産後、なにか運動したいと思っているけど、赤ちゃんを預ける場所もないし…そんな思いを抱えているママにおすすめしたいのが、赤ちゃんと一緒にできる「バギーエクササイズ」です。産後も第一線で活躍し続ける、モデルの長谷川理恵さんも実践していたそうですよ。
今回はそんなバギーエクササイズの方法や注意点を、バギーエクササイズの指導を行う「日本母子健康運動協会」の監修でご紹介します。長谷川理恵さんから、特別にメッセージもいただきました!
バギーエクササイズって何?
そもそもバギーエクササイズとは、バギー(=ベビーカー)を使った、日常的な運動のことです。もともとアメリカで、ベビーカーを押しながら走る「バギーラン(ベビーカーランニング)」が流行し、それが日本にも入ってきました。日本の「バギーエクササイズ」は、ベビーカーランニングだけでなく、筋力トレーニングやストレッチなど様々なエクササイズも含んでいます。
ママにとって嬉しいのは、散歩中や公園に遊びに行ったとき、スーパーで買い物をしているときのついでなどに、赤ちゃんと一緒に、気軽に行えること。
「赤ちゃんを預けられない」「育児や家事で忙しい」という理由からなかなか体を動かすことができないママに、うってつけなのです。
バギーエクササイズで期待できる効果は下記のとおり。体だけでなく、心までケアすることができます。
バギーエクササイズで期待できる効果
- 産後の体力回復
- 産後のストレス解消
- 筋力や柔軟性の向上
- インナーマッスルの強化
- 肩こり・腰痛などの改善、予防
- 産後のシェイプアップ
バギーエクササイズの実践者
長谷川理恵さんにインタビュー!
バギーエクササイズを実践していた先輩ママに、モデルの長谷川理恵さんがいます。今回はそんな長谷川理恵さんから、ninaru babyを読んでいるママに向けて、特別にメッセージをいただきました!
産後もキラキラと輝き続ける先輩ママである長谷川さんに、バギーエクササイズを始めたきっかけや、感想を語っていただきました。
バギーエクササイズを始めたきっかけは?
妊娠中に筋力が減ってしまったせいか、産後は歩くのもきつくなってしまい、「このままではいけない!」とリハビリを決意しました。
しかし子供を預けることができなかったので、何か子供と一緒にできることはないかと探した結果、バギーエクササイズに出会いました。
バギーエクササイズをやってみて、どうでしたか?
私自身、妊娠前からずっとマラソンを続けていたので、バギーエクササイズの中でも、バギーを押しながら走る「バギーラン(ベビーカーランニング)」を行っていました。
ただ、当時はまだ都心に住んでいたので、近所でバギーランをするのは大変でした。
なので、ハワイやアメリカなど、海外に行く時とき一緒にバギーも持ち込んで、現地の公園で朝から走っていました。ハワイだと、アラモアナパーク。サンタモニカだと、ビーチウォーク。
東京だと代々木公園など、大きめな公園に行っていましたね。
バギーを押していると、自分1人で走るときよりも腹筋を使うので、特に上り坂の場所は良いトレーニングになりました。走るだけで気分転換にもなり、楽しかったです!
産後ママにメッセージをお願いします!
初めの一歩を踏み出すには勇気がいるけれど、まずはチャレンジしてみてください!
急に走らなくても、背筋をピンと伸ばして早歩きするだけでもいいと思います。私も走る気分じゃないときは、「お目当てのパン屋さんまでバギーで早歩きしよう」など、工夫していました。
自分にとって無理のない範囲でやってみてくださいね。応援しています!
バギーエクササイズの方法は?
さてそれでは早速、バギーエクササイズにチャレンジしてみましょう!
バギーエクササイズの指導を行う「日本母子健康運動協会」の大塚さんに、運動経験の少ないママでもすぐに実践できるバギーエクササイズを3つ教えてもらいました!
教えてくれたのは…
日本母子健康運動協会 代表理事大塚ひとみ
二児の母。一人でも多くの子育て中の女性が健康だと感じられる環境(社会)を目指すこと、そして未来に希望を持ちこれから母になる女性を応援するために、日本母子健康運動協会を設立した。
1. エクササイズウォーク
エクササイズウォークは、毎日の買い物やお散歩などを、エクササイズに変えてしまう歩き方!
体をしっかりと使って歩くだけなので、忙しいママでも生活に取り入れやすいエクササイズです。
エクササイズの基本姿勢
バギーエクササイズは、姿勢が大切。エクササイズに取り組む前に、正しい姿勢を作りましょう。
- 肘を軽く曲げた状態で、両手でベビーカーのハンドルを握る
- 背筋を伸ばし、軽く胸を張る
- 目線を赤ちゃんや足元ではなく、少し遠くの前方に向ける
- おへそを背中の方に引き込むようにして、お腹を凹ませる(きつめのズボンを履くときのようなイメージ)
エクササイズの方法
- やや大きめの歩幅を意識して、片足を前に出す
- 前に出した足はかかとから地面に付き、次につま先を着地させる
- つま先までついたら、足の裏で地面を蹴るようにして、体を前に進める
- 1〜3を繰り返し、15分ほど歩き続ける
● できれば、15分くらい止まらずに歩き続けられる場所で行うのがおすすめ。公園のサイクリングロードやウォーキングコースが◎。
● 靴はスニーカーなどの歩きやすいものを選んで。歩きだす前に靴紐の確認を忘れずに!
● 通気性がよく、動きやすい服を選びましょう。サウナスーツは☓。
● 骨盤ベルトやガードルは、できれば外して。かぶれて痒くなる可能性大。
2. カーフ ストレッチ
ももの裏側を伸ばすストレッチです。
妊娠中から産後にかけては、骨盤が前側に傾きやすく、反り腰になりやすいもの。するとももの裏側が固くなり、腰痛の原因にもなります。ももをしっかりほぐすことで、腰痛の予防にもつながりますよ。
エクササイズウォークの前後に行うのもおすすめです。
エクササイズの基本姿勢
- 足は拳ひとつ分くらい開いて立つ。このとき、つま先が左右並行になるようにする(内股やガニ股はNG)
- 肘を軽く曲げた状態で、両手でベビーカーのハンドルを握る
エクササイズの方法
- 片足を大きく後ろに引く。このとき、ガニ股にならないように、まっすぐ引くことを意識する
- 息を吐きながら前の足の膝をゆっくり曲げ、ベビーカーを前方に押し出す
- 15秒ほどキープしたら、前後の足を入れ替えて同じことを行う
● 痛くなるまで無理して伸ばさない。気持ちよく伸びるくらいでOK。
● 心地よければ何回やってもOK。信号待ちのときなどにもおすすめ!
3. ラテラル ストレッチ
体の側面を伸ばすストレッチです。
授乳や抱っこなど、赤ちゃんのお世話をしていると、知らない間に猫背の姿勢になりがちです。猫背になると、腰痛や肩こりになるほか、ネガティブな思考になりやすくなります。
体の側面を伸ばして猫背を解消することで、呼吸が深まり、疲れが取れたり、代謝が良くなったりする効果が期待できます。
エクササイズの基本姿勢
- ベビーカーに対して横向きに立つ
- 足を肩幅より少し広めくらいに開き、両方のつま先をやや外側に向ける
- 肘を軽く曲げた状態で、ベビーカーに近い方の手でハンドルを握る
エクササイズの方法
- ハンドルを握っていない方の腕を、空に向かって高く上げていく
- 大きく息を吸う
- 息を吐きながらベビーカーを前に押し、空に上げた腕を斜め上に伸ばしていく(体をベビーカーの方に倒す)
- 息を吐ききったら、吸いながら腕を1の位置まで戻し、吐きながらまた倒していく
- 3〜5回繰り返したら、反対側も同じことを行う
● 前かがみにならないよう、空にあげた腕は耳の横に沿わせましょう。
● 目線は空を見上げてみて。きれいな空に心も癒やされます。
バギーエクササイズの注意点は?
バギーエクササイズは手軽にできるのが良いところですが、赤ちゃんと一緒に行うので、安全は第一に考えなければいけません。
引き続き、大塚さんにバギーエクササイズを行う上ので注意点を教えていただきました。
1. ベビーカーの取扱説明書に書かれていることを守りましょう!
バギーエクササイズを始める前に、ベビーカーの取扱説明書をしっかりチェクし、説明書の範囲内で使用できているか確認しましょう。
規定の月齢や耐荷重を守っていますか?安全ベルトはきつすぎず、ゆるすぎず、正しく着用できていますか?
また、ハンドルにS字フックでバッグなどを下げているママも多いと思うのですが、メーカーの規定品でない場合は、安全のため取り外しましょう。
荷台に荷物を入れるのはOKです。取扱説明書に書かれている範囲内を守ってくださいね。
2. 天候の良いときに行いましょう!
バギーエクササイズは基本的に屋外で行うものです。天候が悪いときは無理に行わないようにしてくださいね。
例えば、雨の日や雪の日、猛暑の日などは控えたほうが良いでしょう。ベビーカーでの外出なので、無理のない範囲内で行ってください。
3. 赤ちゃんのお世話優先で行いましょう!
バギーエクササイズの途中で赤ちゃんが泣いてしまったときなどは、エクササイズを中断して、赤ちゃんのお世話を優先させてくださいね。
「バギーエクササイズをしよう!」と思ってベビーカーで出かけるときも、念のため抱っこ紐を持っておくのがおすすめです。ぐずった赤ちゃんを抱っこできるので安心ですよ。
バギーエクササイズのイベントにも参加してみよう!
この記事でバギーエクササイズに興味が湧いたという人は、日本母子運動健康協会が主催するイベントに参加してみるのもおすすめ!月齢が近い子のママたちと楽しく会話をしながら、気持ちよく体を動かすことができます。
詳しくは、日本母子運動健康協会のFacebookページをチェックしてみてください。バギーエクササイズだけでなく様々なエクササイズイベントが開催されているので、興味があるものを見つけたらぜひ問い合わせてくださいね。
取材協力:長谷川理恵
1973年12月1日、神奈川県生まれ。1993年よりファッション誌のモデルとして活躍する。現在は家族で鎌倉に移住。家族との時間を大切にしながら活動を続けるそのライフスタイルが、幅広い世代の女性に支持されている。自身の「美」と「健康」に関する知識を基に、食・ファッション・スポーツを通して様々なACTを推進。現在は、ヴィーガンパティシエとしても活動中。
取材協力:大塚ひとみ
日本母子健康運動協会の代表理事で、二児の母。一人でも多くの子育て中の女性が健康だと感じられる環境(社会)を目指すこと、そして未来に希望を持ちこれから母になる女性を応援するために、日本母子健康運動協会を設立した。