今あるもので「あか抜けた」部屋になる。

今あるもので「あか抜けた」部屋になる。【9】

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できるだけ部屋をきれいにしたいけれど、遊び盛りの子供がいるとそうもいかない…そんな悩みを抱えていませんか?

この連載では、真似するだけで素敵なお部屋になる方法を全9回に渡ってご紹介します。

↓第1回のお話はこちら

今あるもので「あか抜けた」部屋になる。【1】

今あるもので「あか抜けた」部屋になる。【1】


↓前回のお話はこちら
今あるもので「あか抜けた」部屋になる。【8】

今あるもので「あか抜けた」部屋になる。【8】

【第9回】
照明で部屋の印象はガラリと変わる

照明 イラスト

照明ってハードル高くて…。これが世間一般のイメージだと思います。

賃貸マンションにお住まいのあるご夫婦。ご自宅に伺ったところ、リビングとダイニングにそれぞれついていたのは、青白っぽい光で、天井に直接取り付けられた円形の照明でした。

一般的な家でよく見るあのタイプですね。じつは、部屋にこのタイプの照明のみというのは、あまりおすすめできません。

部屋全体に光がパーッと行き渡るので、明るさはあります。でもそのぶん部屋がのっぺりして、殺風景な印象になってしまうのです。

ここでいう「部屋がのっぺりする」というのは、白っぽい光で均一に明るいこと。リラックス効果も弱まります。

ダイニングには暖色系の照明を

照明 イラスト

コンビニをイメージしてください。商品名がはっきり見えるように、白っぽいパーッと明るい照明ですね。

でもけっしてリラックスできる雰囲気ではありません。それと同じ部屋になっているということです。

実際、このご夫婦は「好きな家具を置いているのに、なんだか部屋がさみしい。リラックスできない」と言っていました。そこで私が提案したのが、照明です。

ダイニング側の照明を、吊り下げタイプのペンダントライトにチェンジ。電球は黄色っぽい光にしました。さらにソファ脇のサイドテーブルに、テーブルライトを置きました。

効果は抜群!白っぽい光で煌々とした部屋が、落ち着いた雰囲気の部屋に変身。「照明でこんなに変わるのですね!」と大喜びしてくれました。

そう。照明で部屋はがらりと変わるのです。

部屋に合った照明を置こう

照明のポイントをご紹介します。

電球の色に注目

現在はLED電球が主流。LED電球は大きく分けて「昼光色」「昼白色」「電球色」の3つがあり、それぞれ次の特徴があります。

昼光色

青っぽい寒色系の色。青みがかった色は脳を冷静に保ち集中力を高めるといわれ、仕事や勉強をする書斎や子ども部屋に向いています。

昼白色

白っぽい色でナチュラルな光。太陽に近い自然の色なので、メイクをしたりする洗面所、手元がよく見えるようにしたいキッチンなどに向いています。

電球色

黄色っぽい暖色系。落ち着きのある色なので、ダイニングや寝室に向いています。

一室多灯にする

あか抜けた部屋 9話 あか抜けた部屋 9話

一室多灯とは、ひと部屋にひとつの照明(一灯)だけでなく、複数の照明(多灯)を組み合わせて置くことです。

たとえばメインの天井灯のほかに、テーブルに小さめのライトを置いたり、床置きのフロアランプを置いたりすると、光の陰影ができます。

すると部屋に立体感が生まれるのです。まさにのっぺりの反対ですね。部屋も広く感じます。

子どもがテレビを見ているときは天井灯で全体を明るくする。夜、夫婦でお酒を飲みながらゆっくり語らうときは、ペンダントライトやテーブルライトだけにする。

そんなふうに生活シーンに合わせて、一室多灯で照明を楽しむといいですね。

複数の照明なんて無理…と感じる人には、もっとも手軽なクリップタイプのスポットライトがおすすめです。

観葉植物の鉢のフチや、テレビの後ろなどにはさんで取り付けます。このスポットライトを一灯プラスするだけでも、陰影が生まれてドラマティックな空間に。

照明はハードルが高いなんて思わず、ぜひ試してみてほしいアイテムです。

余談

最後にちょっと余談です。文豪、谷崎潤一郎が昭和8年に発表した随筆に『陰翳礼賛(いんえいらいさん)』があります。

インテリアスクールで勉強を始めたとき、先生にすすめられて読み、大変感銘を受けた作品です。

昭和8年は、ちょうど日本人の生活様式が和から洋へ変化した時期。

煌々と電気がつき、明るいのがよしとされる時代の流れを嘆き、まだ電気がなかった頃の日本の日常風景だった、障子からもれるほのかな明かりや部屋の奥の黒い影。

その陰影にこそ日本古来の美しさがあった。そんなことが書かれていました。

光と影。これこそ現代の照明を考えるときにも、大切なことなのです。

※この連載は『今あるもので「あか抜けた」部屋になる。』(サンクチュアリ出版)からの転載です。

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続きが読みたい!という人は、ぜひこの本をお読みください。

今あるもので「あか抜けた」部屋になる。

今あるもので「あか抜けた」部屋になる。書籍カバー

できるだけ部屋をきれいにしたいけれど、遊び盛りの子供がいるとそうもいかない…そんな悩みを解決するのにぴったりな一冊です。

真似するだけで勝手に部屋があか抜ける、黄金ルールが詰まっていますよ。ぜひお手にとってみてくださいね。


荒井詩万

荒井詩万

著者

住宅やマンションのコーディネート・リノベーションを数多く手掛ける。住まう人に寄り添う心地よい空間づくりが人気。町田ひろ子アカデミー講師・大妻女子短期大学非常勤講師、企業とのコラボ空間プロデュース、TV・ラジオ出演、雑誌の企画監修などインテリアに関する様々な仕事をしております。 Instagram(@shimaarai),ブログはこちら