この連載は、新人外科女医のミューさんが、出産・育児に感じた様々なことを書きつづった日記。
第六回は、子供から見える世界のはなし。子供の泣き声に思わず耳を塞ぎたくなってしまうミューさん。でも、子供から見える世界を想像すると、ある思いが浮かんだようです。
置いていかれるって、どれだけ不安なんだろう
子供がときどきすごい声で泣くのですが、ときには待たせて家事を済ませなければいけないときもあるでしょう。
時間としては数分でしたが、家事を終えて抱き上げると全身で息しながらびっしょり汗をかいていました。
私にとっては「一瞬待ってて!」という感じだったのですが、いつ帰ってくるかもわからず立ち去った母親の背中を見送るしかない子供にとっては、凄く絶望的な時間だったのかな……と想像して描きました。
「なんでこんな泣く!?」と理解不能で苛立ってしまうこともあります。
でも、そんなときに子供目線で想像すると、広い部屋で母親が背中向けて去っていく姿は全身で不安になるな…と、私は少し気持ちが落ち着きました。
不安だったり仕事のことが心配になったりして気持ちがザワザワするときに、私はよく子供とめっちゃ距離詰めてくっつきます笑。
子供の顔ドアップで見て、唾液でびちょびちょにされつつ顔に食いつかれたりすると、仕事とかどうでもよくなってくるのです。
落ち着いて子供の世界を想像してみること、仕事も家事も放って子供とくっつくこと。
今の所、このふたつが育児のもやもやの手軽な解消法です。
余談ですが。
ギャン泣きに参ってしまったとき、よく育児アドバイスなどで見かける「一旦放置して別室に避難するのも良いでしょう」というものを思い出しますが、私は別室に行きドア越しにギャン泣きが聞こえる方がストレスMAXでした。
なので、これはきっと、目の前に見ているとイラッとして手を上げてしまいそうなときは別室避難しましょう、という意味なのかなーと個人的には理解しました。
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