「ヒップシートキャリア」をご存じですか?
抱っこ紐の購入を検討している人であれば、一度はその名を聞いたことがあるかもしれませんね。
肩ベルトタイプ、腰ベルトタイプ、スリングに次ぐ第4の抱っこ紐ともいえるのがヒップシートキャリアです。持っている人がそれほど多くなく、「すごくいいとは聞くけど、実際のところどうなの?」と思っているママが多いのではないでしょうか?
そこで今回、BABY&Meのヒップシートキャリア使用歴1年の先輩ママ・Yさんに、1年使ってみた本音の感想を聞いてきました!購入を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
ヒップシートキャリアってなに?
ヒップシートキャリアとは、新しいスタイルの抱っこ紐のことで、その最大の特徴は「ヒップシート」の存在です。従来の抱っこ紐に椅子のような台座(ヒップシート)がついており、これに赤ちゃんを座らせて抱っこします。
数社の抱っこ紐メーカーがヒップシートキャリアを販売していますが、今回はその中でも特に人気の「BABY&Me」のヒップシートキャリアについてご紹介します。
BABY&Meのヒップシートキャリアは「ONE」シリーズと「ONE-S」シリーズの2ラインがあります。
BABY&Me「ONE」シリーズ
BABY&Meのスタンダードなモデルです。さらに「ONE ORIGINAL」「ONE LIGHT」「ONE SG」という3つのサブシリーズに分かれていますが、違いは生活防水の有無や本体の重さなどです。表面の生地は綿100%ですが、裏面などのそれ以外の部分にはポリエステルなどが使われています。
- カラーバリエーション:14種類
- 対象月齢:4〜48ヶ月
- サイズ:ウエスト114cmまで
- 価格(税別):18,500円〜
BABY&Me「ONE-S」シリーズ
「ONE-S」シリーズは基本的な部分は「ONE」シリーズと同じです。「ORIGINAL」「LIGHT」「SG」というサブシリーズがあるのも同様です。
「ONE」との違いは、ヒップシートの素材とサイズが異なること、肩ベルトが肩のラインによりフィットしやすいこと、そして、腰ベルトとバックルがつけやすいことです。
- カラーバリエーション:12種類
- 対象月齢:4〜48ヶ月
- サイズ:ウエスト114cmまで
- 価格(税別):19,500円〜
Yさんのヒップシートキャリア歴
Yさんはもともとエルゴベビーの「アダプト」を使っていたそうです。
しかし、長時間、使っていると肩が痛くなるため、お子さんが1歳になるちょっと前にBABY&Meのヒップシートキャリアに買い替えたとのこと。使い始めてからもうすぐ1年がたつようです。
Yさんが購入したのは「ONE」のロイヤルブルーです。後述するように、「メリット・デメリット両方ありますが、メリットがデメリットをはるかに上回っているので、初めて使って以来、夫婦ともども他の抱っこ紐は使えなくなるほど気に入っている」と言っていました。
【本音コメント】ヒップシートキャリアのここがすごい!
それでは、さっそくYさんの本音のコメントをご紹介します。ちなみに、我が家もヒップシートキャリアを愛用しており、私もYさんとほぼ同意見だったことに驚きました!
肩が痛くならない!
Yさん
もともと使ってたエルゴの抱っこ紐は肩が痛かったのですが、BABY&Meのヒップシートキャリアに買い換えたら本当に肩がラクで驚きました。
ヒップシートキャリアは赤ちゃんの体重のほとんどを台座が受け止める仕組みになっているので、従来の抱っこ紐に比べて、肩への負担がとても少なくなっています。
私も、エルゴを使っていたときは1〜2時間で肩が痛くなっていましたが、ヒップシートキャリアは半日程度抱っこしても痛くなりません。
赤ちゃんもラク!
Yさん
ヒップシートキャリアは台座があるおかげで、赤ちゃんの太ももがきつく締めつけられることが少ないような気がします。他の抱っこ紐に比べて、赤ちゃんがラクそうだから安心です。
ヒップシートキャリアは赤ちゃんが椅子に座っているようなものなので、太ももはそれほど締めつけられません。また、赤ちゃんとママの密着度がそれほど高くないため、使っていて苦しくなさそうに見えます。
腰ベルトの調節がラク!
Yさん
腰ベルトの裏面が面ファスナーになってるから、長さの調節が直感的にできてラクですね。
BABY&Meのヒップシートキャリアの腰ベルトは、裏面全体が面ファスナーになっていて、それで固定します。
バックルはあくまで補助的な位置づけです。そのため、腰ベルトのきつさを調節するために、いちいちバックルの長さを調節する必要がありません。
ヒップシート部分だけで使えるのも便利!
Yさん
赤ちゃんをちょっと抱っこしたいときは、ヒップシートだけを使うという利用方法も便利。片腕が自由になるから、抱っこしながらささっと何かできるのが嬉しいですね。
女性は腕の力が強くないので、赤ちゃんを抱っこするときは両手を使いますよね。でも抱っこしながら、少しでも家事や用事を済ませたい、と思うこともありませんか?
ヒップシート部分だけを使えば、赤ちゃんを片手抱っこしながら物をとったり、リビングテーブルの片付けをしたり、なんてことも可能になります。
前向き抱っこでお出かけが楽しい!
Yさん
抱っこして赤ちゃんに何かを見せるときは、前向き抱っこがおすすめです。水族館や動物園に連れて行ったときは、前向き抱っこのおかげで娘も大喜びでした。
前向き抱っこをすると、大人に近い目線で赤ちゃんが前を見ることができるので、赤ちゃんも喜びます。動物園や水族館、そのほかのイベントごとなどのときに、ヒップシートキャリアは大活躍しますよ。
赤ちゃんと密着し過ぎないから蒸れない!
Yさん
赤ちゃんと密着し過ぎないから、夏場でもあまり蒸れない気がします。
ヒップシートキャリアは他の抱っこ紐に比べて、赤ちゃんのお腹と背中に余裕がある気がします。
また、赤ちゃんの背中部分のチャックを開けるとメッシュになります。そのため、夏場でもそれほど抱っこ紐内が蒸れません。
ウエストポーチが便利すぎる!
Yさん
ウエストポーチに鍵やケータイを入れられるのがいいですね。抱っこしながらカバンの中を探るのは大変なので。
BABY&Meのヒップシートキャリアには、腰ベルトにウエストポーチが付いています。あまり大きなものは入れられませんが、家の鍵やスマホくらいであれば十分に入ります。
我が家で使っているヒップシートキャリアにも同じようなポケットが付いていますが、娘を抱っこして近所のコンビニに行くときに、財布を持たなくてすむので助かっています。
【本音コメント】ヒップシートキャリアのここが残念!
もちろんいいところばかりではありません。Yさんによれば、ヒップシートキャリアにはちょっと残念に感じるところがあるそうです。
肩がラクな分、腰が痛い
Yさん
赤ちゃんの体重を腰で支えることになるから、長時間使っていると腰が痛くなることがありますね…。
赤ちゃんの体重のほとんどをヒップシートで支えることになるので、肩がラクになった分だけ腰に負担がかかります。私も長時間使っていると、腰や下腹部が痛くなることがあります。
赤ちゃんがあまり寝てくれない
Yさん
赤ちゃんとの密着度が低いせいか、抱っこ中に寝るということが少ない気がします。
Yさんのお子さんは、エルゴで抱っこしているとほぼ確実に寝ていたそうですが、ヒップシートキャリアだとあまり寝てくれないとのこと。おそらく、密着度が低いからだと思われます。
また、購入してしばらくの間は、眠そうにしていて頭の置き場に困っているような仕草をよくしていたそうですよ。
大きくてかさばる
Yさん
シートがあるせいで小さくできなくて、かさばります。保育園の登園袋に入れるのも一苦労なんですよ。
ヒップシートは小さくたためないため、装着していないときはかさばります。例えば、ベビーカーのカゴに入れると、シートが邪魔をして折りたためなくなります。
赤ちゃんの頭で視界を遮られる
Yさん
私の背が低いせいか、赤ちゃんの頭で視界を遮られてしまいます。前を見るには横からのぞいたりする必要があることも。
通常の抱っこ紐は赤ちゃんを抱っこすると沈み込みますが、ヒップシートキャリアは台座があるため赤ちゃんがあまり沈み込みません。
私の妻(身長157cm)も、ヒップシートキャリアを使うと赤ちゃんの頭が顔に近い位置にくるので、視界を遮られてしまうことがあるようです。
ただし、これは使う人の体格や赤ちゃんの月齢によっても、感じ方は変わると思います。
ヒップシートキャリアは自信を持っておすすめできる抱っこ紐!
抱っこ紐の中では比較的高価ですし、それなりに不満な点はありますが、それでもYさんは「目の前に抱っこ紐を買おうとしている人がいたら、迷わずヒップシートキャリアをおすすめします」と言っていました。
その意見に私も同感です。肩が痛くならないというだけで、十分にお釣りがくる抱っこ紐だと思っています。
とはいえ、ここで紹介したメリット・デメリットは一個人の意見です。購入する前に必ず自分の目で確かめてくださいね。