この連載は、新人外科女医のミューさんが、出産・育児に感じた様々なことを書きつづった日記。
第七回は、子供の瞳に映る世界のはなし。せわしなく景色を見る子供の瞳を覗き込むと、いつもの風景がなんだか違って見えたようです。
あなたの瞳に映る世界は、きれいで優しい
私はいつも抱っこひもでお散歩に行っていますが、散歩中の子供は、私が声をかけても反応しないほどに周りを見ることに夢中になっています。
私がよそ見するわけにもいかないので(笑)、何を見ているのかなと子供の瞳を覗き込みながら歩きます。
空や木の陰が瞳の中を動き、子供の目にはいつもの空も街も新しく優しげなものとして映るんだろうなと想像すると、自分にもそう思えてきます。
そうして子供の瞳の中の世界に夢中になっていると、景色に飽きた子供が最後は私を見てきました。
子供の目に映り込む自分を見て、もしかしたら子供から見た私は、私が思っているよりもずっと優しげにお母さんらしく見えているのかもしれないな、と。
そう思えた瞬間、自分たちはこの街で1番幸せの塊なんじゃないかと、自意識過剰にも思ってしまいました。
子供の瞳の中、ぜひ覗き込んでみてください。
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ミュー
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