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働く女性が妊娠するということ(その1)|外科女医ミューのよもやま日記#1


この連載は、新人外科女医のミューさんが、出産・育児に感じた様々なことを書きつづった日記。
第一回は、妊娠報告のはなし。上司に妊娠を報告したときの葛藤と、ミューさんを救った言葉の物語です。


私が妊娠したのは、医局外(※)に出向中のことでした。

本当は医局にいるときに妊娠したかったのですが、うまくタイミングを合わせられず、人員の少ない出向病院にいるときに妊娠しました。結果的に周りに迷惑をかけてしまったかもしれません。

そんなときのエピソードです。

(※)医局…大学医学部や付属病院における、診療科を中心とした医師の集団

上司に妊娠を報告した

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(※)オーベン…研修医の指導役となる医師のこと


今の医療現場で女医が妊娠するのは、喜ばしいことであると同時に周囲には負担をかけることであるのは間違いありません。

1人労働力が減って文句が出るような労働環境は好ましくないよね、という議論が多く出ていますが、実際働いている環境を鑑みてみると、

・そんなに労働力には余裕がなく、当直回数が増えると大きな負担になる。

・産休に入った女医の仕事は学年の近い医師に分担される。

・育児中の女医は遅くまで残れず、40~50代の男性医師が仕事を負担している。

という状況がみられます。

わき起こる葛藤、でも…

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私がいる医局の男性医師は、嫌な顔せずに子供の話も医療の話もしてくれる方が多く、とても恵まれているなと実感していますが、中には「女医が外科医をできるのは、僕らが仕事をこうしてしているからだよ」「女外科医は結婚したら終わりだよね」と言われたこともあります。

ただ、負担してくれている実情を知っているので、返す言葉もありません。

そんな医局の中で妊娠報告をするというのは少し勇気のいることでした。

救われたひとこと

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上司に伝え、医局長に伝え、教授に伝え…(この順番大事・笑)

色々な反応をする人がいますが、思ったことは、「おめでたいことだ」と言ってくれることにどれだけ救われるか、ということでした。

困った顔されるし、はよ戻ってこいと言われるし、親と旦那使って仕事には全復帰をしてほしいとか色々言われますが、子供を生むことを良いこと・幸せなことだと言ってもらえて何よりもほっとしました。

他人の出産育児なんて自分の幸せには何の関係もありませんし、仕事の調整や負担など面倒が増えるだけかもしれませんが、報告される側の同僚・上司は、子供を生むことを邪険にだけはしないでほしいなと思います。

仕事が増えて困る、とか復帰してくれないと、とか色々言うこともあるでしょうが、ひとつだけ忘れずに『おめでとう』と言ってほしいです。

※次回は10月28日(月)公開予定です。

◆「外科女医ミューのよもやま日記」の記事一覧

働く女性が妊娠するということ(その2)|外科女医ミューのよもやま日記#2

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愛を注ぐということ|外科女医ミューのよもやま日記#3

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子供の名前をつけるということ|外科女医ミューのよもやま日記#4

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ミュー

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作者

30代消化器外科医。息子を出産し1年間育休中。高齢者が好きで外科医になりましたが、出産後子供が愛しくなりました。うんちのことは専門だけど、子供のことはわからない。毎日手探りで育児をしています。漫画を描くのも大好きなので、仕事のことや育児のことをブログやツイッター(@moon220f)で描きます。