これから職場復帰するママに知っておいて欲しいことの一つが、保育園に通うようになると、赤ちゃんはいろいろな病気をもらってしまうということ。一つ一つ乗り越えて赤ちゃんは強くなっていくのですが、仕事に復帰したばかりのママにとっては不安が大きいですよね。
そこで、先輩ママはどうやって緊急のお迎えを乗り越えているのか聞きました。
そもそも「37.5度の壁」はなぜあるの?
多くの保育園で、毎朝、連絡帳の提出を求められることはご存知ですか?
その連絡帳には体温の記入欄があり、家庭で測って記入するか、保育園で測って記入します。
ここで立ちはだかるのが「37.5度の壁」です。赤ちゃんや子供の熱が37.5度を越えていると、預かりを断られるケースが多いのです。
乳幼児は様々な病気に対抗できる免疫がまだ備わっておらず、体力もありません。そのため、感染が拡大しないように、保育園を管轄する厚生労働省が「発熱時の対応」として定めているのです(※1)。
登園開始月、どれくらい保育園を休んだ?
赤ちゃんの平熱は大人より高めで、37度前後であることが多いようです。
平熱がもともと高い赤ちゃんもいたり、泣いたり動いたあとに測ると、平熱より高い温度が出てしまうこともあります。
そのため、体温をめぐってママと保育園のせめぎあいになることも珍しくないそうです。
赤ちゃんを保育園に預けているママに発熱についてアンケート(※2)を実施したところ、80%以上の赤ちゃんが登園を開始した1ヶ月のうちに発熱などで保育園を休んでいることがわかりました。
続いて、登園を開始した月齢ごとに、休んだ日数についてご紹介します。
預け始めの1ヶ月に保育園を休んだ日数
生後5ヶ月未満 | 2日 |
生後6〜7ヶ月 | 5日 |
生後8〜9ヶ月 | 5日 |
生後10〜11ヶ月 | 6日 |
1歳〜1歳1ヶ月 | 7日 |
1歳2〜3ヶ月 | 5日 |
1歳4〜5ヶ月 | 4日 |
1歳6ヶ月以上 | 4日 |
実は個人差がかなり大きく、1日も休まなかった赤ちゃんもいれば、15日も休んでしまった赤ちゃんもいました。
保育園に預ける?休ませる?
先輩ママの発熱ボーダーはここだ!
赤ちゃんの平熱別に、保育園に預けたものの「お迎えの電話がくるかも…」と思う体温、そもそも保育園をお休みする体温について調査しました。
平熱 | お迎えを覚悟して 預ける体温 |
休ませる体温 |
36.5度以下 | 37.5度 | 37.7度 |
36.6度 | 37.3度 | 37.6度 |
36.7度 | 37.5度 | 37.7度 |
36.8度 | 37.4度 | 37.7度 |
36.9度 | 37.5度 | 37.6度 | 37.0度 | 37.5度 | 37.7度 |
「37.5度の壁」という言葉はありますが、実際は37.5度以上の熱があっても、一旦は保育園に預ける人も少なくないようです。
「37.5度の壁」って具体的にどんなルール?
これまで説明してきたとおり、37.5度の熱があっても保育園に預けているママもいて、その対応はそれぞれであることがわかりました。
実は、厚生労働省では、このような対応基準を作成しているのです(※1)。
保育が可能な場合
- 前日に38度を超える熱が出ていない
- 熱が37.5度以下で、元気で機嫌・顔色がいい
- 食事や水分が摂れている
- 発熱を伴う発疹が出ていない
- おしっこの回数が減っていない など
登園を控えるのが望ましい場合
- 朝から37.5度を超えた熱があり、元気がなく、機嫌が悪い
- 食欲がなく、朝食・水分が摂れていない
- 24時間以内に、38度以上の熱が出ていた
実際、乳幼児の体温には個人差が大きく、37度台でもぐったりしてしまう子、38度以上でも元気な子もいます。
そのため、※発熱についてはあくでも目安であり、個々の平熱に応じて個別に判断すると記載されています。
37.5度という体温は一つの目安になりますが、それ以外にも赤ちゃんに変わった様子がないかどうか確認し、保育園に預けるか、お休みさせるか判断することが大切です。
子供が発熱!
そんなとき、先輩ママはどう対応している?
赤ちゃんが発熱していると「発熱時の対応」に照らし合わせて預かりを断られたり、預けた後に保育園からお迎え要請の連絡がくることも珍しくありません。
そこで、赤ちゃんの発熱時に、先輩ママたちはどのような工夫をして対応しているか教えてもらいました。
【1】毎朝、緊急連絡先を確認しています
めいママ
家族プロフィール
● ママの勤務形態:フルタイム
● 保育園に預けた月齢:生後6ヶ月
ママとパパの休みに応じて、緊急連絡先を変更
私もパパもシフト制の仕事をしているため、不定休です。緊急連絡は基本的には私にくるようにしていますが、パパがお休みの日はパパに連絡が行くようにお願いしています。
お迎えに行く人が乳児医療証を携帯します
それなりに熱が出ているときにお迎えの電話がかかってくるので、そのまま小児科を受診することがほとんど。そのため、緊急連絡を受ける人が、保険証と乳児医療証を携帯することにしました。
こうすると、保険証や乳児医療証を取りに行ったり、受け渡しをしたりする手間が省けます。
【2】働き方を変えました
さーっちゃんママ
家族プロフィール
● ママの勤務形態:フルタイム
● 保育園に預けた月齢:生後5ヶ月未満
いつ休んでもいい勤務体系に変更しました
保育園からお迎えコールがあったときは、基本的には私が仕事を早退して迎えに行っています。パパは平日休みがあるので、パパが休みのときはパパにお願いしています。
復帰後は、仕事の内容は変わらないけれど、いつ休んでもよい勤務体系に変更しました。
【3】実母の家の近くの園に転園しました
やすまつママ
家族プロフィール
● ママの勤務形態:フルタイム
● 保育園に預けた月齢:生後10ヶ月
自宅より、実母宅に近い園を選択
パパの仕事は早退することができないので、育休復帰前から、何かあったら私が早退して迎えに行くと決めていました。
ですが、思った以上に負担が大きいため、実母の家の近くの園に転園しました。
緊急連絡先は私にしていますが、どうしても仕事を抜けられないときは実母にお迎えをお願いしています。
どうしても…というときは病児保育を利用
かかりつけの病院に病児保育が併設されているので、どうしても…というときは病児保育を利用しています。
おべんとうやおやつ、毛布を持参するのは手間ですが、1回1,500〜2,000円で細やかに対応してくれるので助かっています。
【4】早く迎えに行ける人が行きます
めいママ
家族プロフィール
● ママの勤務形態:フルタイム
● 保育園に預けた月齢:1歳2ヶ月
熱性けいれん持ちのため、早く行ける人が行く
子供が熱性けいれんを起こしやすいため、1分でも早く保育園に到着できるほうが迎えに行くルールにしています。
また、病児保育も2ヶ所、登録しています。1ヶ所は、子供の様子を撮影して送ってくれるので、安心して預けられます。
【5】時間帯によって担当を変更しています
誠ちゃんママ
家族プロフィール
● ママの勤務形態:フルタイム
● 保育園に預けた月齢:1歳2ヶ月
時間を区切って母と2人で対応しています
母が仕事から午後早めに帰宅するため、お昼以降のお迎え連絡なら母にお願いしています。午前中なら、私が早退してお迎えに行っています。
復帰前から「この方法しかないね」と相談して決めて、そのとおりにやっています。
【6】私とパパが勤務時間をずらして対応
そのママ
家族プロフィール
● ママの勤務形態:フルタイム
● 保育園に預けた月齢:生後11ヶ月
早朝出社と午後出社で対応しています
私もパパも勤務時間を調整しやすい会社に勤務しているため、熱が出ているときは思いきって保育園を休ませています。
早退してお迎えに行くほうが時間のロスが大きいことに気づき、途中で方針を変更しました。
私が勤務時間を前倒して出社し、その間はパパに面倒を見ておいてもらいます。前倒した分は早く退社できるので、バトンタッチしてパパは午後から会社へ。
パパの帰宅時間は深夜になってしまいますが、わが家にはこの方法がベストだと思っています。
急な欠勤・早退に備えた準備を
今回のアンケートから、赤ちゃんが急な熱を出したときは、基本的にはママが仕事を早退してお迎えに行くと回答した人が大半でした。
なかには、「パパの会社では、男性は子供の熱が早退理由にならない」という回答もありました。
働き方改革や子育てと仕事の両立支援が叫ばれていますが、まだまだママが働きやすい社会とは言い難いようですね。
利用している人はほとんど見られませんでしたが、保育園までの送迎をしてくれたり、保育園が閉まった後に赤ちゃんを預かってくれる「ファミリーサポート」もあります(※3)。
いざというときのために夫婦や家族でよく話し合い、状況に応じては病児保育やファミリサポートなどを上手に活用するのも一つの方法ですよ。
※2 アンケート概要
実施期間:2018年10月17日~2018年10月19日
調査対象:保育園に子供を預けた経験のある「ninaru baby」利用者
有効回答数:51件
収集方法:Webアンケート