子どもの成長を心から願うからこそ、子どもにどう接したらいいのか悩むママは多くいます。どのような接し方をすれば、子どもの能力を大きく引き出してあげられるのでしょうか。
この連載では、3〜6歳の子どもの能力が大きく開花する方法を、KADOKAWAから発売中の書籍「子どもの能力を決める 0歳から9歳までの育て方」からご紹介します。
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#3 達成感を持てるお手伝いは自己肯定感を養う
しっかりと責任感を持つ子に育てるために、少しずつお手伝いをさせてください。
ものごとに責任感を持てる子は自分の行動にも責任を持てます。そうすると、自分の将来もしっかり考えられるようになってきます。
日常の基本的なこと、トイレや着替え、歯みがきなどが一人でできるようになったらお手伝いを頼んでも大丈夫です。
家のことを手伝ううちに自立心や責任感、家族への思いやりが生まれます。
またママが日頃やっていることを少しでも体験することにより大変さがわかり、感謝の気持ちも芽生えると同時に、「自分は役に立っている」という思いから自己を肯定する気持ちも持つようになります。
お手伝いのポイント
簡単なお手伝いから始めよう
どんなお手伝いをするか、はじめに子どもと話し合ってください。お手伝いと一緒に約束の大切さを教えるチャンスです。興味があること、簡単なことから始めると長続きします。
難しいことを頼むと子どものお手伝いのハードルが上がってしまうだけでなく、できた達成感より先にできなかった挫折感を味わうことがあります。
約束ごとに拒否反応が出ないように、子どものできる範囲から手伝ってもらいましょう。
「ありがとう」を伝えよう
もう一つ大事なのは、手伝ってもらったら必ず「ありがとう」を伝えること。
子どもは「家族の役に立った」「喜んでもらってうれしい」と思うと、進んでお手伝いをしたくなります。
どんなに小さなことでも「ありがとう」「よくやってくれたね」と感謝とねぎらいの声をかけて次のやる気につなげましょう。
朝は新聞を取りに行く、食事のときはお茶碗とおはしを並べる、花に水をやるなど、簡単なことから、お手伝いしてもらい、責任を持たせるようにするのがよいでしょう。
料理のお手伝いで計画性を養おう
経験させたいお手伝いの一つに料理があります。
手伝わせるとはかどらない、片づけが大変になるなど、たしかに慣れない子どもが関わると忙しい食事の支度の邪魔になってしまうかもしれません。
しかし、この頃の子どもは親がしていることをまねするのが大好きなのです。冷蔵庫の中身からメニューを考える、温かいものを食べるためにつくる順番を工夫する、などは計画性を養います。
材料を決められた大きさに切る、混ぜるなどの作業は道具を使うので指先の訓練につながります。
また、手を加えると形を変える食材を見ることは、理科的な気づきにもつながるでしょう。料理は身近にあるとてもよい教材といえます。
子どもを集中させるには少し工夫をしてみましょう。「ぐるぐるかき回したらやわらかくなったね」「これはおいしいケーキになるのよ」と材料が変化していく様子を観察するのも一つです。
手を取って一緒にやってみるなど、スキンシップが自然にできるのも料理のお手伝いのメリットになります。
洗濯のお手伝いは指先の運動に
洗濯も子どもが「役に立った」と実感しやすいよいお手伝いです。洗濯機を使うほかに、泥で汚れた靴下などは子どもと一緒に手洗いするのもよいでしょう。
洗剤で汚れが落ちやすくなることや洗い上がりの気持ちよさを肌で理解します。
洗濯ばさみでとめる動作は指先に力を込める独特の運動です。取り込んでたたむときに端をそろえる意識は脳にも刺激を与えます。
乾いた衣類のよい香りや柔らかい手ざわりなど、洗濯には洗ってきれいにする以外の学びがたくさんあります。
簡単なことから始め、徐々に難しいお手伝いも任せるようにし、責任感を育てていきましょう。
子どもの能力を引き出そう!
子どもにどう接したらいいのか、参考になる方法は見つかったでしょうか?
書籍には、今回ご紹介した方法以外にも以下のテーマが掲載されています。
● 就学前に教えたい基本概念12
● 責任感は「自分で決める」ことから育つ
● 社会の一員であることを認識させていく
など!子育てに役立つ情報が満載です。ぜひチェックしてみてくださいね。
子どもの能力を決める 0歳から9歳までの育て方
社会を生き抜く「かしこさ」を身につけるには、子どもにどう接したらいい?そんなママの悩みを解決してくれる1冊です。
子どもの成長に合わせた接し方や、声かけの方法がイラストつきでわかりやすく書かれていますよ。
書籍筆者:田宮 由美
たみや ゆみ
子ども能力開花くらぶ「ちゅーりっぷふれんず」代表。小学校教諭・幼稚園教諭・保育士・日本交流分析協会員。幼児教室指導者として、約10年間、7地域で教室を展開。また公立幼稚園・小学校・中学校での勤務や公的ボランティアの活動などを通し、さまざまな角度から多くの子どもたちと接する。2010年に、子ども能力開花くらぶ「ちゅーりっぷふれんず」を開設。現在は、子どもの発達に合わせて適切な教材を考える個別指導を中心に、少人数幼児教室を展開。
ポッケ専門家チーム
作者