登場人物
こぐまさん:こころやさしいこぐま。悩めるみつこの良きパートナー。スプーンがうまく持てない。
みつこ(28):日々の家事や育児に奮闘する悩める主婦。掃除は苦手だけど、ふきんの煮沸消毒がマイブーム。
はちろう(1):おっとりのんびりマイペース男子。こぐまさんの肉球はグミでできていると思っている。
第11話
作者のひとりごと
なんだか最近、特にこどもが生まれてから、物事の二面性についてよく考えるようになった。
例えば保育園で保育士体験をした時のこと(1日、保育士のように園児と過ごすイベントがあるのです)。
みんなで一緒に丸くなって歩いたり、音に合わせて動物の動きをしてみたり、そんな時間。
一人ぽつんと教室のすみにいる子。
先生が優しく誘っても絶対みんなの輪には入らない。
その子を見ながら私は心の中で、いいぞ、やりたくないことを無理にやらない姿勢、かっこいいぞ、なんて思っていた。
一般的には周りに合わせて行動できる子が良しとされる世の中。
自分の子が1人で教室のすみにいたら、なんだか心配になるのが親心だと思う。
でも、何事も裏を返せば悪いことばっかりじゃないんじゃないか。
二面性のことばかり考えているから、叱るべき(とされる)場面で叱れなかったり、世の中ではこういうのが正しいのよ、と伝えるのを躊躇してしまう。
だって正解なんてわかんないんだもん。
自分の偏った考えで間違ったことなんか教えたくない。
本当に大事なことは、こどもが自分で学んでくれるだろう…なんていうのは無責任だろうか?
とりあえず私が自信を持ってこどもに教えられるのは、ごはんをおいしく食べることと、ごはんをおいしく食べられる状態でいることが何より大事だよってことだけ。
それ以外何を伝えられるだろう。
模索する日々だ。
がじゅまる
作者