シンママFPが教える すこしずつお金と仲良くなる方法

【ママが知っておきたいお金の話】#5 くらしのアドバイザーと出会おう!

この連載では、ママやパパに向けて「すこしずつお金と仲良くなる方法」をお伝えしていきます。FP(ファイナンシャルプランナー)の佐々木愛子さんに、シングルマザーとして苦労したご自身の経験を踏まえて、やさしく教えていただきましょう。

前回のお話はこちら↓

【ママが知っておきたいお金の話】#4 意外と知らない、保険の落とし穴

【ママが知っておきたいお金の話】#4 意外と知らない、保険の落とし穴


最近の金融業界では「銀行・証券・保険」の垣根が低くなり、相互にサービスを連携できる仕組みが整いつつあります。

そんな中「お金」にまつわるあらゆる相談を、なるべくワンストップに、かつ自分の意見に沿ってできる存在は、今まで以上に必要性が増しています。

そもそもFPって何をしてくれるの?

保険 FP

ファイナンシャルプランナー(FP)というと、保険を取り扱っている人(=保険屋さん)というイメージがあるかもしれませんが、本来は、税務や社会保障の仕組みなどの知識を幅広く得たうえで登録できる、資格保有者です。

つまりFPは保険を取り扱うだけでなく、くらしとお金について幅広くアドバイスをくれる人。日本FP協会では「家計のホームドクター®」という表現をしています

ちなみにFPとよく似た表記で、IFAというものがあります。こちらは「Independent Financial Advisor(独立系ファイナンシャルアドバイザー)」の略です。証券会社で扱う金融商品のプロで、資産運用がメイン業務となります。

くらしをより豊かにするためにも、専属のFPやIFAをつけることをぜひおすすめします。

とはいえ全国にはたくさんのFPやIFPがいます。くらしのサポートを受けるわけですから、できるだけ信頼できる人に頼みたいですよね。

そこでここからは、FPやIFAを選ぶときのポイントをご紹介します。

FP・IFAを選ぶときの4つのポイント

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ポイント1
顧客の意見を尊重してくれるFP・IFA

「誰にとってもいい金融商品」というものは、実は存在しません。

なぜなら金融商品の良し悪しは、加入する方の経済状況や体の状態、家族構成、そして何より考え方によって異なるからです。

そのためFPやIFAを選ぶときは、「自分の意見を尊重してくれるか」をしっかりと見極めましょう。

例えば「高いコストを払ってまで掛け捨ての保険には加入したくない」という考えの方に「何を言っているんだ、掛け捨てでも保険は必要だ!」というFPは論外。

逆に「リスクを伴ってでも高い運用益が期待ができる資産設計がしたい」という考えの人に生命保険会社の終身保険を提案するのもアウトです。(IFA登録をしていないFPに多いパターンです)

私もお客様から相談を受けたとき、金融商品がベストな解決策にならないと思ったら、金融商品を提案しないこともあります。

ぜひ、自分の話を聞いてくれて、正しい道筋やアドバイスを提案してくれるFP・IFAをみつけてください。

ポイント2
商品が選べる環境にいるFP・IFA

私は今でこそ様々な商品が提案できる立場に身を置いていますが、以前は大手保険会社に所属していたため、その会社の商品しか提案できず心苦しい思いをしました。

先にお話したように金融商品の良し悪しは加入者の考え方によって決まるので、できるだけ価値観に沿う商品に加入するには、やはり様々な会社の商品を比較して提案できるFP・IFAを選ぶのがいいと思います。

もちろん、気に入っている金融機関があればそこに所属している担当者に相談してもいいと思いますが、特に会社にこだわりがない方は、まずは広く話を聞いてみるのがいいでしょう。

ポイント3
最新の情報を知っているFP・IFA

勉強 ペン テスト 本 研修

金融業界は、毎年の税改正や制度、市場が日々刻刻と変わる場所。FPやIFAが最新の情報を知っていないと、今ベストな提案をすることができません

ちなみに国家資格のFP技能士は一度修得すると永久資格ですが、日本FP協会のAFP・CFPは2年ごとの更新制で、更新にあたり研修やテストを受ける、執筆や講演を行う…など、必要単位が定められています。

AFP・CFP登録者を選ぶのも一つです。

ポイント4
わかりやすく説明してくれるFP・IFA

ここまで、顧客の意見を尊重でき、その意見に見合った商品の提案ができる環境下に身を置くFPやIFAを選びましょう、とお話してきました。

いい環境に身を置いていてもお門違いな提案をするFP・IFAではダメですし、高い志や知識はあっても、立場上提案ができないFP・IFAでは顧客サービスを全うできません。

さて、ここからが大切なポイント。私が3つの条件をお話してきましたが、結局それらの目利きをするのは、ご自身です

目利きをするためには、ご自身の「金融リテラシーを向上させる」ということがとても大切です。

「お金の話は難しい」とあきらめてしまってはもったいない。お金の知識は、一般教養があれば誰でも理解できるものなのです。

とはいえ自分で勉強するのは大変なことなので、3つめのポイントとして、「わかりやすく説明をしてくれて、金融知識を底上げしてくれるFP・IFA」を選ぶことをおすすめします。

金融商品のことがきちんと理解できれば、「投資は怖い」とか、「資産運用は他人事」のような考えにはならずに、子供が大きくなるまでの20年間、有意義に効率よく、お金を貯める/増やすことができるようにもなってきますよ。


佐々木愛子
ここまで連載を読んでいただき、ありがとうございました。

今回の連載をお受けしようと思った背景には、「子育てをする若い世代が、経済的に困っている現状をほっておけない」という気持ちがあります。「10代から金融教育を」というポリシーを掲げているのも、その理由です。

金融リテラシーや情報リテラシーは、一度に教授できるものではありません。コツコツ日々の積み重ねで、養われていくものです。

何かを始めためにキッカケが、何かを続けるために後押しが必要なとき、私がそのお役に立てれば幸いです。ぜひご相談ください。

佐々木FP事務所:https://fp-sasaki.tokyo.jp/about/


執筆:佐々木 愛子

執筆:佐々木 愛子

ファイナンシャルプランナー(AFP)、証券外務員Ⅰ種

10代で妊娠・出産・結婚を経験。離婚後無一文で子育てをスタート。お金の知識がないまま若くしてママになったため、「出産一時金とは…?」「児童手当とは…?」と、何から何までわからないことだらけ。生活費や子供の教育費を稼ぎながら独学で金融について勉強し、保険会社勤務時代はリーマンショック直後500世帯以上と契約を結ぶ。独立系証券IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)を経験後、個人事務所設立。10代のうちから金融、経済について学ぶ大切さを訴え活動している。
佐々木FP事務所:https://fp-sasaki.tokyo.jp/

佐々木 愛子

佐々木 愛子

執筆

ファイナンシャルプランナー(AFP)、証券外務員Ⅰ種 10代で妊娠・出産・結婚を経験。離婚後無一文で子育てをスタート。お金の知識がないまま若くしてママになったため、「出産一時金とは…?」「児童手当とは…?」と、何から何までわからないことだらけ。生活費や子供の教育費を稼ぎながら独学で金融について勉強し、保険会社勤務時代はリーマンショック直後500世帯以上と契約を結ぶ。独立系証券IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)を経験後、個人事務所設立。10代のうちから金融、経済について学ぶ大切さを訴え活動している。 佐々木FP事務所:https://fp-sasaki.tokyo.jp/