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母ちゃんドクター須藤暁子先生の「ちょっと一息いれますか?」#1

育児をしていると、傷ついたり悩んだり、涙してしまうことって少なくないですよね。

そんなときに、「ふぅっ」と一息ついて読んでほしい「母ちゃんドクター 須藤暁子先生のエッセイ」をお送りします。

母ちゃんはみんながんばって、悩んで、涙している。あなたの心に、やさしい言葉が届きますように。

【♯1】自分だけうまくできない…

子供を保育園に預けて職場復帰しました。時間内に仕事が終わらず、仕事を詰め込んだバッグを抱えて、駅までダッシュする日々。

私は家事も得意ではありません。ご飯を作るのも下手くそ。整理整頓もダメ。何をするのにも時間がかかります。

子供は家では私に甘えてきますが、終わらない仕事で頭がいっぱいで「早く寝てよ!うるさい!」と怒鳴ってしまいました。

よそのママは仕事も家事も上手にこなしているのに、なんで自分だけすべてうまくできないんだろう…と涙が止まりません。

私、母親失格です。(みきママ)

『お母さん』じゃなくて、『あなた』へ

こんにちは。
話してくれて、ありがとうございます。
私が感じたことを、少し書いてみますね。

************

アンサーエッセイとしてこんなことを書いていいのかわからないけれど
私はいつも、自信がありません。

『母親』になってからは特に
私もあれこれと
悩んでばかりいます。

子どもを預けて仕事に行くときは
罪悪感に締め上げられているような気持ちです。

『本当にこれでいいのかな
今ごろ泣いていたらどうしよう。
私は子どもよりも仕事をとって
母親失格かもしれない。』

いつも、いつも、
母親としての正解を出せないような気がします。

家事が思うようにできないときは
自分以外のお母さんが
みんな素晴らしいような気がして、
子どもたちが不憫に思えてしまいます。

『どうしてうまくできないのかな。
私なんかがお母さんで子どもに悪いな。』

たぶん、
私がどういう選択肢をとったとしても
『母親としての私』はきっと
悩んでいるのだと思います。



でもさ。


たしかに
『自分が母親でごめんね』
『もっと優しくできなくてごめんね』って
私は何度も息子たちの寝顔をみては泣くのですが。

だからって、他の誰かになんか
この子たちを譲れるわけがない。

自分が身を引いていなくなることなんて、できないのですよね。

きっとそれで、
『母親』って
いいのだと思います。

この子と離れたくない
この子を渡したくない

そう思えるなら
あなたも、私も
きっと『母親失格』なんかじゃあなくて

『母親失格って思い込んでいる』だけで

まだちょっと
『母親をやること』に、
慣れていないだけなんじゃないかなって。

だって今まで、
子どもを産むまで、
私たちは自由で、
年齢は大人でも『母親の子ども』だったのですから。

それまでの『自分』を
子どもを授かった瞬間に
突然『その子の母親』に変えることって
とっても大変なことです。

私は『自分』を『母親』に移行させ始めて
もうすぐ7年。

やっと少しずつ慣れてきて
だいぶ手抜きもしていますが(笑)
まだまだ、まだまだ、
ほぼ毎日、『母親』としては悩んでいます。

だからもしかしたら
あなたも、まだちょっと
『あなた』と『母親』の切り替えに
とまどっているだけなんじゃあないかなと。


そう、だから自分を責めなくていいです。
その子の母親は『あなた』でいい。
『あなた』のまんまがいいのだと思います。

子どもが好きなのは
あなたが理想とする『お母さん』じゃなくて
『あなた』。

たとえ自分が思うような母にはなれていなくても
隣のお母さんがまぶしく見えても
誰がなんて言ったって

この世にたった一人の
『あなた』だけが許された
『その子のお母さん』の役目。

ありがたく、ゆっくりと
ありがたく、のんびりと

ちょっとずつ、慣れていこう。

ごはんがへたくそなこと?
大したこと、ないですよ。

子どもにとって
どんなに美味しいごはんより、
『あなたと食べられること』が嬉しい。

整理整頓がダメなこと?
それだって小さいことです。

子どもにとって
キレイに整頓されているかどうかより、
『あなたといるその場所』が大好きなのだから。

子どもは
ただ、あなたがいることが
『自分にとって』
最高で、最光で、最好で、最幸な
一番尊いことだと
ちゃんと知っています。

子どもは、あきらめない。
あなたを愛することを、絶対にあきらめない。

これでもか、これでもかって
他にほしいものなんかを見つけずに
あなたよりもあなたの事をわかって
ありったけのパワーであなたを愛している。

だから心配はいりません。
少し、力を抜いてくださいね。

そんなにも自分を責めないでください。
誰かと比べないでください。
自分の悪いところを探さないでください。

あなたには
あなたにしかない
『あなた』という良さがあります。

自分を責めるより
この子に出会わせてくれた自分に『ありがとう』
この子を生かしてくれている自分に『お疲れさま』

そうやって
たまには自分に
いい子いい子をしてあげてください。

あなたが『自分』を大切にすることが
あなたを選んでくれた
『あなたの大切な人』を大切にするということ。

大切なものは
大丈夫。

一番近くに、もうありますよ。

須藤先生エッセイ 
須藤 暁子

須藤 暁子

すとう・あきこ


1983年生まれ。
医師・執筆家。2人のヤンチャな男児のママ。育児と仕事に奮闘し、ときに悩む飾らない言葉が、多くのママから支持を集める。インスタグラム(@akiko_suto)では、日常生活を発信中。ブログ「Dr.須藤暁子の読むおくすり」は1日20万PVを誇る。育児に奮闘する毎日を綴ったエッセイは、3冊とも大好評発売中。

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