【乳腺炎の予防法】助産師が教える、本当に効果的な方法って?

授乳中のママの心配事のひとつといえば、乳腺炎。授乳をしているママの、約2〜3割が発症するといわれています(※1)。

今回はそんな乳腺炎について、先輩ママたちにアンケートを敢行(※2)。実際にどんな症状が出るのかを踏まえ、予防方法をご紹介します。現役助産師さんのコメントつきです!

乳腺炎とは?

乳腺炎 乳房

そもそも乳腺炎とは何なのか、最初に少しだけご説明しますね。

乳腺炎とは、母乳を作る「乳腺」という部分が炎症を起こしてしまった状態のことをいいます。

炎症が起こる原因は多々ありますが、母乳が溜まりすぎることや、細菌が入ることなどが主な原因といわれています。きついブラジャーの締め付けなども原因になるとされています。

こんなに痛い!乳腺炎の症状は?

予防方法を見ていく前に、乳腺炎の症状についても少しおさえておきましょう。実際に乳腺炎になった経験のあるママたちにアンケートを取ったところ、下記のような症状に悩まされてたという結果になりました。

IG 乳腺炎

※複数回答含む

症状としてもっとも多かったのが、日常的な胸の痛み。授乳中にのみ胸の痛みを感じた人を入れると、ほぼ全員が感じた症状でした。

風が当たっても痛い。 着替えも痛い。 腕を動かす動作が辛く家事が苦痛で仕方なかった。でもやるしかなくて泣きそうだった。出産よりツラい2週間でした…。(ショコラ)

ちょっと触るだけで激痛…。涙ものでした。(E)

痛みについで、乳房の腫れやしこり、発熱などが上位に。なかには、乳腺炎の症状とはなかなか気づけなかったママもいたようです。

とにかくダルいし寒気がする。風邪と間違えました。 よく見ると胸が赤くポコポコっと腫れていて、気が付きました。(しゅこう)

乳腺炎は予防が大事!今日からできる予防法とは?

「痛い」「つらい」とママ泣かせな乳腺炎ですが、自宅でのケアやちょっとした工夫で、予防することが可能です。

乳腺炎で苦しむ前に、自宅で予防法を試してみてくださいね。

ここからは、実際にママたちが行っていた予防法と、助産師さんからのアドバイスをご紹介していきます。

予防法1. 授乳方法を工夫する

・乳腺炎の予防のために、基本、授乳は15分以内で、左右交互に飲ませました。片方だけで終わらせないようにするため、最初の方を短めにして、交互に飲ませています。(しゅこう)
・つまりやすい部分もちゃんと吸えているか、授乳中に胸を押さえたりして予防していました。(sato*chi)

片方ばかりだけでなく両方の胸から均等に飲ませる、詰まりやすい部分を押し出すなど、乳腺炎の予防として、乳腺が詰まらないように授乳方法を工夫するママが多く見られました。

助産師の佐藤さんもこの予防法には肯定的でした。

佐藤さん

佐藤さん

【左右まんべんなく、が大切◎】
片方からばかり飲ませていると、反対側のおっぱいがトラブルを起こしやすくなります。両方のおっぱいからまんべんなく飲ませるようにしてくださいね。

授乳回数を増やすとおっぱいに刺激がいって、より母乳が作られてしまうので、回数は増やさず、一回の授乳で左右のおっぱいからしっかり授乳するようにしましょう。

予防法2. 授乳時の抱き方を工夫する

・飲ませる方向を変えるために、抱き方を途中で変えながら飲ませるように心がけました。(ぽんちゃん)
・乳腺炎予防のために、色々な抱き方で授乳をするようにしました。(ショコラ)

乳腺炎を予防するためには、授乳方法を工夫するだけでなく、「赤ちゃんがおっぱいを飲みやすい抱き方」を考えるのもポイントのようです。

いいポジションを探るために、最初のうちはいろいろな抱き方を試してみるのが、乳腺炎予防のためにもよさそうですよ。

佐藤さん

佐藤さん

【試してみましょう◎】
いつも同じ抱き方ではなく、ぜひいろいろな抱き方を試して飲ませてあげてくださいね。まんべんなく飲ませられているかを考えながら、抱き方を変えてみましょう

予防法3. ブラジャーをゆるめにする

・一度乳腺炎になってしまったので、予防のために、ワイヤーがある授乳ブラからノンワイヤーの授乳ブラに変えました。(リサ)

最近は、ノンワイヤーのブラジャーやカップ入りのキャミソールなども多く販売されていますね。乳腺炎予防のためにも、自分の体型に合うブラジャーを探してみましょう。

佐藤さん

佐藤さん

【ほどよいサイズ感が大事◎】
下着は、締め付けすぎると苦しいですし、あまり緩すぎるととおっぱいが揺らされて刺激になってしまうかもしれません。乳腺炎を予防するには、ほどよいサイズ感が大切ですよ。

予防法4. 食事に気をつける

・甘いもの、油っこいものを食べ過ぎないようにして予防していました。(ゆきんこ)
・乳腺炎予防のためにも、脂っぽいものは控えて、根菜類(ごぼう、レンコン)をたくさん食べるようにしています。(みー)

食事と乳腺炎の関係に、医学的な根拠があるわけではありません。しかし多くのママが、食事に気をつけることで乳腺炎の予防をしているようです。

佐藤さんも、臨床の経験から下記のように教えてくださいました。

佐藤さん

佐藤さん

【ぜひ、気をつけましょう◎】
乳腺炎を予防するためにも、食事は気を付けたほうがいいですね。とくにチーズ、バター、生クリーム、チョコレート、カレーなどに含まれる「ラード」を食べた後に、つまりが起こる人多い印象です。

乳腺炎を予防するために、専門機関を受診するのもあり!

乳腺炎を予防するためには、もちろんこれまでご紹介したようなホームケアも大切です。しかし助産師の佐藤さんは、「少しでも気になる症状があるなら、予防のためにも早めの受診を心がけて!」と言います。

佐藤さん

佐藤さん

【早めの受診が大切です】
ママたちは、おっぱいの変化を常に気にかけるようにすると良いでしょう。

例えば、授乳をした後でもいつも同じところにしこりがある、乳房の一か所に赤みがある、吸わせるとズキズキ痛む感じがするなどの症状が毎回の授乳で続くようであれば、早めに母乳マッサージをしてくれるところに連絡してください

大切なのは、早いうちに受診することです。乳腺炎が悪化すると39~40度近く熱が出る人もいて、そこまで熱が出たころには、乳腺炎自体を治すのに時間がかかってしまいます。

受診する際はできれば、助産院など、母乳マッサージに特化した施設をおすすめします

乳腺炎を予防するためにも、乳腺炎のような症状がひどくなる前の段階で専門機関を受診することが大切です。

毎日のおっぱいケアの一環として、かかりつけの助産院や母乳外来を持っておくと良いですね。

予防しても乳腺炎になっちゃった…対処法は?

どんなに予防をしていても、乳腺炎になってしまうことはあるのが現実…。乳腺炎になったら、自宅でしっかりとケアを行うことが大切です。

先輩ママたちに人気だったケア方法をご紹介するので、予防しても乳腺炎になってしまったというときは、試してみてください。

胸の周りを冷やす

・キャベツを凍らせて、ラップをして冷やしました(キャベツ湿布)。(リサ)
・保冷剤や冷えピタを使って、授乳後少し冷やしていました。(ショコラ)
・全身の血行がよくなると更に悪化するので、入浴をやめました。里芋粉湿布は効き目抜群でした!(けーびー)

胸の周りが熱を持っている場合は、授乳後などに冷やすのが効果的。

先輩ママは、市販されている保冷剤や冷却シートのほか、キャベツや里芋粉など、食材・食品を湿布として使っている人が多いようでした。

佐藤さん

佐藤さん

【一時的な対処ならOK◎】
赤みや痛み、しこりがある場合には、一時的に冷やしてください。
キャベツ湿布はほどよく冷やすという点では気持ちよく感じると思います。しかし症状がひどいときには、ガーゼにくるんだ保冷剤で冷やすほうがより効果的ですよ。

搾乳する

・乳腺炎になると絞りきるのがいいと聞いたので、搾乳器ではなく、とにかく手で乳腺の端から押し出すようにマッサージしながら出しきっていました。(sato*chi)
・詰まり気味のおっぱいから先に授乳していました。でも味が違うのか、娘は詰まっていない方のおっぱいばかり飲んだので、詰まっている方のおっぱいを自分で搾乳していました。(みー)

乳腺炎は母乳が詰まることで起こるので、詰まりを解消するのも効果的。痛いと思いますが、赤ちゃんにしっかり飲ませ、必要に応じて搾乳をしましょう。

佐藤さん

佐藤さん

【手搾りがおすすめ◎マッサージはNG】
まずは赤ちゃんにしっかり飲ませましょう。それがうまくいかない場合には、搾乳をすることも一つの方法です。

その場合は搾乳器にだけ頼るのではなく、しこりのある部分を片方の手で軽く圧迫して、もう片方の手で手搾りすることをおすすめします。

このとき、おっぱいマッサージはしないように気をつけましょう。母乳がたくさん作られると、詰まって症状が悪化してしまいます。

乳腺炎は予防が大切!

乳腺炎になると、様々な症状が出て本当につらいもの。そのため、毎日の予防が大切です。今回ご紹介した予防法をぜひ試してみてくださいね。

日々のちょっとした工夫が乳腺炎の予防につながります。しっかり予防して、赤ちゃんとの授乳タイムがいつも幸せなものでありますように!

※2 アンケート概要
実施期間:2018年9月13日~9月17日
調査対象:授乳経験のあるママ
有効回答数:25件
収集方法:Webアンケート


取材協力:佐藤 裕子

取材協力:佐藤 裕子

助産師 / マタニティハウスSATO


日本赤十字社助産師学校卒業後、大学病院総合周産期母子医療センターにて9年勤務。現在は神奈川県横浜市の助産院マタニティハウスSATOにて勤務しております。妊娠から出産、産後までトータルサポートのできる助産院では、日々多くのママたちからの母乳相談や育児相談を受けています。具体的に悩みを解決でき、ここにくると安心してもらえる、そんな助産師を目指しています。