なんだかイライラする、肌が荒れる、疲労感が抜けない…病院に行くほどではないけどなんだか調子が悪い「なんとなく不調」を抱えていませんか?
この連載では、その「なんとなく不調」を食事を通して改善する方法を、KADOKAWAから発売中の書籍『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』からご紹介します。
#1 なんとなく不調=「未病」の原因
ダルさが抜けなかったり、感情がコントロールできなかったり、やる気が急になくなったり……ということは、みなさん感じたことがあると思います。
でも、その状態がずっと続くと、「私って大丈夫なのかな?」と心配になりますよね。
ただ、病院に行っても、検査で異常が見つからなければ、特に対策をとれないと思います。西洋医学では、病名がつかないと治療できないことがほとんどです。
漢方では、このような状態を「未病」と呼びます。
そんな「未病」を招く原因を大きく分けると、次の3つが考えられます。
1. 胃腸の状態が良くない
2. 体に必要な「気・血・水」が不足している
3. 「気・血・水」の巡りが悪い
※漢方では、体の中で生命維持に必要なものを「気・血・水」と呼び、それ以外の不要なものを「痰湿・湿熱」と呼んでいます。
未病を招く「なんとなく不調」を取り除くには「気・血・水」を整える必要があります。
なぜ食べ物は「最強の薬」なのか
今の体は、過去の食事の積み重ねでつくられています。すぐに不調を取り除く「薬」と、徐々に体質を変えていく「食事」。この2つを比べると、効果がわかりやすい薬のほうを選ぶ人が多いかもしれません。
しかし、一生使い続ける体のことを考えると、不具合を感じたときには、その都度、根本からメンテナンスをしていくことの重要性がわかると思います。
また、食事は体を構成する栄養として重要ですが、もう1つ、食事がダイレクトに体に与える影響があります。
それは、腸内環境に対する影響です。
腸内で善玉菌が過ごしやすい環境をつくることができると、私たち自身にとっても健康で過ごしやすい状態になります。
食薬では、未病解決のために「栄養」と「腸活」のバランスを同時に整えます。
人間の体質は5つに分けられる
漢方では、全身のバランスを整えることを目指します。その結果、主要な症状を治そうとすると、思ってもいなかった他の不調も連動して改善することができます。
この関連性をひもとくために、漢方では「五行説」を使います。五行説では、人間を含め、自然界にあるすべてのものを5つに分類します。
具体的には、人間の体を「肝・心・脾・肺・腎」の五臓に分類します。
五臓はそれぞれが連携して、「気・血・水」を巡らせたり、貯蔵したり、活用したりしながら健康を保っています。
そして面白いことに、臓器によって、どのような生活習慣から影響を受けやすいのかが異なります。
・ストレス→「肝」
・血行不良→「心」
・冷え→「脾」
・便秘→「肺」
・不眠→「腎」
どの臓器が強いか・弱いかは、人それぞれの傾向があります。
例えば、ストレスが多いと体調をくずす人がいます。しかし、その人は多少冷えたくらいでは体調をくずさないかもしれません。また、ストレスが多いと体調をくずすけれど、多少の寝不足は平気な人もいます。
これは、生理周期や年齢によっても変化していきます。
今の自分の状態を把握した上で、五臓のバランスを整えていくことが大切です。
自分がどの臓器が弱いかは、書籍『女性の「なんとなく不調」に効く 食薬事典』でも客観的にチェックすることができますよ。
食薬で「なんとなく不調」から抜け出そう!
次回からは、それぞれの体質に合わせて不調を解決してくれる食材をご紹介します。
#2のテーマは「肝」。ストレスに弱い人が陥りがちな不調やおすすめの食材をご紹介しますね。
また書籍には、今回ご紹介した以外にも以下のテーマやコラムが掲載されています。
● 今すぐわかる「体質別の傾向と対策」チェックリスト
● 女性の基礎体温と現れやすい症状
● 28歳以降のエイジングケアが超重要!
女性特有の不調を解決する内容が満載です。ぜひチェックしてみてくださいね。
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書籍筆者:大久保 愛
おおくぼ あい
薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで薬膳を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書に『1週間に1つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)がある。
https://www.horipro.co.jp/okuboai/