シンママFPが教える すこしずつお金と仲良くなる方法

【ママが知っておきたいお金の話】#2 貯金するために、まずやるべきことは?

この連載では、ママやパパに向けて「すこしずつお金と仲良くなる方法」をお伝えしていきます。FP(ファイナンシャルプランナー)の佐々木愛子さんに、シングルマザーとして苦労したご自身の経験を踏まえて、やさしく教えていただきましょう。


前回のお話はこちら↓
【ママが知っておきたいお金の話】#1 そもそもお金って貯める必要があるの?

【ママが知っておきたいお金の話】#1 そもそもお金って貯める必要があるの?

お金が貯められない人の2つの特徴

イライラ 悩む 女性

お金をうまく貯められない、または運用で増やすことができない人達は、多くの場合以下の2タイプに分類できます。

うまく貯められない人のタイプ1. 考えるより先に行動を起こすタイプ
2. のんびりタイプ

「考えるより先に行動を起こすタイプの人」は、何かを始めようと思ったとき、とにかく良いと言われたことをやる、何かを買う、契約する…動き出さなきゃ始まらない!という人。

「のんびりタイプの人」は、やろうと思いながら先延ばしにしてしまう人。

一見真逆のタイプに思えるかもしれませんが、共通しているのが「自分の行動を俯瞰(ふかん)できていない」ことです。若くしてママになった私も、当初は両タイプの繰り返しでした。

お金を貯められない原因は「人間の習性」

これは皆さん個人の問題というよりは、人間の習性。人間は、得意なことと苦手なことがある生き物なのです。お金について行動を起こしたいときはまず、この「人間の習性」について知ることから始めましょう。

人間の習性 1. 現在バイアス

ダイエット中、ドーナツ1個のカロリーを燃焼するのがどれほど大変なのか、理屈では知っているのに、我慢できずに食べてしまったこと、過去にありませんか?これは、人間が「目の前のできごとを優先しがち」という習性によるものです。

この習性は「現在バイアス」と呼ばれます。

「人は常に目の前にあることを優先してしまう」という認識をもって、自分の行動をコントロールする必要があります。

★現在バイアスとは?
将来の目標達成よりも目先のできごとを優先する傾向のことをいいます。やらなきゃいけないと分かっているのに後回しにしてしまったり、やってはいけないと分かっているのに目先のことに手を付けてしまったり。これはどちらも、目の前のことを優先している=「現在バイアス」の影響を受けているということになります。

人間の習性2. 継続できること/できないこと

人には「継続できること」と「継続できないこと」があるのを知りましょう。

継続できること◯ 楽しいこと
◯ 気持ちいいこと
◯ うれしいこと
継続できないこと◯ つらいこと
◯ 無理があること
◯ 我慢が必要なこと

前述のダイエット中のドーナツの一例は、現在バイアスに「我慢が必要」という状況が加わることで、目的からさらに遠ざかる行動(痩せたいけどドーナツを食べる)をとってしまうと考えられますね。

貯金は「手が届かないところ」で「楽しく」はじめよう

通帳 貯金
このような人間の習性を考えると、お金を貯めるのであれば以下2つのポイントが大切です。

お金を貯めるための2つのポイント◯ できるだけ手の届かないところで貯める
◯ 楽しく貯める

「できるだけ手の届かないところで貯める」のコツ

何よりも先に行うべきなのは、貯金用のお金を目の前から遠ざけるために、生活口座とは別に、預金口座や証券口座を開設することです。

普段の生活費とは切り離して管理することで、知らないうちに=勝手にお金が貯まっていきます。意外と簡単な方法だと思いませんか?これで、人間の習性の1つ目でご紹介した「現在バイアス」はクリアです。

「楽しく貯める」のコツ

「楽しく」には個人差があります。あなたはどちらのタイプでしょう?

どちらを「楽しい」と感じる?1. 毎月決まった金額が安定的にコツコツ積み上げられていく
2. ある程度リスクがあっても、金額が大きく増えていく

1番(コツコツ派)であればまずは銀行預金で十分ですし、2番(大きく増やしたい派)であれば投資信託を毎月定額で買い付けていくのが良いでしょう。

次回は現金とキャッシュレスの使い方!

次回は近年利用者が増えている「キャッシュレス決済」について。現金とキャッシュレス、どっちを使うのが賢いの…?日常生活で使えるアドバイスとともにお伝えします。お楽しみに!


佐々木 愛子

佐々木 愛子

執筆

ファイナンシャルプランナー(AFP)、証券外務員Ⅰ種 10代で妊娠・出産・結婚を経験。離婚後無一文で子育てをスタート。お金の知識がないまま若くしてママになったため、「出産一時金とは…?」「児童手当とは…?」と、何から何までわからないことだらけ。生活費や子供の教育費を稼ぎながら独学で金融について勉強し、保険会社勤務時代はリーマンショック直後500世帯以上と契約を結ぶ。独立系証券IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)を経験後、個人事務所設立。10代のうちから金融、経済について学ぶ大切さを訴え活動している。 佐々木FP事務所:https://fp-sasaki.tokyo.jp/