「熱が出たらお風呂はNG」…昔の育児の常識を医師に確かめてみた

「熱があるときにはお風呂に入れてはいけない」や「乳離れが遅いと虫歯になりやすい」、「最初の離乳食には親が噛み砕いたものをあげる」など、親世代や親戚といった人生の先輩方から、育児についてのアドバイスをもらうこともありますよね。

しかし、科学や医療は日々進歩しています。つまり、育児の常識も変わっているのです。

そこで、人生の先輩方からいただくアドバイスが、現在でも正しいものなのか、ninaru baby編集部が小児科医の先生に聞いてみました。

【そのギモン、私が答えます】

小児科/なごみクリニック武井 智昭

武井 智昭

日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県横浜市のなごみクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギー科を担当しています。感染症・アレルギー疾患、呼吸器疾患、予防医学などを得意とし、0歳から100歳まで「1世紀を診療する医師」として診療を行っています。

熱のときにお風呂はNG?

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ー赤ちゃんに熱があるとき、お風呂に入れてはいけない、と昔はよく言われましたよね。今もやっぱり発熱しているときにはお風呂に入れてはいけないのでしょうか?

武井先生

武井先生

赤ちゃんに熱があるとき、お風呂に入れてはいけないケースもあります。それは、子供の熱が38.0度を超えている場合。熱がそこまで高くない場合は、湯冷めしない程度に入れてあげるくらいなら入浴しても大丈夫です。

ー赤ちゃんの熱が38.0度を超えているときにお風呂に入ってしまうと、何がいけないのでしょうか?

武井先生

武井先生

熱が上がりすぎてしまったり、外気温との差が大きくなることで震えが起きて体調を崩してしまう可能性があります。

また、お風呂に入ることは、赤ちゃんにとって、結構疲れることでもあります。そのため、お風呂に入ることで病気と戦う体力を消耗してしまう恐れもあるんですよ。

ー熱が38.0度以上あってお風呂に入れないときでも、赤ちゃんの体は清潔にしてあげたいです。

武井先生

武井先生

そうですよね。そういう場合は、おしり拭きで下半身を綺麗にしてあげたり、濡らしたタオルで体を拭いてあげるくらいでいいでしょう。

ーずーっと熱が続く場合でもですか?

武井先生

武井先生

赤ちゃんがお風呂に入れないことをママ・パパとしてはかわいそうに思うかもしれません。

でも、熱が38.0度を超える日が続くようなら、やっぱりお風呂には入れない方がいいですよ。入院している赤ちゃんも、お風呂に入れないわけですし、お風呂に入れない日が続くことよりも、お風呂に入れてより体調を悪くすることを心配しましょう。

離乳食は親が噛み砕いたものをあげる?

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ー昔の育児の常識だったものとして、離乳食の最初には親が噛み砕いたものをあげるというものがありました。

武井先生

武井先生

これに関しては、今はNGとされています。

ーその理由として、ママ・パパの口の中にいる虫歯菌がうつるから、というのを聞いたことがあります。

武井先生

武井先生

そうですね。でも虫歯菌と呼ばれるミュータンス菌だけではなく、口の中には色々な菌がいます。場合によっては、ママ・パパの口の中にピロリ菌やアデノウイルスがいて、唾液を通じて赤ちゃんに感染してしまうこともありますよ。

乳離れが遅いと虫歯になりやすい?

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ー赤ちゃんの乳離れが遅いと虫歯になりやすい、なんていう噂もあります。これって本当なのでしょうか?

武井先生

武井先生

乳離れが遅い・早いは虫歯にはあまり関係ないと思いますね。ただ、母乳は乳糖という糖分を含むので、飲んだあとにケアをせずに放っておけば、もちろん虫歯になります。

ー虫歯になるかどうかは、乳離れの時期というよりも、ケアの問題ということでしょうか?

武井先生

武井先生

そうですね。乳歯は永久歯に比べて柔らかく、脆いという面があるので、生えはじめからガーゼで拭うなどのケアをしてあげましょう。乳離れが遅かったとしても、ちゃんと歯磨きしてあげていれば虫歯になることを防げますよ。

「熱が出たらお風呂はNG」などの昔の常識。真偽は医療関係者に確認しよう!

赤ちゃんを育てることは簡単ではありません。だからこそ、育児の経験者である両親や義両親、親戚などといった人たちは、赤ちゃんがちゃんと育つといいな、という優しさから、ママ・パパにアドバイスをくれます。

しかし、彼らの時代で常識だった育児のノウハウのなかには、現在はあまり意味をなさないものや、逆効果になってしまうものすらあります。

このようなアドバイスをもらった場合、実践するかべきか不安な場合には、小児科医や保健師さんなど、医療関係者に確認するといいでしょう。

もし先輩からもらったアドバイスが現代には合っていなかったとしても、優しさから言ってくれたことを忘れないのが大事です。これからも感謝の気持ちを持って接してくださいね。