意して片方を待機させ、お風呂のドアを開けっぱなしにして、待ってる子の様子も見ながら1人ずつ入れました。
このとき、浴室暖房を強めに設定して、寒くないように対策しました。
お友達の双子ママさんは、「別の時間に1人ずつ入れるほうが楽」と言っていたので、同じ時間に2人を交代で入れるのが楽か、別の時間に1人ずつ入れるのが楽かは、人によるのではないかと思います。
ただ、双子の赤ちゃんをお風呂に入れるのは、体力的・精神的に負担が大きいことに変わりはないかもしれません。
ー 毎日大変なんですね。ママと3人でお風呂に入れるようになったのは、いつ頃からですか?
3人同時に入れるようになったのは、子どもがつかまり立ちをし始めた1歳2ヶ月頃からです。
湯船にフタをし、洗い場でつかまり立ちで遊ばせている間に自分の体を洗います。
全員が洗い終わったら2人を抱っこして湯船につかり、同時にお風呂から上がります。
2人が転落しないように湯船にフタをし、温まっている浴室に2人を待たせておいて、まず自分の体をさっと拭きます。
それから1人ずつ体を拭いて、パジャマを着せていくのですが、順番があとの子は待っている間に自由に動き回ってしまって、洗い場の床の水たまりをすすっていたり、寝転がっていることもありました。
大人しく待っていてくれませんでしたが、「もう、いいか…」と、逆に親の免疫がつきました(笑)。
ー 双子をお風呂に入れるときに役立ったアイテムはありますか?
お風呂に入れるときは、主に次のようなアイテムが役立ちました。
● ベビー用のバスチェア
● 吸水ヘアターバン
● 電動スイングラック
低月齢の頃は、ベビー用のバスチェアに乗せて洗って、そのまま寝かせておけるので便利でした。
また、お風呂上がりはゆっくり自分のことをする時間が取れないので、吸水ヘアターバンを頭に巻いて、一時的にしのいでいました。落ち着いてから、ドライヤーをしていました。
電動スイングラックは、赤ちゃんの体重が8kgにさしかかった生後6ヶ月頃に、体重オーバーで動かなくなってしまいました。ですが、その後も赤ちゃんのお風呂上がりのお世話台として、バウンサー代わりに愛用しました。
かがまずにお世話ができるので、腰に負担がかからず楽でした。
双子育児のリアル④
お出かけ時はとにかく話しかけられる
ー 双子とのお出かけで大変なことは何ですか?
双子を連れて歩くとかなり高い確率で誰かしらに話しかけられたので、急いでいるときはなかなか目的地にたどり着かず大変でした。
老夫婦に呼び止められ、「ありがたや~寿命がのびた~」と拝まれたときはさすがに苦笑しました(笑)。
ー 双子とのお出かけだと、お出かけ用の荷物も多そうですね。
2人とも混合育児だったので、2人分の哺乳瓶や着替えを持ち歩くと、ちょっとしたお出かけでも一泊旅行なみの荷物量になるのが大変でした。
乳児期は減らせるものがなかったので、大きめの旅行バッグに荷物をつめて、車に積んで移動する必要がありました。
成長して授乳や離乳食グッズを持ち歩かなくなると、少しずつ荷物も減りました。
着替えとおむつだけを持ち歩くようになると、食品保存用に売っているチャックのついたビニール袋(IKEAの物がかわいい)に着替えを1人分ずつ詰め、なるべく空気を抜いてぺたんこにして持ち歩きました。
近場へのお出かけでは、2人同時に服を汚すということも少ないので、共用のお着替えを1人分だけ持ち歩くようにしていました。
ー 近所の公園にお出かけするのも大変でしたか?
そうですね。
2人が別々のものに興味を示したり、遊具などに別方角から登り始めてしまったりするので、私1人では見ることができないことも。大きな遊具があるところには、他の大人もいるときにしか連れて行ってあげられませんでした。
2人がある程度、言葉を理解して行動に移せるようになるまで、私1人で双子を連れて出かけるのはなかなか難しくて、健診や予防接種のとき以外はほとんど家の中に閉じこもっていました…。
ただ、2歳くらいの双子連れでも、もっとアクティブに活動されているママさんもいるので、このあたりは私の心配性な性格が大きいかもしれません。今思うと、「為せば成る」で、もっと挑戦してもよかったのかなと。
でも、当時は体力・気力ともにいっぱいいっぱいだったので、あんまり「外に出よう」という気持ちにはなりませんでした。
双子育児のリアル⑤
寝かしつけは生活リズムを整えるのが1番
ー 双子の寝かしつけで大変なことは何ですか?
1人を寝かしつけても、もう1人が起きてしまう、「双子の交代制あるある」というのがあり、ずいぶん苦しめられました。
片方の子は寝つきがよく、もう片方の子は寝つきが悪かったので、寝つく時間にどうしても時間差が生まれてしまい、母だけが休めずずっと起きていなければならないのが大変でした。
ー 寝かしつけのコツはありましたか?
乳児期は、2人が同時に寝てくれるように、とにかく生活リズムを整えることを頑張っていました。
朝寝は寝かし過ぎないように30分で切りあげる、ミルクのタイミングを合わせるなど、毎日同じリズムで生活するよう心掛け、同時にお昼寝にもっていけるようにしました。
夜も昼も交代で寝られてしまうと自分の時間がなくなってしまうので、まずは昼寝を同時にしてくれるようにリズムを整えました。そうすると、昼寝の時間に一息つけるようになるので、ずいぶん楽になります。
双子育児のリアル⑥
毎日大変…でも双子育児はとても楽しい!!
ー これまでのお話で双子育児の大変さが分かりましたが、双子ならではの良いところは何ですか?
2人を見ていると、同時に育つからこそ、それぞれの良さがよく分かると感じることはあります。2人いることで、それぞれの個性に気づくことができます。
また、小さい頃は2人とも同じような発達度合いで、首すわり、はいはい、たっちなどが周りよりも1~2ヶ月くらい遅れて発達していきました。双子は早産であることが多く、発達がゆっくりなことがあるんです。
もし子供が1人だけだったら「自分の子だけ遅いのは何かあるのでは…」と心配になっていたかもしれませんが、2人ともがそうだったので、逆に大丈夫だという安心感がありました。
うちの子たちは3年くらいかけてゆっくり周囲に追いつき、今では同学年の子となんら変わりありません。
ー双子育児をしていて、楽しいことは何ですか?
双子ならではの面白い光景が見られることが楽しいです。
うちの場合、寝相は常にシンクロしています。乳児期は、同時に泣きはじめたり、逆に同時に泣き止んだり、同時におならやゲップをしたり、という偶然もありました。
1歳頃からは、トイレのタイミングがばっちり一緒で、あちらで力み始めたと思ったらこちらも力み始めたり、さっきおむつをかえたと思ったら、すぐまたもう1人がうんちをしたり…ということがよくありました。
大きくなってからもこの習慣は変わらず、同時にトイレ(大)に行きたがるため、なかなか予備のオマルを捨てることができません。
本当に秒単位で同時にもよおすこともあり、「さすが同じ卵(受精卵)から生まれただけあるなあ」と、よく思います。
双子育児をするママたちへメッセージ
ー 最後に、双子育児をするママたちへメッセージをお願いします。
「育てたこともない赤ちゃんを、2人同時に育てられるのだろうか」と、正直、私も産む前はかなり不安でした。
2人が生まれてからは、体力的・精神的に辛い日もたくさんありました。
ただ、子どもは確実に大きくなり、育児の大変さは、どんどん質が変わっていきます。
「今大変なこと」は、ずっとは続かない。
それを知っておくだけでも、ずいぶん心構えがちがう気がします。
3歳を過ぎるとずいぶん楽。4歳は、ほぼ天使。
というのも、最近は「ママ、お腹痛いの治った?」など、こちらを気遣う発言がみられるようになり、愛情表現もさかんにしてくれるようになってきました。
2人はママっ子で、朝から晩まで「ママだいすきだよ~」「ず~っと、いっしょ!」と言ってくれます。
こんなに愛されるのは今だけかもしれない、と幸せを噛みしめています(笑)。
いたずらしたり、わざと悪いことをしたり、あまのじゃくなときも沢山ありますが、とても純粋でまさに天使。昔ほど手もかからないこともあり、ただただ可愛いです。
これから2人がどんな成長を見せてくれるのか、今はただ楽しみな毎日です。
pika
取材協力・イラスト
兼業お絵描きライター。お絵描きとパソコン、ものづくりが趣味。医療の仕事をする傍ら、4歳の双子男児を中心に、双子育児ブログ「続々ピカ待ち☆ふたご絵日記」、instagram(@futagoe)やtwitter(@pucchanPC)で、日々の育児のできごとをイラストや漫画で投稿しています。著書に、「ピカ待ち☆ふたご絵日記」「家族がよろこぶダンボール工作」など。