考えない台所

手間をかけずに食事の準備をする3つのルール|考えない台所#4

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料理研究家の高木ゑみさんによる、時間と労力をムダにしない料理の方法を紹介する連載の第4回です。

今回は、手間をかけずに食事の準備をする方法についてご紹介します。

↓第1回はこちら

食費が1〜2割抑えられる献立作りのコツ|考えない台所#1

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まな板洗いが1回で済む!おすすめの調理法とは?|考えない台所#3

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【第4回】食べる時間がバラバラな日のルール:
「出すだけ・温めるだけ」にする。

考えない台所 第4回

一人暮らしは、自分が食べたいものを食べたいときに食べられます。けれど家庭をもつとそうはいきません

私は子どもを午後8時に寝かしつけているので、大急ぎでごはんを食べさせて、お風呂に入れて、ベッドに入ります。自分の食事は子どもが寝てからです。

夫の帰宅はつまり、子どもが食べて、自分が食べて、夫のぶんを用意して…と10時過ぎなので、その時間に食べると太りますし、待たずに食べてしまいます。

夕食を3回も作らなくてはいけません。なんだか、ごはんばっかり作ってる…なんて思いますよね。

こんな「時差あり食卓」を効率的にまわすためには、料理をできるだけ「手間のかからない」状態にしておくことです。

通常、1回の調理に費やす時間は1〜2時間。そのあとの準備にはできるだけ時間はかけたくありません。手がかからずに済む3つのルールを紹介しましょう。

手間をかけずに準備する3つのルール

イラスト 料理

①「出すだけ」の献立にする

準備にいちばん時間がかからないのは「出すだけ」で済むメニューです。刺身やサラダ、冷たいスープ、豆腐や納豆に漬け物、和え物など、そのまま出すだけでよいメニューを取り入れましょう。

②「温めるだけ」の献立にする

シチューやカレー、スープ、煮物などの、温めればすぐに出せるメニューを増やします。温かいおかずがあると、それだけで何だかホッとするものです。

みそ汁は何度も火を入れると濃くなるので、薄めに作っておくとよいでしょう。

③「一歩手前のところ」で調理をやめる

ハンバーグや肉料理は、完全に火がとおる前で止めておきましょう。あとで温めたり、焼きなおしたりしても、おいしく食べられるからです。

完璧に加熱した肉を温めなおすと、水分が飛んでパサパサになったり、硬くなったりします。魚料理は煮魚がおすすめです。


この3つが「時差あり食卓」を円滑にまわすポイントです。献立を考えるときの参考にしてください。

また、避けておきたい献立も紹介しておきます。

パスタ料理は避ける

ゆでたパスタを温めても、伸びてしまって汁気がなくなり、おいしさは半減。だからといって、その都度パスタをゆでるのも気が滅入ります。

パスタは、家族全員がそろっているときに出しましょう

でも、ペンネは時間がたって温めなおしても、そうかんたんに伸びません。以前働いていた飲食店では、パーティーメニューによくペンネアラビアータやミートソース和えを出していました。

時間がたってもおいしく食べられるからです。

揚げ物は避ける

レンジで温めなおすとベタッとしてしまい、揚げたてのおいしさにはなりません。でも油を予熱して、毎度揚げるのも面倒です。

どうしても揚げ物にしたい場合は、スプレータイプのオイルをシュッとふきかけトースターで焼けば、揚げたてに近いサクサク感が出るので、ぜひお試しを。

出来合いの物を使うこともおすすめ

何度も準備するのは面倒だけれど、やっぱり家族にはおいしいごはんを食べてほしい。手は抜きたくないという人も多くいると思います。

けれど、それで自分を追いつめてしまうのは損な話です。だから私はためらわず既製品を使うこともおすすめしています

保温しっぱなしのカチカチごはんよりも、レンジでチンするレトルトの白いごはんのほうがよいではありませんか。

ちなみにレトルトの白いごはんは、炊きたてを再現するために、お米の粒も立っていて、ふっくら仕上がるように作られているのです。

<つづく>

※この連載は『考えない台所』(サンクチュアリ出版)からの転載です。

次回予告

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お楽しみに!

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高木ゑみ

高木ゑみ

作者

料理研究家・台所改善コンサルタント。1985年、東京都生まれ。イギリス、オーストリア、アメリカへの留学で世界各国の料理に出会い、大学在学中から様々なレストランで調理を学ぶ。料理教室でのアシスタント等をした後、料理教室「ガルシェフ料理塾」を主宰。同時にメニュー・商品開発、出張料理、企業とのタイアップなども精力的に行う。著書に『考えない台所』など。