withコロナ時代の新しい暮らし方!専門家に聞いた今すぐできる7つの方法

新型コロナウイルスの影響により、家にいる時間が長くなったり、在宅勤務で仕事・家族・暮らしとの兼ね合いがとれなかったりして、思わぬストレスに悩んだ方は多いのではないでしょうか。

withコロナ時代の新しいライフスタイルに対して、どうしたらより快適な暮らしができるのか。家族が今以上に楽しく幸せに過ごせる「新しい暮らし方」について、すぐにでも取り入れられる方法やポイントを積水ハウス『住生活研究所』で所長を務める、河崎 由美子さんに伺いました!

「共存と両立」が重要なキーワード

家族

河崎さんが所長を務める『住生活研究所』で行った調査では、新型コロナウイルスの影響により在宅勤務やリモートワークが進み、家で家族と過ごす時間が圧倒的に増えたことがわかりました。

そのなかで、「家事の負担が増えた」「会議中に子どもが遊ぶ音がして困る」「仕事をする場所がない」「プライベートと仕事のメリハリをつけにくい」「外出できずリフレッシュできない」という課題や悩みが目立ったといいます。

一方で、「時間に余裕がもてる」「家族との時間が増えた」「子どもとゆっくり話すことができる」というメリットを感じた人も。

急激なライフスタイルの変化に対して、課題を解決しつつメリットを最大限に活かすためには、仕事・家族・暮らしをうまく存在させる「共存と両立」がキーワードになるといいます。

どんなことをすれば「共存と両立」をうまく取り入れることができるのか、今すぐにでもできる方法を河崎さんに伺いました!

【1】仕事の合間に5分で終わる家事をする

家事 洗濯機

ー家が仕事場であり、暮らす場所でもあるなかで、仕事と家事の両立は簡単ではないと思います。上手く両立するために、手軽に取り入れられる方法はあるのでしょうか?

河崎さん:自粛期間で在宅勤務やお子さんの休園・休校などが重なるなかで、家族が別々のことをしながら共存し、さらに仕事と暮らしの両立を意識することが多かったと思います。

その状況下で、「家事の負担が増えた」と感じたのは、女性の方が多かったんです。夫婦で在宅勤務となった場合は、家事がどちらかに偏ると苦しくなってしまいますよね。

仕事と暮らしを「両立」させるには、家族みんなで楽しみながら家事に取り組むことが大切です。

例えば、仕事の合間に5分で済むような家事をする。お米を洗うだけ、洗濯機のボタン押すだけ、炊飯器のボタンを押すだけ…とか。

仕事って、ずーっと集中しているよりも適度な息抜きって必要なんですよね。オフィスだと、ちょっとした会話や移動もあって、自然と小さいオフがありますが、家だと集中しすぎてしまう。だからこそ、あえて仕事の合間に家事をして気分転換をする。

育児と共通する部分でもありますよね。赤ちゃんのお世話をしながら、合間に家事をするっていう。大人が2人いれば色んなことができます。そうやって、コマ切れでも重ねていくようなイメージでやってみると良いと思います。

【2】朝会・時間割で1日の調整を家族でする

家族

ー家事をするにも、毎日同じではありませんよね。仕事のスケジュールも変わるなかで、うまく機能させる方法はあるのでしょうか?

河崎さん:そのためには、臨機応変に家族で話し合いや調整をすることがポイントです。

家事に限らず、1日のスケジュールもそう。「今日●時に会議するから、その間は子どもをみていてね」とか、「今日は私がこれをするから、あなたはこれをお願いね」など。小学生くらいの子どもがいるなら、「この時間だけは音を立てないでね」と話しておくんです。

社員のなかには、朝会をして1日のことを共有するという家庭もみられました。ほかには、「時間割」を作って見通しをたてるのもおすすめです。「●時~●時:Web会議」「●時~●時:休憩」というように。

丸1日ピリピリしていると疲れてしまうので、ティータイムを作るのもおすすめです。短時間でも家族が笑って話せる時間、リラックスする時間を作るのは、長く続けるうえで大切。赤ちゃんがいるならなおさら、割り切って遊ぶ時間を作るのも良いかもしれません。

こんなふうに、事前に1日の流れを把握し、家族で段取りや分担を決めておくと、ストレスが軽減されます。それをうまく取り入れるには、道具とか生活で使うものがどこに収納されているか、家族全員が知っている状態を作ることも大切です。

探す手間、聞く手間、教える手間を減らすために、詰め込まずにパッと見てわかるようにしておく、といった工夫も大事ですよ。

【3】家具の配置替えで自宅をオフィス化

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ー在宅勤務で「書斎がない」「仕事のスペースが確保できない」という悩みを多く聞きました。部屋数や部屋のスペースが限られるなかでは、どのような方法がありますか?

河崎さん:大きなお家で部屋がたくさんあれば良いですが、そうではないケースももちろんあります。そんなときは、リビング・ダイニング・キッチンの配置を入れ替えるだけで、ワークスペースを作ることができます。

たとえば、キッチンの隣をリビングにして、一番奥の窓際にダイニングテーブルを配置して仕事場にする。一番気持ちのいい場所を仕事場にするんです。

ランチはダイニングテーブルではなくリビング側のテーブルで食べるようにして、リビングキッチンのようにすると、テーブルもうまく使い分けられますよね。

そうすると、一番奥にあるワークスペースはコーナーにもなるので、Web会議のときもカメラのなかに冷蔵庫や食器が写りこんだり、家族がカットインしたりすることも自然となくなります。コーナーの方にワークスペースを持っていくというのは鉄則ですね。

【4】仕事とプライベートは
道具を活用してメリハリをつける

パソコン 部屋

ーコーナーで分けたとしても、同じ空間に仕事場とキッチンがあると、メリハリをつけるのはなかなか難しいのではないでしょうか?

河崎さん:そんなときは道具を活用しましょう。テーブルを開閉できる「ライティングデスク」や、手軽に仕事道具を入れられる「お片付けボックス」を購入するのもおすすめですよ。定時になったら、道具のなかにサッと片付けて切り替える。手軽にメリハリをつけられますよね。

お片付けができる年齢の子どもなら、ママやパパとお揃いのボックスを買って、「ママも片付けるから、あなたも片付けてね」と促すんです。子どもの行動特性には「見立て」といって、大人の真似っこして楽しむことがあり、お片付け教育にもつながりますよ。

赤ちゃんを見ながら仕事をしなければいけないこともあると思います。ちょうど、育児休業中の社員とも会って話したんですが、「家にいるととても仕事できる状況じゃない。すぐに足もとくるし泣いちゃうし」と言っていました。

そういうときは、仕切りを感じさせない、部屋の間口くらいの幅があるベビーゲートを使うという方法も。ママやパパの姿が見え、遮られている感じがしないから不安になりにくいようです。

これだと、仕事しながら・育児しながらをうまく切り分けることができます。赤ちゃんがいる場合の在宅勤務は切替がすごく重要で、工夫が必要なんですよね。

【5】グリーンを取り入れて開放感のある部屋に

部屋 仕事場

ー今回は外出自粛もあり、お出かけができないという状況を窮屈に感じた人も多いと思います。そういうとき、家にいることをストレスに感じない方法はあるのでしょうか?

河崎さん:おすすめなのは、部屋の中に小さくても良いので観葉植物を取り入れることです。

小さなお子さんがいる家庭では、大きな観葉植物で土に手が届く位置にあると「赤ちゃんが触ってしまうかもしれない」という不安もあるかもしれません。そういうときはエアプランツという、土を使わずに育てられる軽くて小ぶりな植物を取り入れてみてください。

植物 エアプランツ

河崎さん:エアプランツなら、天井からハンギングといって吊るすこともできます。お世話もとても簡単です。

もう一つおすすめなのが、フェイクグリーンです。最近のフェイクグリーンってすごく作りがリアルですよね、果肉植物とか。芝生のフェイクも、ふわっとしたやわらかい触り心地のものがあって、我が家のキッチンにも敷いています。ピクニックやバーベキューをしている気分で料理ができますよ。

とある研究で、実はグリーンによるストレス軽減は実証されているんです。外とのつながりと感じるものは、人によって空だったり、グリーンだったり、土だったり…と異なりますが、一般的にはグリーンに外との繋がりを感じやすいとされています。そして、グリーンが本物か偽物かは重要ではないんです。

【6】イスを使って自分のスペースを作る

イス 椅子 いす

ー長時間家族と過ごす中では、プライベートな「自分のスペース」も欲しくなります。

河崎さん:そういうときに活躍するのがイスです。簡単に移動できる小さいイスやベンチがあると便利ですよ。それを、廊下とか、普段は導線になっているところとか、洗面所とかに置いて座る。イスを置くだけで「居場所」が作れます。

イスに座ると、少し長い間、居続けられますよね。家という限られた空間のなかで、気分転換をしたり、違う場所に行ってみたかったりするときに、好きな場所にイスを置いて、座ってみる。そうすると、家の意外な景色や表情をみつけられます。

イスの高さを変えてみるだけでも違いますよ。赤ちゃんと一緒に寝そべって低い位置からみると、意外なところの汚れに気づいたっていう発見ってありませんか?自分の家の良さを色んな角度で見ながら、心地よい「自分のスペース」をみつけるのも楽しく過ごすポイントです。

【7】色んな場所に遊び場&学び場を作る

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ー在宅勤務というと、大人の仕事部屋やスペースを作ることだけを考えてしまいがちですが、休園・休校で子どもたちも一緒に過ごしていました。学ぶ場所や遊び場所を作る方法はあるのでしょうか?

河崎さん:勉強する場所を決め過ぎないこと。今日勉強したい場所で勉強できるという環境を作ることが大切です。

子どもって、ときには親の側で勉強したい日もあれば、1人で集中したい日もある。気分に合った場所があると、勉強のモチベーションも上がります。「こんなところで勉強すると消しゴムのカスが散らかるからやめて~」と注意するのではなくて、勉強したい気持ちを後押ししてあげましょう。

遊び場も同じで、片付ける遊び場と、片付けなくていい遊び場を作ってあげる。「ここでは片付けずにいくらでも遊び続けなさい」と。それなら、小さな積み木が重なって大きな家になって、1週間続けたらすごいものを作れる。

「構築遊び」と言うのですが、やり続けたことによる成功体験ってとても大切なんです。積み重ねの大切さを遊びのなかで身につけると、小学校に上がったときに、毎日1ページずつドリルをやる意味を子ども自身で理解することができます。

家族が暮らしやすく変化にも対応できる
住まい探しも1つの方法

家

時代や時世の変化のなかで「共存と両立」をするためには、新たな住まい探しも1つの方法かもしれません。多くの企業が在宅勤務を取り入れたことで、「都心に住む必要がなくなった」「都心から少し離れて広い場所に住みたい…」という人も多いのではないでしょうか。

これから新しい住まいに求められるのは、変化するライフスタイルにあわせたデザインができる家。それを実現したのが、河崎さんが所長を務める『住生活研究所』の暮らしの研究を取り入れた積水ハウスの「ファミリースイート」です。

一番の魅力は、先に紹介したプランのような仕切りのない大空間を重視したリビング空間づくりをしていること。家具の配置次第で仕事場や遊び場を作れたり、くつろぎの場を作れたり。家族が繋がりながらも、それぞれの時間を大切にできる家づくりを叶えることができます。

なかでも、河崎さんの子育て経験をもとに、遊び場・学び場など子どもの居どころを大切にした「コドモイドコロ」というキッズデザインが近年注目を集めています。これを機に、暮らしを心地よくデザインできる「ファミリースイート」や「コドモイドコロ」を参考にしてみてはいかがでしょうか?

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取材協力:河崎 由美子

取材協力:河崎 由美子

積水ハウス 住生活研究所 所長

1987年入社。高校入学までの12年間を海外で過ごした経験や子育て経験などを生かし、総合住宅研究所でキッズデザイン、ペット共生、収納、食空間など、日々の生活に密着した分野の研究開発全般に携わる。2018年8月から現職。一級建築士。