料理研究家の高木ゑみさんによる、時間と労力をムダにしない料理の方法を紹介する連載の第3回です。
今回は、効率の良いまな板の使い方についてご紹介します。
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【第3回】
まな板のルール:白い野菜から切り始める
毎日使うまな板。どんなふうに使っていますか?野菜を切っては洗い、肉を切っては洗い、また野菜を切っては洗うという作業をくり返していませんか?
これでは効率が悪いし、素材が水っぽくなったり、においが残ってしまったりすることも。だからといって、まな板を何枚も持つ必要はありません。
ここでは、まな板を洗うのが1回で済む、まな板のルールについてお話しします。
まず手に入れたいのが、100円ショップなどで売られるシート状のまな板。ペラペラでプラスチック製のものです。そして一般的なまな板(木製でも樹脂製でもOK)を1枚準備しましょう。
まな板を使うときのポイントはふたつ。
- 肉、魚は、シート状のまな板を使う
- 野菜は、白いものから切り始める
野菜は淡い色から濃い色の順に切っていく
肉や魚は雑菌があり、においもつきやすいのでシート状のまな板と決めます。最近は白だけでなく、カラフルなものやキャラクターものなど、さまざまなタイプのシート状まな板が売られているので、肉用・魚用と分けてもよいでしょう。
そして野菜は白いものから切り始める。これが大切です。「白→黄色→赤→黄緑→緑」の淡濃順に、切っていくのです。たとえば、だいこんやかぶ→にんじん→トマト→レタスやきゅうり→ほうれんそう、の順です。
そうすると、まな板の汚れが気にならずにどんどん切れるのです。途中でまな板を洗う必要はありません。もちろん、野菜のくずや皮は取り除きつつ、水分が出るものはキッチンペーパーで拭きながら、次々と一気に切ります。
まな板の下にぬれたふきんをしいておくと、まな板がずれないのでイライラしませんよ。
薬味系は場所を決める
においの強い、にんにくやしょうが、ハーブなどは、切る場所を決めておくとよいでしょう。そうすれば、途中でまな板を洗わずに済みます。
多くのまな板はメーカーのマークや持ち手があるので、毎回同じ方向にそれがくるようにまな板をセットし、右下を「にんにく・しょうがコーナー」。右上をパセリやしそなどの「ハーブコーナー」、左上を香りの影響を受けたくない「パンコーナー」と決めます。
薬味系を切ったあとは、まな板を洗剤で洗ってもかすかに香りが残ります。こうやっていつも場所を決めておけば、食材へのにおい移りも気にならずにまな板を使えます。
料理をするうえで、素材のもつ香りを活かし、大切にすること。このちょっとした自分のルールが、おいしい料理に反映されるのです。
<つづく>
※この連載は『考えない台所』(サンクチュアリ出版)からの転載です。
次回予告
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2021年7月7日(水)公開予定。
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作者