先輩ママ2500人に聞いた「母乳を増やすためにやったことすべて」

赤ちゃんを「できることなら母乳で育てたい」と希望するママは多いのではないでしょうか。
ですが、出産直後から順調に母乳が出るママは多くなく、試行錯誤しながらいろいろなケアを試す人も多いようです。

そこで今回は、アンケートに回答してくれた2,500人ものママが「母乳の出をよくするためにやったこと」をご紹介します。

多くのママが母乳が出なくて悩んでいた

母乳の出 悩み

「ninaru baby」でアンケート(※)を実施したところ、2,500人ものママが回答を寄せてくれました。それだけ、母乳に対するママの関心の高さが伺えます。

そして、予想より多くのママが、母乳の出が思わしくなく、悩んでいたことがわかりました。

母乳の出に悩んだ月齢
赤ちゃんも乳首を吸うのに慣れておらず、また、ママも産後の回復途中である新生児期に悩みが集中しています。

このグラフからもわかるように、生後1ヶ月が経つころには悩んでいる人も1/3に減少します。その後も、次第に悩みを抱える人が減っていくことがわかります。

この間に、母乳の出をよくするために、ママたちはどんなケアを試したり、どんな点に気をつけたのでしょうか。

多くのママが実践したケアや対策を、助産師の河井さんのアドバイスとともにご紹介します。

【第1位】
とにかく吸わせる/支持率79.5%

時計 夜中

産院や母乳外来でもアドバイスを受けることが多い、「とにかくたくさんおっぱいを吸わせる」が圧倒的に多い結果となりました。

生後1週間は母乳の出が思わしくなく、ミルクも足していました。乳首も切れ、体力的にも厳しかったけれど、とにかくおっぱいを吸わせるようにしていました。すると、次第におっぱいが出るようになりました。

まーたんママ

母乳の出があまりよくなく、ミルクを足しています。赤ちゃんも私もお互いに慣れていないので、「2人で練習してうまくなるぞ!」と思って、こまめに吸わせるようにしました。授乳回数は、生後1ヶ月くらいで落ち着いてきました。

こまちママ

助産師河井さん

助産師河井さん

赤ちゃんがおっぱいを吸う刺激で、母乳を出すホルモンが分泌されます。ホルモンが出る回数が多いほど、母乳を増やすのによいとされています。

【第2位】
水分をたっぷり摂る/支持率72.2%

水分補給

続いて多かったのが、水分補給でした。母乳を与えるとその分ママの体内から水分が失われるため、こまめな水分補給が必要になります。

水分を多く摂ることが大切だと思いました。意識して水分を摂るようにしないと、喉がすぐに乾いた気がします。「いつもよりたくさん水分を飲んだな~」って日は、おっぱいが張ってくる間隔が短い気がしました。

ねいママ

意外と忘れがちですが、水分補給は大切だと思います。水分をしっかり摂るようにしたら私の体調が安定し、その結果、母乳の出もよくなりました。

夜明け前ママ

助産師河井さん

助産師河井さん

母乳の成分の大半が水分です。水分補給はもちろん、食事のときにも汁物を摂るようにするとさらにいいですね。

【第3位】
乳首のくわえさせ方を見直す/支持率37.3%

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母乳相談や母乳外来などで、乳首のくわえさせ方のアドバイスをもらい、それ以来、母乳の出がよくなったという人もいました。

赤ちゃんが乳首をきちんとくわえられるようになることでしっかり吸えたり、乳首のトラブルが減ったりして、その結果、スムーズに授乳ができたようです。

乳首のくわえさせ方を見直しました!うちの子はおちょぼ口で吸っていたので、母乳外来で助産師さんに細かくアドバイスをもらいました。適切なくわえさせ方をマスターしたら、あっという間に悩みは改善しました。

Aママ

赤ちゃんが乳首を上手にくわえられていない様子だったので、母乳外来を受診して見てもらいました。アドバイスをもらってから、母乳の量が徐々に増えていきました。くわえさせ方って大事なんですね。

かごめママ

助産師河井さん

助産師河井さん

乳輪が見えなくなるまで(乳輪が大きい人は見えるか見えないか)、赤ちゃんができるだけ大きく口を開けて乳房を含めるといいですね。

【第4位】
おっぱいをマッサージする/支持率36.3%

おっぱい マッサージ

産院や母乳外来でマッサージのやり方を教えてもらい、実践している人が多く見られました。おっぱいの形は人ぞれぞれなので、専門家に教えてもらうほうが効果がありそうですね。

出産前からマッサージ方法を習っていたので、産後も続けました。やはり、効果があったように思います。

shizukaママ

授乳前に欠かさずおっぱいマッサージをしました。マッサージをすると赤ちゃんもくわえやすいようで、深くくわえられるようになりました。そのおかげか、乳腺炎にならずに済みました。

なみもりママ

助産師河井さん

助産師河井さん

母乳外来でやり方を教えてもらうといいですね。また、温めながらマッサージをするとさらに効果的ですよ。

【第5位】
赤ちゃんの抱き方を変える/支持率33.7%

赤ちゃん 抱っこ

利き手の都合で、やりやすい抱き方、やりにくい抱き方があるママが多いようです。

母乳外来でアドバイスをもらい、抱き方や赤ちゃんの顔の向きを変えることで赤ちゃんがしっかり吸えるようになり、母乳の出がよくなったという人もいました。

やりにくい抱き方には、授乳クッションが大活躍するようです。

抱き方を見直したことで赤ちゃんが乳首を深くくわえられるようになり、授乳がスムーズになりました。

つーママ

赤ちゃんが吸いやすい体勢、ママが吸わせやすい体勢の両方が大切だと思います。いい体勢を取れると、乳首をしっかりくわえられました

Bママ

助産師河井さん

助産師河井さん

うまく授乳できないと感じるときには、これまでと違う姿勢で授乳してみましょう。赤ちゃんがより深く吸い付けて、スムーズに飲めるかもしれませんよ。

もしかしてあなたに合うかも?番外編

今回のアンケートでは、実に多くのママからケア方法を教えてもらいました。

支持率こそ高くなかったけれど、少数のママから熱烈な支持を集めたケア方法をご紹介します。

とにかくよく寝る!寝て、寝て、寝まくる!

頻回授乳で睡眠不足に陥り、その結果、母乳の出が思わしくなくなったという人も珍しくありません。

母乳を搾乳しておいて旦那さんや家族に夜の授乳をお願いし、朝まで爆睡した!というママも。

「久しぶりに疲れが取れてスッキリしたら、おっぱいも元気いっぱい!」という声もありました。睡眠って、体力に直結しますよね。

甘酒を飲んで体力回復!

「飲む点滴」とも呼ばれる甘酒で体力が回復し、母乳の出がよくなったという人もいました。

ほんのりした甘さに癒されたママも多かったようです。

ただ、酒麹で作られた甘酒にはアルコールが含まれています。米麹で作られた甘酒が良いでしょう。酒麹で作られたものであればしっかり加熱して、アルコールを飛ばしてから飲むようにしてくださいね。

続いて、6位以下のケアを発表します!

【第6位】
食事内容に気をつける/支持率34.1%

食事 和食

食事内容と母乳の出についての関係性は解明されていませんが、多くのママが、「出が悪くなった食べ物」「出がよくなった食べ物」があると感じでいました。

私は食事の栄養バランスが偏ったり、洋食を食べ過ぎるとおっぱいの出が悪くなりました。それ以降、野菜たっぷりの和食を心がけたら出るようになりました。

まめじろうママ

乳製品と甘いものを食べると、私は母乳の出が悪くなりました。それ以降、食べるものには気をつけるようになりました。

maママ

助産師河井さん

助産師河井さん

色々な食材から、栄養をバランスよく摂るのがよいとされています。3食しっかり食べて、足りなければ間食もしましょう。時間が不規則でも、できるだけ食べるようにした方がいいですよ。

【第7位】
ハーブティーを飲む/支持率26.0%

ハーブティー

「水分をたっぷり摂る」もランクインしていますが、ハーブティーも高い支持を集めました。

ふわりと漂うやさしい香りや、温かい飲み物でリラックスできることも評価されたようです。

私はたんぽぽ茶をホットで飲んでいました。ゆっくりゆっくり飲むことで体も温まって、おっぱいによかったように思います。

Cママ

母乳によいとされるハーブティーを飲んでいました。ちょっとした時間ですが、リラックスできたことも大きかったように思います。

ぐーちゃんママ

助産師河井さん

助産師河井さん

水分補給になるし、ママがリラックスできるのであれば取り入れていきましょう。ただ、ハーブティーを飲んでいれば母乳の量が自然に増えるというわけではありません。

【第8位】
白米をたくさん食べる/支持率24.3%

白米

産後ダイエットを意識して、白米を中心とした炭水化物を控えるママも珍しくありません。

健診や母乳外来でママの食事にアドバイスをもらい、白米の量を意識的に増やした人もいました。

白米の量の控えていたときは、母乳の出が思わしくなかったように思います。白米もきちんと食べるようにしたら、母乳がしっかり作られるようになった気がします。

悠君ママ

おっぱいの出は悪い方ではなかったのですが、白米をしっかり食べるようになったら、さらに母乳がよく作られるようになった気がします。

くみママ

助産師河井さん

助産師河井さん

おっぱいには、十分なエネルギー補給が必要です。白米に限らず、玄米などでもよいので、主食として米穀類をしっかり食べましょう。

【第9位】
胸を締め付ける下着を着ない/支持率23.5%

キャミソール

ブラジャーは胸の形を美しく見せてくれますが、どうしても肩が凝ったり、血流を圧迫してしまうこともあります。

そのため、外出時以外はキャミソールなどを着用した人が多く見られました。

おっぱいが詰まりやすく、度々できるしこりに悩まされていました。家にいるときはブラジャーを着けないようにしたらとっても身軽で、しこりもできにくくなったように思います。

やままママ

助産師さんに「下着でおっぱいを締めるけるのはよくないよ」とアドバイスをされ、下着を見直しました。そうしたら、おっぱいがよく出るようになりました。

シータママ

助産師河井さん

助産師河井さん

血液の循環がスムーズなほうが、母乳にもよいとされています。ゆったりとした下着を選ぶといいですね。

第10位:母乳外来でマッサージを受ける

外来 診察 ママ

それなりの費用が発生するため10位という結果でしたが、効果を実感した人はとても多い結果となりました。

また、育児の悩みを受け止めてもらうだけでも心が楽になった、という人も多かったようです。

母乳外来でのおっぱいマッサージが、いちばん効果がありました。母乳の出がよくなっただけでなく、助産師さんとの会話で安心感や自信を得られたし、育児に関するアドバイスも受けられたのがありがたかったです。

うのママ

おっぱいマッサージを受けたら、固くなっていたおっぱいが柔らかくなりました。赤ちゃんも飲みやすそうだったことが印象的でした。

みこちゃんママ

助産師河井さん

助産師河井さん

マッサージを受けるだけで母乳の量がすぐには増えるわけではありませんが、いい刺激になるでしょう。また、悩みを相談したり、アドバイスをもらえることもママの安心につながります。

自分に合うケア方法を見つけましょう

赤ちゃんを抱っこするママ

今回、多くのママに協力してもらい、母乳の出をよくするために試したケアについてご紹介しました。

母乳の出具合いには体質などもあり、「このケアをしたら、必ず出る」とは言えません。

ですが、多くのママが、「根気よくいろいろ試すうちに母乳の出がよくなっていった」と教えてくれました。

少しでも、少しでもママの力になれますように。


取材協力:河井 恵美

取材協力:河井 恵美

助産師、看護師/エミリオット助産院

看護師・助産師の免許取得後、大学病院、市民病院、個人病院等に勤務。救急、外科外来等も経験し、看護師教育や思春期教育にも関わっていました。助産師の仕事が大好きで、25年以上この仕事をしています。青年海外協力隊でコートジボアールとブルキナファソに赴任した後、国際保健を学ぶために兵庫県立大学看護学研究科修士課程に進学・修了。2008年から夫の仕事関係により、シンガポールに住んでいます。2人の子どもを育てつつ、現地の産婦人科に勤務し、日本人の妊産婦さん方に関わっています。

※アンケート概要
実施期間:2018年9月13日~2018年9月17日
調査対象:「ninaru baby」を使用しているママ
有効回答数:2560件
収集方法:Webアンケート