添い乳で寝かしつけをしていると、断乳時の寝かしつけで苦労したり、夜泣きに根負けして断乳を諦めてしまったという話も聞きます。
入眠儀式の一つだったおっぱいにバイバイしたあと、多くの赤ちゃんはどのようにしてねんねできるようになったのでしょうか?
断乳を体験したママに、断乳後の寝かしつけについて取材しました。
いつ、断乳しましたか?
編集部でアンケート(※)をとったところ、多くの家庭で1歳前後で断乳していることがわかりました。
なかには、「1歳を過ぎたら断乳したほうがいい」という話を聞いて断乳したママもいるようです。
ですが、2002年に母子手帳から「断乳」の文字は削除されています。そして、WHO(世界保健機関)では、2歳頃までは母乳育児を続けることを推奨しています。
「周りが断乳したからそろそろ…」ではなく、赤ちゃんとママの都合を最優先して、いつまで母乳育児を続けるか決められるといいですね。
断乳後の寝かしつけ、初日が最大の山!
実際に断乳(夜間断乳を含む)をしたママに、寝かしつけにどれくらい手こずったのかを教えてもらいました。
グラフからもわかるとおり、初日は85%ものママが寝かしつけに苦労していました。
1歳ごろになると赤ちゃんも体力がついてくるので、長時間に渡って泣き続けることも珍しくありません。
ですが、2日目には「とても苦労した」が半分以下に減り、5日目にはママたちの苦労は嘘のように減っていることがわかります。
【先輩ママ発】断乳時の寝かしつけ体験談
この章では、実際にどれくらい寝かしつけに苦労したのか、そしてどのように寝かしつけをしたのか、先輩ママの体験談をご紹介します。
泣いても寝たフリで通しました!
● 断乳した月齢:1歳3ヶ月
● 断乳した理由:ママの体調不良
● おっぱいとバイバイできるまで:5日
「そろそろ断乳しようかな…」と思っていたタイミングで私がインフルエンザになったことがきっかけで、断乳しました。
初日はそれほど夜泣きをしなかったのですが、3日目と4日目は泣いて泣いて大変でした…。抱っこしてトントンはまったく利き目がなく、わざとらしく寝息を立てて寝たフリをしていたら、あきらめたのか眠ってくれました。
断乳中は泣いて泣いてそれどころではありませんでしたが、「もうおっぱいはないんだ」と理解したあとは、寝る前の絵本を楽しむようになり、入眠儀式になったようです。
赤ちゃんはおっぱいが大好きなので、すんなり断乳できることのほうが珍しいと思います。だからこそ、親がめげてしまうと、赤ちゃんは混乱してしまかも。
親がブレない態度を貫き通したほうが、赤ちゃんも気持ちの整理がつきやすいと思います。(ブルブルちゃんママ)
外に連れ出して気をそらせました
● 断乳した月齢:1歳2ヶ月
● 断乳した理由:第二子の妊娠
● おっぱいとバイバイできるまで:7日
おっぱいの時間と回数を徐々に減らしていき、断乳する日に印をつけたカレンダーを見せて「おっぱいとバイバイだよ」と2週間くらい言い聞かせ続けました。
そして、夫が3連休のタイミングで断乳にチャレンジ!最後のおっぱいは意外とあっさりしていたので、「あれ?こんなものかな」と思ったのですが…。
夜泣きがひどく、大泣きを通り越してギャン泣き状態。外に連れ出して気を紛らわせたり、子供が大好きな動画を見て、どうにか気をそらせて乗りきりました。
うちは、おっぱいとバイバイするのに1週間もかかってしまいました。めげそうになるけれど、いつかは必ず終わりがやってきます!(マミィママ)
抱っこして歌を歌い続けました
● 断乳した月齢:1歳6ヶ月
● 断乳した理由:妊娠を希望して
● おっぱいとバイバイできるまで:4日
子供が牛乳が大好きだったので、「おっぱいが出なくなっちゃったから、牛乳を飲んでねんねしようね」と言い聞かせました。それでも、4日間は寝かしつけに苦労しました。
まずは好きな牛乳を飲ませ、それでもダメなら抱っこ紐で抱っこして子供の好きな歌を歌いました。抱っこのままウトウトしてくるのをひたすら待ち続け、寝落ちしたところでお布団に下ろしました。
断乳3日目まではお風呂に一緒に入るのも避け、おっぱいは見せないようにしました。(てんちゃんママ)
どのママも、いろいろな方法を試しながらも、長期戦で乗りきったことがわかります。
これから断乳を予定しているママは、寝かしつけ方法をいくつか用意しておきましょう。またスンナリ行かないことも覚悟しておくとよいかもしれません。
断乳後、なぜ寝かしつけに手こずるの?
多くのママが、断乳後の寝かしつけに苦労していることがわかりました。
断乳後、なぜ、こんなにも寝かしつけに手こずってしまうのか、その理由を助産師の菊池先生に教えてもらいました。
菊池先生
赤ちゃんが不安を感じているのかも
寝る前の授乳が習慣になっている赤ちゃんは、入眠儀式のおっぱいがなくなることに大きな不安を感じることもあります。
また、赤ちゃんがおっぱいとバイバイすることを理解していないと、大切なものが突然なくなってしまったように感じるかもしれません。
寝かしつけの授乳が最後まで残っていて断乳する場合は、赤ちゃんにしっかり言い聞かせをしてから断乳をするといいですね。
それでは、赤ちゃんが少し不安になっているときは、どのようにして寝かしつけるとよいのでしょうか?
先輩ママ発!
断乳後の赤ちゃんを寝かしつけるテク
多くのママが実践していた断乳後の赤ちゃんを寝かしつけ方法について、菊池先生にアドバイスをしてもらいました。
これから断乳をする予定のあるママは、ぜひ参考にしてくださいね。
お気に入りのタオルを持たせました
断乳後の寝かしつけでは、うちの息子も大泣きをしました。
しばらく抱っこであやしていたのですが、お気に入りのガーゼを持たせたところ安心したのか、大事そうに握ったまま眠ってしまいました。安心できる材料が欲しかったのかもしれません。
ぞのママ
菊池先生
おっぱいのほかに興味を持ったり安心感を感じたりするものがあると、おっぱいへの執着をそらすことができます。
断乳をするときは、おっぱいより好きなもの、楽しいことを見つけておくといいですよ。
足の裏をマッサージしました
新生児の頃から、足の裏をやさしく押すと気持ちよさそうにしていたので、断乳後の寝かしつけで取り入れてみました。
さすがに大泣きしているときは効果はありませんでしたが、落ち着いてきてからマッサージすると、気持ちよさそうにしていました。
kumママ
菊池先生
おっぱい以外の愛情表現・コミュニケーションの手段として効果的ですね。
足の裏だけでなく、全身をやさしくマッサージしても。抱っこしたり、ぎゅっと抱きしめたり、言葉で愛情を表現してあげるのも効果的ですよ。
パパと交代しながら背中をトントン
パパの連休に合わせて断乳したので、交代で抱っこして背中をトントンし続けました。
ふだんの寝かしつけだけでなく、グズったときも私があやしていたので、パパのトントンはあまり好きではなかったようです。途中からは、私が一人でがんばりました。
けんちゃママ
菊池先生
とてもいい方法ですね。背中の叩き方は、赤ちゃんが慣れたリズム・強さのほうがよいでしょう。パパのリズムや強さは、いつもと違ったのかもしれませんね。
ぜひパパに、いつもの強さとリズムを教えてあげてください。
お風呂と寝かしつけの時間を固定しました
生活リズムを整えたほうがよいと思い、夜ごはん・お風呂・寝かしつけの時間を固定しました。
子どもに、お風呂に入ったらそろそろねんねの時間ということを覚えてほしかったので、このようにしました。
あらんママ
菊池先生
なるべく同じ時間にお風呂や寝かしつけをするのは、生活リズムを整える意味でもいいこと。家庭の状況に合わせて、時間を決めてくださいね。
スパウトで白湯を飲ませました
ママ友から「泣いて起きたときにスパウトで白湯を飲ませたら、そのまま寝た」という話を聞いていたので、寝かしつけのときに試してみました。
すると、口寂しさが解消されて安心したのか、そのままスーッと寝てしまいました。うちの子には効果がありました。
yurinママ
菊池先生
夜中に起きてしまったときに、すぐに飲ませてあげたほうが赤ちゃんは落ち着くかもしれません。枕元に麦茶や白湯などを用意しておくといいですね。
助産師のおすすめ!断乳後の寝かしつけテク
ここまでは、先輩ママがおすすめする断乳後の寝かしつけテクを紹介してきました。
続いては、助産師の菊池先生がおすすめする、断乳後の寝かしつけテクを紹介します。いろいろ試して、赤ちゃんに合う方法を見つけてくださいね。
菊池先生
日中、外遊びをする
日中、外に積極的に外出していろいろな人と会ったり、たくさん体を動かして刺激を増やすと、夜、入眠しやすくなります。保育園に入園する前なら、近所の支援センターなどに行くのもおすすめですよ。
寝る前のルーティンを作る
おっぱいの代わりとなる、入眠儀式を作ってあげるのも効果的です。絵本を読んだり、眠りやすいゆったりしたテンポの歌をうたってあげるのもいいですよ。
パパに寝かしつけ方法を教える
断乳後、赤ちゃんがスムーズにねんねできるようになるには時間がかかることもあります。 パパに寝かしつけを手伝ってもらえるとママの負担が減るので、パパに寝かしつけをできるようになってもらいましょう。
断乳後も赤ちゃんが安心して眠れる工夫を
おっぱいは、ある年齢からは体の栄養だけでなく、心の栄養になるとも言われています。
ですが、赤ちゃんはずっとおっぱいを飲み続けていけるわけではなく、いつかはおっぱいとバイバイする日がやってきます。
断乳を検討する際は、赤ちゃんが安心してねんねできる工夫も、一緒に検討してくださいね。
取材協力:菊池 はるな
助産師
茨城県立中央看護専門学校助産学科卒業後、総合周産期センターの産婦人科・NICU勤務を経て、現在は横浜市内の産婦人科クリニックに勤務するかたわら、小児科での母乳外来や産後ケアも担当しています。お母さんと赤ちゃんに寄り添いながら、妊娠生活や出産、育児が楽しめるようなサポートを心がけて、日々働いています。現在、IBCLC(国際ラクテーションコンサルタント)取得のために奮闘中です。
※アンケート概要
実施期間:2019年2月7日~2019年2月9日
調査対象:子育てアプリ「ninaru baby」利用者
有効回答数:220件
収集方法:Webアンケート