よだれかぶれの治し方と防ぎ方。正しい方法で赤ちゃんの口周りを守ろう!

一般的に、生後2〜3ヶ月頃になると、赤ちゃんはよだれが出始めるとされています。よだれが出るようになると、それに伴って赤ちゃんの「よだれかぶれ」が気になることでしょう。

そこで今回は、小児皮膚科医で3人のお子さんを持つ、恵比寿mamaクリニックの加藤円香先生に、よだれかぶれとはどのような病気なのかをうかがいました。

よだれかぶれってどんな病気?

よだれかぶれ

まず、「よだれかぶれ」の原因や症状について確認しましょう。

よだれかぶれの原因は?

「よだれかぶれ」と言うくらいなので、よだれだけが原因と思いがちですが、加藤先生によれば原因はそれだけではないようです。

加藤先生

加藤先生

よだれかぶれの原因には、次のようなものがあります。
● よだれ
● 離乳食
● 母乳・ミルク

これらが皮膚に付着して刺激となり、よだれかぶれが引き起こされるそうです。

また、乾いたタオルで口周りを拭くことも皮膚への刺激になるので、これが原因でよだれかぶれになってしまうことがあるとか。

よだれかぶれの症状は?

加藤先生によれば、よだれかぶれの症状には次のような特徴があるそうです。

加藤先生

加藤先生

よだれかぶれは、赤ちゃんがよだれを出し始めたり、離乳食を始めたりする頃になりやすいんです。

症状としては次のようなものが一般的ですね。
● 赤み
● カサカサ
● ジュクジュク

ちなみにニキビのようなプツプツした湿疹ができることはなく、できたとしたら、それはバイ菌が感染してしまっている可能性があるそうです。

よだれかぶれのできやすい部位は?

では、よだれかぶれはどのような場所にできやすいのでしょうか。

加藤先生

加藤先生

よだれかぶれはよだれがかかる部位であれば、どこでもできます。

例えば、指しゃぶりをする赤ちゃんの場合、指や手によだれかぶれができたりするし、よだれで首が濡れやすい赤ちゃんは首にできることもありますよ。

逆に言うと、口より上にはよだれが付きづらいので、基本的にはよだれかぶれはできません。できたとしたら、それは乳児脂漏性湿疹など、別の湿疹の可能性があるとのことです。

よだれかぶれの対処法・予防法は?

保湿剤 ワセリン

それでは、よだれかぶれになってしまったら、どう対処すればいいのでしょうか?

加藤先生

加藤先生

よだれかぶれになってしまったら、スキンケアを見直しましょう。

具体的には、以下の通りです。
1. 授乳や離乳食の前後に、その都度、肌をきれいにする。
2. 保湿剤を使って保湿する。


ちなみに、予防法もこれとまったく同じです。

もう少し詳しく見ていきましょう。

1. 肌をきれいにする

加藤先生によると、肌をきれいにするのにもやり方があるそうです。

加藤先生

加藤先生

口の周りに食べ物が付いたら、濡れたタオルで摘まみ取るようにしましょう。液体だったら押し当てるようにして拭ってください。
こするように拭き取ると、肌への刺激になってしまうので避けましょう。

2. 保湿剤を使って保湿する

おすすめの保湿剤と塗る量についても聞いてみました。

加藤先生

加藤先生

使う保湿剤は、肌を保護する効果が高いワセリンなどがおすすめです。
ベビークリームやベビーローションは油分が少なく、保護する効果が弱いのであまりおすすめしませんね。

保湿剤の塗る量は、塗った後に肌がテカテカしていて、ティッシュ1枚が貼りつくくらいと考えておけば大丈夫です。


よだれかぶれになってしまったからといって離乳食を与えるのを控えていると、赤ちゃんの成長に影響が出てしまうこともあるそうです。

そのため、できるだけ顔に湿疹ができないように予防を心がけた方がいいとのことでした。

よだれかぶれで知っておきたい3つのこと

スタイ

よだれかぶれには、他にも知っておいた方がいいことがいくつかあります。

今回は、それらの中から特に重要そうなものを3つご紹介します。

スタイが原因のよだれかぶれもある?

赤ちゃんのよだれ対策として、スタイを着けさせているママも多いと思います。しかし、そのスタイにも注意する必要があるようです。

加藤先生

加藤先生

次のようなスタイを使い続けていると、よだれかぶれになってしまうことがあるんです。
● よだれで濡れている
● 離乳食などで汚れている

この他に、スタイの素材によってもかぶれることがあるし、スタイと肌がこすれ合ってかぶれてしまうこともあるとのこと。

では、スタイでよだれかぶれにならないためにはどうすればいいのでしょうか?

加藤先生

加藤先生

スタイを使うのであれば、こまめに取り替えることが大事です。
また、素材は肌に優しい綿を選ぶとよいでしょう。

よだれかぶれで食物アレルギーになる?

よだれかぶれは“ちょっとした肌トラブル”程度に捉えられがちですが、実は食物アレルギーにも関係していて、けっして甘く見てはいけないものなんだそうです。

加藤先生

加藤先生

よだれかぶれなどの湿疹部分は皮膚のバリア機能が弱くなっていて、異物が体に侵入しやすくなっています。

そのため、よだれかぶれに母乳や離乳食などが付くと、成分が体の中に侵入し、それを体が異物だとみなして抗体を作るようになります。

その状態で同じ成分を含む食べ物を口に入れると、アレルギー症状としてじんましんが出たり、お腹を下したりしてしまうんです。

つまり、赤ちゃんがよだれかぶれになってしまったら、患部に母乳・ミルクや食べ物が付着しないように、授乳や離乳食のときは気をつけなければいけないということです。

よだれかぶれは病院に行くべき?

正しい対処をしても、よだれかぶれがなかなか治らない場合、病院で診てもらった方がいいのでしょうか?

加藤先生

加藤先生

よだれかぶれになったら必ず食物アレルギーになってしまうわけではありませんが、できるだけ病院で診てもらった方がいいでしょうね。
家庭で前述の対処法を1週間くらいやってみても治らなければ、病院へ行くべきだと思います。

よだれかぶれには適切に対応しよう!

保湿剤

よだれかぶれには「比較的軽い湿疹」というイメージがあるかもしれませんが、場合によっては食物アレルギーのきっかけにもなってしまうため、注意が必要です。

よだれかぶれになっても、なっていなくても、赤ちゃんの口周りは常に清潔にして、保湿剤を使って保護してあげるようにしましょうね。

取材協力

恵比寿mamaクリニック
恵比寿にある、ママと家族のための漢方&皮膚科クリニック。一般皮膚科だけでなく、小児皮膚科や美容皮膚科など、肌に関する悩みの総合的なサポートを行なう。


小野 佑仁

小野 佑仁

おのゆうじん

ビジネス書・自己啓発書の編集を経て、2017年末から「こそだてハック」「ninaru baby」の編集に携わる。大学院でヒトの遺伝子について研究していたため理系と思われがちだが、自分では文系だと思っている。1児の父として、家庭では主に料理と掃除を担当。なぜか社内では「ポテトさん」と呼ばれています。
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