モデルとして活躍しながら、3歳と0歳の男の子を育児中のママでもある辻󠄀元舞さん。
辻󠄀元さんは、第一子を自然分娩で出産した一方、第二子は和痛分娩で計画出産しました。
彼女はなぜ第二子を和痛分娩で計画出産しようと思ったのでしょうか。辻󠄀元舞さん本人に聞いてみました。
1987年、京都府生まれ。テーマパークのダンサーを経て、モデルに転身。以降、CMやドラマ・映画にも出演し、2018年からは雑誌『VERY』レギュラーモデルとしても活躍中。2016年1月に長男、2018年11月に次男を出産し、2人のママとして家事・育児にも奮闘中。Instagram:@mai_tsujimoto
読者の皆さんの中には「和痛分娩」という言葉をはじめて聞いたという方もいらっしゃるかもしれません。
和痛分娩とは、読んで字のごとく、麻酔などを使って痛みを和らげる出産方法です。
出産時の感覚が全くなくなる訳ではありませんが、自然分娩に比べて疲労や緊張が少ないため、ママの体へのダメージが少なく産むことができると考えられています。
「無痛分娩」との明確な違いの定義はなく、医療機関によっては同じ意味で使っているところもありますが、辻󠄀元さんが経験した和痛分娩は、いわゆる無痛分娩とは異なる方法です。
辻󠄀元舞さんが和痛分娩を
2人目の出産方法に選んだ理由
ー第一子は自然分娩だったということですが、第二子を和痛分娩で出産しようと思ったのはなぜですか?
辻󠄀元舞さん
和痛分娩の計画出産という選択をしたのは、長男のためです。第二子の妊娠がわかった当時、2歳でイヤイヤ期真っ盛りだった長男に、できるだけ寂しい思いをさせたくなくて。
ー寂しい思いというのは…?
辻󠄀元舞さん
もし、長男が保育園に行っている間に陣痛が来て、そこからママが1週間近く入院して会えなくなるとかわいそうだと思ったんです。また、2人目を産んでからすぐに遊んであげられるように、産後の回復が早いと言われている和痛分娩を選びました。
ーなるほど。お兄ちゃんへの影響を第一に考えていたんですね。
辻󠄀元舞さん
ええ。計画出産にしたので、出産日も入院する日も決まっていました。だから出産の前日も、新しく生まれてくる赤ちゃんのことや出産の不安よりも、長男のイヤイヤ期対策のことばかりを考えていました(笑)。
和痛分娩の当日の様子ー辻󠄀元舞さんの場合
ー和痛分娩について、出産当日の様子を教えていただけませんか?
辻󠄀元舞さん
計画出産なので、分娩室にはあらかじめ予定していた時間に入りました。
陣痛は麻酔する前に起こったのですが、2度目の出産だからということもあってか、初産のときほどの痛みは感じなかったですね。「今、子宮口が○cmまで開きましたよ」と言われたときも、「1人目の時は、のたうち回るくらい痛かったような気がするんだけどなあ…」と考えられるくらいに余裕がありました。
ーそうなんですね。ではほとんど麻酔要らずだったということですか?
辻󠄀元舞さん
いえ、やっぱり痛い瞬間はありました。陣痛促進剤で陣痛が始まってから、途中で麻酔をしてもらったんですが、子宮口全開までは薬の効きが悪かったみたいで割と痛かったんです。子宮口が全開になって痛みが「もう限界!」となったところで、麻酔を追加してもらいました。
ー出産にかかった時間はどれくらいでしたか?
辻󠄀元舞さん
陣痛促進剤を打ってから4時間半で終わりました。1人目は破水から27時間かかったので、それに比べたら6分の1の時間ですね。すごく楽でした。もちろん2回目の出産だからということもあるとは思いますけど。
ー和痛分娩で出産した後、お仕事に復帰されたのは、どれくらいが経ってからですか?
辻󠄀元舞さん
1ヶ月ちょっとくらいで仕事復帰できました。私の場合は会陰を縫う必要もなかったので、割と早く体は回復しました。ちなみに1人目の時は産後2ヶ月経ったくらいから2週間に1回くらいのペースで徐々に仕事復帰していった感じです。初産では会陰が裂けたので縫合したり、母乳育児だったので。
ーということは、2人目はミルク育児ですか?
辻󠄀元舞さん
はい。これも長男のお世話に早く戻ったり、仕事復帰のことを考えての選択です。母乳だったら私がつきっきりになってしまいますが、ミルクなら私以外でも飲ませることができますからね。
和痛分娩のメリットって?
この章では、自然分娩と和痛分娩の両方を経験した辻󠄀元さんが思う、和痛分娩のメリットを聞いていきます。
和痛分娩のメリット1:
痛みは少ないけれど、産んでいる感覚はある
ー和痛分娩中は、どれくらい感覚が残っているのでしょうか?
辻󠄀元舞さん
麻酔がちゃんと効いていれば痛みはほとんど感じません。でも、自分のお腹の中で赤ちゃんが動いていたり、骨盤辺りに赤ちゃんが降りてきたり、産道を通る感覚などはあるんです。
だからなのか、1人目の出産の時には余裕がなくて味わえなかった誕生の喜びを、2回目の時は強く感じることができました。
ー1人目の出産は破水から27時間もかかったんですもんね。
辻󠄀元舞さん
ええ。1人目のときは長時間の痛みと疲れで、産んだ後感動する余裕すらない状態でしたね。「とりあえず産めて満足」みたいな状態でした(笑)。
和痛分娩のメリット2:
自然分娩に比べて、産後のダメージが小さい
ー日常生活への復帰が早かったことも和痛分娩のメリットでしょうか?
辻󠄀元舞さん
そうですね。やっぱり産後の体のダメージの違いはとても感じました。「痛みに耐える」ということが、肉体的にも精神的にもすごく大変なことなんだと、改めて思いましたね。
余計な力みがなかったためか、会陰も裂けることはなく、産んで30分後くらいにはご飯も普通に食べられましたし、歩けるくらい余裕がありました。
ー和痛分娩だと、出産前の緊張はあまり感じませんか?
辻󠄀元舞さん
痛みがそこまで強くないとあらかじめわかっているので、かなりリラックスして出産に臨めたんです。出産まであまり緊張しなかったことも、産後の疲れが少なかった原因かもしれませんね。
和痛分娩のメリット3:
立ち会い出産しやすい
ーかなりリラックスしていたということですが、分娩室ではどう過ごしたんですか?
辻󠄀元舞さん
いきむタイミングでは集中しますが、それ以外は、分娩室の中でも旦那と写真を撮ったり、助産師さんと談笑したりしていました。私の場合、いきむときも痛みを感じなかったので、笑顔で出産できました。
ー自然分娩の立ち会い出産とはかなり状況が違いますね。
辻󠄀元舞さん
そうなんです。立ち会い出産って、怖がる旦那さんも多いと思いますけど、和痛分娩なら壮絶な姿を見せなくていいので、立ち会いしやすいと思います。私の旦那も初産の時に27時間も苦しむ私を見ていたこともあって、元々は「もう立ち会いしたくない」と言っていましたし(笑)。
ーそんな旦那さんでも2回目も立ち会ったんですね。
辻󠄀元舞さん
はい。「前回ほど大変じゃないよ」とちゃんと説明していたので「それなら…」と立ち会ってくれました。
和痛分娩のデメリットって?
ここまでの話だと、いいことづくめに見える和痛分娩。しかし、和痛分娩にはデメリットもあるようです。
和痛分娩のデメリット1:
副作用が現れる可能性がある
ー辻󠄀元さんが感じた、もしくは医師から説明を受けた、和痛分娩のデメリットを教えてください。
辻󠄀元舞さん
和痛分娩のデメリットとして一番大きいのは、やっぱり副作用の可能性があることだと思います。
ーなるほど。それは事前に医師から説明を受けたのでしょうか?
辻󠄀元舞さん
はい。麻酔を使って和痛分娩をする以上、頭痛などの症状や、赤ちゃんの呼吸が弱くなるなどの影響が出る可能性はゼロではないと、お医者さんから説明を受けました。
和痛分娩のデメリット2:
親からの理解を得にくい
ー旦那さんもそうですが、周囲の人は心配しませんでしたか?
辻󠄀元舞さん
両親・義両親の時代には、初めから陣痛促進剤や麻酔を使う前提で赤ちゃんを産む、ということがあまりなかったみたいです。
そのため、和痛分娩というもの自体が理解しにくいようで、「陣痛を無理やり起こしていいの?」「麻酔なんか使って大丈夫なの?」と、すごく心配されました。
ーどうやって説得したんでしょう?
辻󠄀元舞さん
納得してもらうために、お医者さんから言われたことを一生懸命伝えることを心がけました。「親知らずだって、今は麻酔使って抜く時代なんだよ」とか。最終的には少し強引に押し切っちゃったところもあるけど(笑)。
和痛分娩のデメリット3:
出産の過酷さをパパが感じにくい
辻󠄀元舞さん
あともう一つデメリットになるのかもな、っていうのは、旦那さんが立ち会っても、出産の大変さをわかってもらえないかもしれないな、ということです。私の場合は、初産が自然分娩で立ち会い出産だったので、そのケースには当てはまらないんですけど。
ー奥さんが痛みに耐えている姿を見せないから、ということでしょうか?
辻󠄀元舞さん
痛みもそうなんですけど、出産が命がけだということもです。
あまりに簡単に産んでいるように見えてしまうと、すごく嫌じゃないですか、ナメられそうで(笑)。
辻󠄀元舞さん初のビューティ&スタイルブック
2019年4月7日に自身初のスタイルブック『Mai Life -ハッピーの秘訣は「頑張りすぎない」こと!-』が発売。
和痛分娩のことも含め、デイリーケアやセルフメイク、ファッション、子育て、仕事などのライフスタイルを1冊にまとめた書籍です。
<書籍概要>
タイトル:辻󠄀元舞ビューティ&スタイルブック
『Mai Life -ハッピーの秘訣は「頑張りすぎない」こと!-』
著者:辻󠄀元 舞
発売日:2019年4月7日(日)
価格:1,600円+税(1,728円)
ページ数:128ページ
サイズ:A5
作品ページ: http://www.stardustpictures.co.jp/book/2019/mai_tsujimoto.html
次回、辻󠄀元舞さんの記事は4/10(水)に公開予定!
二人のお子さんを産んでから、とにかく「時短」を意識しているという辻󠄀元さん。そんな彼女の「時短×美」について聞いてみました。
次回もお楽しみに!
▼辻󠄀元舞さんのインタビュー記事一覧はこちら
ポッケ編集部PICKUP育児エッセイ
作者