母乳に関する悩みと聞くと「出ない」ことに着目されがちですが、「出すぎる」ことで悩んでいるママも多いことをご存知ですか？
今回は、母乳が出すぎて特に悩んでいた先輩ママの体験談と解決方法を徹底取材。助産師さんにアドバイスも伺ったので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
母乳が出すぎることで頻発するトラブルは？
- 乳腺炎になりやすい
- 母乳が漏れて洋服が汚れやすい
- 赤ちゃんが授乳中にむせてしまう
どんどん母乳が出てしまうので、授乳するだけでは全く解消されず…常に乳腺炎に悩まされていました。辛さのあまり、イライラして旦那にストレスをぶつけてしまっていた気がします。（tomoさん 30代1児のママ）
母乳パッドが少しズレただけですぐに母乳が漏れてしまうので、気が付くといつも洋服に染みが…。いつの間にか、子供を連れて外出するのも億劫になってしまいました。（ゆきママさん 40代2児のママ）
母乳が出すぎて悩んだ…けど私はこうやって乗り切りました！先輩ママインタビュー
母乳が出すぎて悩んだ経験のある先輩ママの代表として、「ninaru-baby」編集長の磯部に話を聞きました。
▲磯部：6歳の男の子と1歳の女の子のママ（30代）
母乳が出すぎて辛かったエピソードを教えてください
とにかく常に胸が張りすぎて痛いし、母乳パッドから漏れて服がビショビショになることは日常茶飯事。
うちの子は夜泣きもせず、一度寝たら一切起きない睡眠の深い子だったので、朝起きたら胸がパンパンになることも。
そのため乳腺炎にもよくなって、その度に胸が岩のように硬くなってしまって凄く辛かったですね。
特に辛かったのが、みたらし団子をお昼に食べた日の夜中に、急に40度の熱が出て胸がカチカチに張ってしまったことがあって…。悪寒と冷や汗が止まらず、深夜に救急に駆け込んだこともあります。 （そのときは乳腺炎だと気づいておらず）
高熱のため過呼吸になり、体中の酸素がなくなり、すべての指が驚くほど反り返って凄く痛くて。意識が朦朧とする中で幻聴も聞こえて、病室で息子の名前をずっと叫んでいました。
今思えば、悪寒がするからといって温かいお風呂に入ってしまったのもいけなかったのかも。
過呼吸が落ち着いたあと、「原因不明」と解熱剤を渡されて家に帰ったのですが、よくよく考えたら「これは乳腺炎なのでは！」とやっと気づき…。
翌日、搾乳器で絞っても改善しなかったので、桶谷式の母乳外来に行きました。
母乳の詰まりが取れたら熱も下がり過呼吸も治ったので、それ以来、桶谷式に通ってケアをするようになりました。
母乳が出すぎるママの多くが経験する乳腺炎を防ぐために、実践したことはありますか？
食べ物には、先ほどの経験以降は特に気を付けていましたね。特にもち米などは、母乳が粘りやすくなって詰まりやすい気がしたので注意しました。
胸が張ったときはお風呂に入らず、シャワーだけにしました。
他には、乳腺炎にはキャベツ湿布が効くと聞いたので、キャベツをそのためだけにひと玉購入。葉っぱで胸を覆い、その上からさらしを巻いていました。
あと「張りそう！」って思ったら、乳腺炎が怖くてすぐ葛根湯を飲んでいました。
飲ませ方で工夫した点は何かありますか？
授乳するときは、子供の体勢を変えながら、様々な方向から吸ってもらっていましたね。
脇の下が張りやすかったので、色んな角度を試して正解を見つけては喜びを感じていました。
母乳が出すぎて悩むママにおすすめのものがあれば教えてください
先輩ママに勧められて購入した『最強母乳外来』が私のバイブルでした。
右も左も分からない最初の段階で、これを読み込んで完全母乳を軌道に乗せることができました。「出ない」場合も「出過ぎ」な場合も、母乳関連で悩んでいるママにおすすめです。
- 税込価格
- 1,020円
助産師さんの見解とアドバイス
キャベツ湿布は効果がありますか？
佐藤さん
ほどよく冷やすという点では、キャベツ湿布は気持ち良く感じるかと思います。
しかし重症な乳腺炎の場合は、ガーゼにくるんだ保冷剤で冷やすほうがより効果的ですよ。
おっぱいが張っているときに、葛根湯を飲むことは効果がありますか？
佐藤さん
授乳をしたら胸の張りが落ち着く程度であれば、ただたまっているだけなので、乳腺炎ではないので葛根湯を飲む必要ありませんよ。
葛根湯は熱の出始めなどには少し効くかもしれませんが、発熱まで起こしている乳腺炎については専門的なマッサージや、鎮痛解熱剤や抗生剤が必要になることがほとんどです。
夜中ぐっすり眠る子供を起こしてまで授乳をする必要はありますか？
佐藤さん
日中しっかり飲めていて赤ちゃんがよく寝ているのであれば、夜中無理に起こす必要はありません。
でもおっぱいの分泌が多く眠れないほど張ってしまっている場合には、夜中に1回搾乳をすることも一つの案です。そこまででなければ、朝しっかり赤ちゃんに母乳を飲ませてあげましょう。
乳腺炎になりにくい飲ませ方はありますか？
佐藤さん
いつも同じ抱き方で飲ませるのではなく、フットボール抱きや縦抱き、交差横抱きなどを取り入れて飲ませることで、まんべんなく吸ってくれるようになりますよ。その結果、飲み残しが減り乳腺炎を予防できます。
母乳が出すぎて起きるトラブルは乳腺炎以外にも…子供が窒息の危機！？
同じくもう1人、母乳が出すぎて悩んだ経験のある先輩ママとして、弊社コーポレート部の近藤にも話を聞きました。 乳腺炎には悩まされなかったようですが、別のトラブルを抱えていたようで…
▲近藤：12歳の女の子と10歳の男の子のママ（30代）
母乳が出すぎて困ったエピソードを教えてください
当時の私は、母乳パッドが2時間もたなかったんですよね。本当にすぐビショビショになって、その度に変えての繰り返しで。
寝て起きたらシーツがビッチャビチャ。洗濯も毎日大変でした。
母乳パッドは1日10枚くらいは使っていて、おむつと同じくらいかそれ以上の頻度で使っていたかもしれません。
あまりに出るので子供も授乳のときに飲みきれなくて、窒息しちゃうんじゃないかって心配なほど。 毎回ゴボゴボむせちゃって、飲みきれなくて口からも母乳がよく溢れ出ていました。
泣いちゃうし、子供も死んじゃうんじゃないか…ミルクに変えようかと悩んだくらいです。
母乳の漏れや、子供がむせてしまうのを防ぐために実践していたことはありますか？
毎回授乳の前に、バスタオルを胸に被せて絞り、母乳を染み込ませるようにして出していました。
タオルで少し母乳を絞ってから飲ませると、ちょうど良い感じに量を調節して授乳ができたので。
お出かけするときの対策があれば教えてください
3〜4時間の外出だとパッドは変えないと漏れる危険性があるため、替えは必ず数枚持参。
あと、家のように漏れてもすぐ対処できない場合もあるので、なるべく外ではミルクに切り替えるようにしていましたね。
助産師さんの見解とアドバイス
母乳の出が良すぎてむせがちな赤ちゃんに、上手に飲ませるコツはありますか？
佐藤さん
むせる原因は、おっぱいをくわえた瞬間から勢いよくおっぱいが出ているからかもしれません。
飲ませる前に軽く手で搾乳をして、少し出を落ち着かせてから飲ませるという方法があります。
おすすめの母乳パッドはありますか？
佐藤さん
母乳パッドは蒸れることで肌に合う合わないがあるので、肌がデリケートな人は素材をよく見て買うと良いと思います。
また、赤ちゃんに使うガーゼハンカチは肌にも優しいので、それを母乳パッド代わりに使うのもひとつです。
出過ぎる母乳はうまくケアしていきましょう
母乳が出ないと悩んでいるママからすると、「羨ましい」と言われることもあると思いますが、このように「出過ぎ」でも母乳のやおっぱいのケアには手間がかかるもの。
「出過ぎ」は「出過ぎ」の悩みがありますよね。
先輩ママに行った母乳に関する悩みのアンケート回答でも、30％のママが「母乳が出すぎる」ことに悩んでいるのが明らかになっています（※）。
先輩ママの体験談や、助産師さんからのコメントを参考に、自分なりの対処法を見つけてみてくださいね。
取材協力：佐藤 裕子
助産師 / マタニティハウスSATO
日本赤十字社助産師学校卒業後、大学病院総合周産期母子医療センターにて9年勤務。現在は神奈川県横浜市の助産院マタニティハウスSATOにて勤務しております。妊娠から出産、産後までトータルサポートのできる助産院では、日々多くのママたちからの母乳相談や育児相談を受けています。具体的に悩みを解決でき、ここにくると安心してもらえる、そんな助産師を目指しています。
※アンケート概要
実施期間：2018年9月13日～2018年9月17日
調査対象：子育てアプリ「ninaru baby」を利用しているママ
有効回答数：2,560件
収集方法：Webアンケート
※表示価格は、時期やサイトによって異なる場合があります。詳細は必ずリンク先のサイトにてご確認ください。
